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和装の草履(ぞうり)とは?

着物の豆知識

草履を履く女性

和装の草履(ぞうり)とは?

草履は、和装の着物を着る時に履く履き物です。草履は、足をのせる「台」の部分と草履が脱げないように、台の部分に密着させるひも部分の「鼻緒」で作られています。靴底は、下駄のように歯がついておらず平らです。
草履は、革製品でできているものがほとんどで、皮の部分はエナメルやパールなどの艶のあるものでコーティングしているものが一般的ですが、つや消しのマットなタイプもあります。
草履は、必ず足袋をつけて履きますが、左右の違いはない造りですので、どちらを履いても良いとされています。

草履の歴史とは?

草履は、平安時代中期に草鞋(わらじ)を改良して作られたものと言われています。青森県の津軽や岩手県の南部では、畑仕事や家の内外においても重宝されていました。昭和10年頃まで、学校で用いられている地域もあったようです。

草履が靴よりも発達した理由とは?

履物は縄文時代から使われていました。
草履が靴よりも発達した理由には、「家に入るときには靴を脱ぐ」という日本の文化が関係しています。家に出入りするときに履物を着脱するので、草履の方が靴よりも便利と言えます。
また、湿度の高い日本において、靴を履いていると蒸れてしまうことがあります。このことから、通気性が良く蒸れにくい草履が発達したとされています。

イ草を使った草履の魅力とは?

草履は今では革製のものが一般的となっていますが、もともとは天然のイ草で作られていました。イ草を使った草履の魅力は…

◆皮脂や汗を吸収する
イ草は吸水性に優れているため、長時間履いていても足の裏がべたつくことがなく、蒸れにくいため快適に過ごすことができます。

◆健康的
イ草がしっかりと編みこまれているため、程よい硬さがあります。足の裏に適度な刺激を与えることで、健康的に履くことができます。

◆畳の感触が楽しめる
昨今において、家に畳がないというご家庭も増えてきました。イ草の草履であれば、履いている間畳に居続けているような感覚になれます。畳の感触によって癒しや落ち着きを感じられます。

着物に合った草履の選び方(サイズ)

・草履の長さは、かかとが1~2cm出す程度はみだすくらいの大きさのものが、裾を踏まず歩きやすくなります。
S・M・Lなどの表記を使っている場合が多いです。
・草履の幅は、通常の幅の船型(ふながた)草履と、幅が広めの台の小判型(こばんがた)があります。小判型は関西エリアで多く好まれていますが、履きやすさには、幅の広い狭いはあまり関係ないとされています。
・草履の高さは、台を重ねる芯の枚数で変わります。かかとが高いほどフォーマル度が増し、カジュアルな着物には3~5cm程度、フォーマルな着物には5~6cm程度の高さがある草履を合わせます。

草履を履くシーンによる選び方

着物や帯と同じように、草履にも格があります。フォーマルとカジュアルのシーンの草履の違いを説明します。
・フォーマルの草履
一般的に台が高いものほど格が高く、礼装用には台と鼻緒が同色のもの、あるいは同素材のものがふさわしいとされています。
礼装用には、金か銀を基調にしたものが一般的ですが、白またはオフホワイト、ベージュのエナメルの草履なら、留袖はもちろん、色無地、訪問着、小紋まで、幅広くほとんどの着物に合わせられます。
礼装でも、振袖の場合には華やかな若々しい印象の草履を合わせます。

・カジュアルの草履
カジュアルの草履は、フォーマル用よりもかかとが低めになっているのが一般的です。
金や銀以外のもので、好みの色柄や素材のものを選んでもいいでしょう。

草履と似ている下駄とは?

下駄とは、木でできた台に開いた3つの穴に鼻緒をすげたものをいいます。台の部分に用いられる素材は桐が代表的ですが、様々な素材のものがあります。桐の中でも会津桐という桐は、会津の気候を活かした最高峰の品質だといわれています。

下駄の形は、一般的に知られているのは二枚歯かと思います。その他にも、サンダルタイプや草履のような形のものがあります。

草履と似ている雪駄とは?

雪駄とは、竹皮を編んで作られた畳表の履物をいいます。畳表の裏には革が縫い付けられています。かかとには金具がついているため、歩くたびに「チャリチャリ」といった存在感のある音が鳴ります。

雪駄は男物の草履という意味で用いられることが多い用語でもあります。それに対して女性ものの和装の履物を草履と呼ぶようです。草履の方が幅広い履物を含みますが、雪駄は草履の中の一部ともいえます。

まとめ

いかがでしょうか?普段はあまり履くことがない和装用の履物ですが、洋装にはない上品さが感じられます。機会があればぜひ履いて楽しんでみて下さいね。

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