PC

和服の日常着「甚平(じんべい)」

着物の豆知識

黒い甚平を着た男性

「甚平」とは?

紺色の甚平を着た男の子

甚平とは、男性あるいは子供の着る和装のホームウエアの一種で、甚兵衛(じんべえ)ともいいます。最近では、レディース用も多く出回るようになってきました。
夏に着用するのが一般的で、家でくつろぐだけでなく、花火大会や納涼祭などでもよく着られています。
甚平に似た和服に、作務衣(さむえ)があります。

甚平の形、素材

甚平は、上衣と下衣に分かれた二部式の衣服です。
袖も身頃も全体的にゆったりとした風通しのよい作りで、半そでや筒袖、平袖、または袖口が広めの広袖になっています。下衣は、半ズボンのようになっています。
素材は木綿あるいは麻製で、単衣仕立てとなっており、内側と外側をつけひもで結ぶ仕立てなので帯は必要ではありません。襟は棒襟で、衽(おくみ)はありません。
また、甚平の多くは風通しをよくするために、脇の部分がタコ糸で編んだものです。(最近は、タコ糸で編まずに意匠的にレースをつけただけのものが多くなっています。)

甚平の歴史

甚平は、下級武士の着用していた「雑兵用陣羽織」に似ていたことから「甚平羽織」となりそれを略して甚平となった説や、甚兵衛という人が着ていたからなど諸説あります。
筒袖となって普及したのは、大正時代であり、今のように上着と下に半ズボンを履くようになったのは昭和40年頃からのようで、それ以前は膝を多く位の長さの上衣のみのスタイルでした。

甚平の着こなし

男性の場合は、インナーなしで直接着るのはOKですが、胸元がはだけやすいので注意しましょう。
汗が気になるようでしたら、中にTシャツやランニングシャツを着るほうがいいですよね。
女性の場合は、インナーは必須です。キャミソールやチューブトップでも良いですが、胸元を隠したいならばタンクトップやTシャツを合わせるようにしましょう。

甚平と作務衣の違い

◇構造、着用シーズンの違い
甚平のズボンはひざ下のハーフパンツであるのに対して、作務衣のズボンは足首まである長ズボンです。
また、甚平の多くは風通しをよくし涼しく着用できるようにするために脇がタコ糸で編んであります。
一般的に上着の袖の長さも作務衣のほうが甚平より長いです。
甚平が基本的に夏用の衣類であるのに対して、作務衣は季節を問わず着用できるようになっています。

◇素材の違い
甚平も作務衣も甚平も素材は綿が主流です。甚平は主に夏に涼しく過ごすために着用するため、麻と綿の混紡、または麻100%のものも多くあります。
一方で作務衣は夏以外の季節も着用されるものなので、冬には中綿が入っているものやフリース仕様のものなどさまざまな種類があります。

◇用途の違い
甚平は夏の時期に着用される、ホームウエアです。夏祭りに男性が着用することも多いです。
一方、作務衣の用途は幅広く、部屋着、普段着としては、もちろんのこと、そば打ちや陶芸、旅館の仲居さん、飲食店の店員さん、和菓子職人、整体師そして住職など、さまざまな方が着用されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
気軽に用いている方もいらっしゃったかもしれませんが、意外と知らないことも多くあったのではないでしょうか。
着物に比べても安価で管理もしやすいことから、近年では若年層の方の間でも甚平は人気のアイテムです。
この機会に、あなたも是非甚平を試してみてはいかがでしょうか。

LINE@友達登録で300円オフクーポン