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夏の着物生地「紗(しゃ)」とは?

着物の豆知識夏着物

薄紫の着物を着た女性

紗とは?

紗とは、夏の着物の生地の一つで、「からみ織」という織り方で織られています。
紗の生地は、着物だけでなく、夏の羽織や帯、襦袢にも用いられます。
素材は、正絹(絹100%)だけでなく、綿やポリエステルなど、用途によって様々です。

紗(しゃ)の種類

紗には、糸の種類による品質の違いがあります。
・「駒紗(こましゃ)」駒糸をつかった種類
・「平紗(ひらしゃ)」撚っていない平糸をつかった種類
など

紗(しゃ)と似ている生地の「絽(ろ)」との違いは?

紗の着物を持つ女性

夏の着物生地として有名なのが、紗と「絽」で、どちらも盛夏に着ることのできる薄手の織物で、その薄さと軽さから「薄物(うすもの)」と呼ばれています。
どちらの生地も糸と糸の間に隙間があり、布の目が開いているため通気性が高くなっています。
「紗がかかったような」という表現がありますが、紗は向こう側が見えるほど、透き通った織物ということです。絽と比べると、紗の方が隙間の網目が細かくて、全体的に透け感が大きくなります。
紗よりも絽の方が夏の正装着(フォーマル)にも使われる生地とされています。
紗と絽の違いを簡単にまとめてみますと…

◇見た目の違い
・紗は全体的に目が開いている。
・絽は定期的に目が開いている。

◇用途の違い
・紗はカジュアルからセミフォーマルで着用できる。
・絽はフォーマルでの着用。

◇紗と絽どちらにも言えること
・からみ織りで織られている。
・目が開いているため通気性に優れている。

紗の着物を着るのは何月?

透け感が強く、清涼感があり、サラリとした肌心地であるため、盛夏でも比較的涼しく着ることが可能です。紗を着る時期は、盛夏の時期である7月上旬から8月末までとされています。しかし近年は、5・6月から盛夏のような暑さとなったり、9月でも30度を超えたりするため、夏物の着用時期が広がってきており、ルールも緩やかになってきています。
盛夏以外で着用する場合には、白襦袢ではなく、色襦袢を活用することで透け感がなくなるため6~9月にかけて着用することができます。薄物は、下の長襦袢をあえて透けさせることで、お洒落なコーディネートを楽しむこともできます。

紗の着物はどんな時に着ればいいの?

紗は、格としては絽よりも下がり、カジュアルからセミフォーマルな生地となります。
お茶会などの畏まった場所よりは、美術館や観劇のようなちょっとしたお出かけに着て行くのが良いでしょう。

紋紗(もんしゃ)とは?

紋紗とは、紗の派生版で柄を織り込んだもののことです。柄の表現方法は、紗のからみ織りで透ける部分を、平織りで透けない部分をつくることで表します。
紋紗も、地が紗なのか平織りなのかで呼び方が分かれるようです。

◇顕紋紗(けんもんしゃ)
透ける部分は、からみ織り、柄の部分は平織りにして透けないようにします。柄が浮き出たように見えるのが特徴です。

◇透紋紗(すきもんしゃ)
全体が平織りになっていて透けずに、柄の部分をからみ織にして透けるようにしたもののことです。

まとめ

紗は、夏の着物に使われる生地の一つでしたね。
紗は、通気性がよく、清涼感や透明感にあふれた素材です。カジュアルなシーンからフォーマルなシーンまで着用できるため、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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