犬張子とは?お宮参りで赤ちゃんにつける小物の意味や由来、付け方を紹介
「犬張子」とは、お宮参りの際に厄除けやお守りとして使用される伝統工芸品。子犬の形のため「犬張子」と呼ばれ、お宮参りだけでなく安産祈願にも使用されています。
お宮参りにそんな小物が必要だとは知らかなったという方のため、この記事では「犬張子(いぬはりこ)」の由来や、犬の形に込められた意味を紹介します。
犬張子の他にも、お宮参りには欠かせない小物についても紹介します。

お宮参りでは産着に小物を付けるってホント?

お宮参りは、赤ちゃんの健やかな成長を神様に願う伝統行事で、男の子なら生後31日目~32日目、女の子なら生後32~33日目に神社に参拝するのが一般的です。
そんなお宮参りには、赤ちゃんが身にまとう産着(祝い着)に縁起の良い小物を付けて、神社にお参りするという風習があります。
お宮参りの小物には犬張子をはじめ、健康祈願や厄除けなどの意味があり、縁起物として付けるのが一般的です。
赤ちゃんの産着(祝着)に付ける小物たちとは?

赤ちゃんの産着(祝着)に付ける小物には「でんでん太鼓」や「扇子」「犬張子」「お守り袋」など、どの小物にも赤ちゃんの健康や成長、幸せな未来を願うという意味があります。
また、小物とは異なりますが「紐銭(ひもせん)」という、お宮参りの際に親戚や親しい人から贈られた御祝儀袋を赤ちゃんの産着に結び付けるという風習もあります。
どんな小物を産着に付けるのかは、地域のしきたりや風習によって異なるため、事前に調べておくことが必要です。
また、地域によってはお宮参りの時期や神社での参拝方法にも違いがあります。
実家の近くでやるなら祖父母や親戚の方に、いま住んでいる地域でやるならご近所さんなどの地元の方に聞いたり、参拝予定の神社に問い合わせたりして確認しておくことをオススメします。
お宮参りの小物は付けなくても大丈夫?

昔はお宮参りの際には小物を付けることが一般的でしたが、現在では小物を付けなくても問題はありません。
そもそも伝統的な赤ちゃんの服装は、白羽二重(しろはぶたえ)の内着に祝着を掛けるスタイルですが、現在は内着の代わりにベビードレスを使用したり、産着ではなくセレモニードレスなどの洋装でお祝いをされる方も増えています。
時代の移り変わりとともに服装が変わっていくように、産着に小物を着けるかどうかも、お宮参りをするご家庭でよく相談して決めることが大切です。
もしも、昔ながらの伝統的なお宮参りのやり方でお祝いすることになった場合には、事前にしっかりと調べて必要な小物を用意しましょう。
お宮参りの小物のひとつ「犬張子(いぬはりこ)」とは?

お宮参りのときに赤ちゃんの産着(祝い着)に付ける小物のひとつ「犬張子(いぬはりこ)」。神社などでは犬張子の人形よりも、安産祈願や子どものお守り、絵馬の絵柄などとして見かけることが多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな犬張子の持つ意味や起源などを詳しく紹介します。
「犬張子」とは子犬の形をした張子人形のこと

東京の郷土玩具として知られている犬張子は、子犬の形をした張子人形のことで、さまざまな大きさのものがあります。
犬張子は子宝や安産、厄除けのお守りとして古くから愛されている人形で、赤ちゃんの幸せを願う「お宮参り」には欠かせない小物として、昔から使用されてきました。
お宮参りの小物になったのは熱田神宮がはじまり
江戸時代に玩具として親しまれていた「犬張子(いぬはりこ)」が、お宮参りの小物として使われるようになったのは東京ではなく、愛知県名古屋市にある「熱田神宮」が発祥といわれています。
熱田神宮は、三種の神器の一つ草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)の鎮座に始まる由緒正しい神社。この地域では現在でも産着(祝い着)の結び目に「でんでん太鼓・犬張子・お守り袋」をつける習慣が残っています。
この習慣は愛知県全体のものではなく、主に熱田神宮のある中部地方だけのよう。それ以外の地域では祝い着に犬張子を付ける習慣はなく、犬張子の存在自体を知らない方もいるそうです。
犬張子の起源は厄災を祓う狛犬が原型
犬張子そのものの歴史はもっと古く、その起源は平安時代、宮中に飾られていた厄災を祓うための狛犬といわれています。
当時の上流階級の間には、犬張子の元ともいわれる「犬筥(いぬはこ)」を産室に飾り、子どもが無事に誕生すると今度は子どもの枕元に置くという風習がありました。
犬はお産が軽く、丈夫な子犬をたくさん産むことから、「犬筥」は安産や子どもの成長を願うお守りにされていたようです。
また、子宝を願う婚礼道具にもなっており、産室や子どもの部屋だけでなく、夫婦の寝室に飾られていたともいわれています。
犬筥は「御伽犬(おとぎいぬ)」や「宿直狗(とのいいぬ)」 とも呼ばれ、雄・雌一対、顔は子ども、体は犬に似せて作られた上下に分かれる箱型の置物でしたが、江戸時代になると、現在のような足のある姿のかわいい犬張子が流行するようになりました。
江戸時代後期になると、お宮参りの贈り物や子どものお守りとして人気を集め、その人気はやがて庶民にも定着することとなり、現在にまで至っています。
ざるかぶり犬張子が誕生祝いにふさわしい理由とは?
犬張子の中には、頭に竹のざるをかぶった「ざるかぶり犬張子」があるのをご存じですか?
ざるかぶり犬張子は、多くの江戸っ子たちが集う浅草の境内で売られていたのがはじまりとか。
竹のざるをかぶっているのには意味があり、「竹」をかぶった「犬」、つまり「竹」+「犬」=「笑」という漢字になることから、「笑顔の絶えない元気な子に育つように」との願いを込めた笑門来福の縁起物として、出産祝いやお子さんの誕生祝いとしてふさわしい人形とされているのです。
この他にも、ざるで水をすくっても流れ落ちることから、犬張子にざるをかぶせることで「赤ちゃんの鼻づまりが治るように」という願いが込められていたり、夜泣きや癇癪を起す赤ちゃんの「疳(かん)の虫を封じる」おまじないだったともいわれています。
犬張子だけじゃない!お宮参りで活躍する小物とは?
お宮参りでは、産着(祝い着)に付ける縁起物として、「犬張子(いぬはりこ)」の他にもさまざまな小物を使います。
ここでは、お宮参りに使われている一般的な小物を詳しく紹介します。
地域によって付ける小物は異なりますので、自分たちがお宮参りを行う地域はどんな小物を使うのか、事前に調べておくといいでしょう。
扇子

お宮参りの扇子には、白髪(白い麻ひも)に熨斗(のし)をそえたものを使用します。
扇子は漢数字の「八」のように末広がりになる形状から、「末広(すえひろ)」とも呼ばれ、「末広がりに栄える」という意味がある縁起物。白い麻には「麻のように丈夫で、白髪になるまで長生きできるように」との願いが込められています。
産着に付ける場合には、扇子に赤ちゃんの生年月日と氏名を記入し、のし袋に入れた状態で付けるのが一般的です。
でんでん太鼓

でんでん太鼓は、赤ちゃんをあやすために使われる伝統的な玩具です。
産着に付けるでんでん太鼓には、丸くて裏も表も音が鳴るその形から、「角のない穏やかで裏表のない素直な子に育ちますように」という意味が込められています。
また、でんでんと鳴る太鼓の音は邪気や悪霊を払うと考えられており、赤ちゃんの魔除けとしても用いられています。
お宮参り後は家に飾ったり、おもちゃとして使うことも可能です。
お守り袋

お守り袋は、お宮参りで神社から授与されたお札を入れるための袋です。
袋には長寿の象徴である「鶴」が描かれていることが多く、赤ちゃんが「長生きできますように」という願いが込められています。
お守り袋は白色の房が男の子用、赤色の房が女の子用という慣わしがあるのも特徴です。
子どもの健やかな成長を祈願した大切なお守りですから。お宮参りの後はきちんと保管しておきましょう。
よだれかけ・帽子

縁起物ではありませんが、実用的な小物として必要になるのが、よだれかけと帽子です。
よだれかけは、産着(祝い着)が汚れるのを防ぐために使います。縁起の良い鶴や松が描かれたものや、フリルやレースが付いたよだれかけが多く、サイズも大きいため使いやすくなっています。
帽子は、赤ちゃんの柔らかい頭を保護するために欠かせない小物です。冬のお宮参りでは防寒アイテムとしても役立ちます。
よだれかけと帽子はセットが主流。デザインもシンプルなものから華やかなものまで豊富に揃っているため、産着の色柄に合うものを選ぶといいでしょう。
犬張子などのお宮参りの小物の準備と付け方、納め方

「犬張子(いぬはりこ)」を始め、お宮参りに使用する小物は、絶対に必要なものというわけではありません。
そのため、何をどこで揃えればいいのか、どうやって付けたらよいのか、お宮参りが終わった後はどうするのかなど、わからないことも多いようです。
小物には何が必要かどう調べればいい?

伝統にはそれほどこだわりはないけれど、産着に小物は付けてあげたいという場合には、犬張子、でんでん太鼓、お守り袋があれば大丈夫です。
初めてのお宮参りの場合、自分たちのお宮参りには、どんな小物が必要なのか、どうやって調べればいいのかと、悩む方も多いでしょう。
もしも、パパ、ママ、どちらかのご実家でお祝いする場合には、祖父母や実家近くに住んでいる親戚に聞いてみましょう。
その地域だけでなく、各ご家庭に伝わるやり方もあるかもしれません。
まずは確認してから、それを取り入れるかどうかを、祖父母も交えて話し合うといいでしょう。
現在住んでいる自宅で行うならば、その土地独自の風習があるかどうかを近隣の方などに聞いてみるのもひとつの方法です。
参拝する神社が決まっているなら、神社に確認してもかまいません。
小物を購入する場合に、呉服店の店員さんなどに聞いてみる方法もあります。
小物はどうやって用意すればいいの?
お宮参りの小物は、デパートやベビー用品店、呉服店や着物専門のネットショップなどでも購入することができます。
お宮参りに使う小物は単品で購入することもできますし、必要な小物が一式セットになったものを購入することも可能です。
お宮参りの小物セットには、よだれかけや帽子が含まれているものも多く、ショップによってはセットの内容が異なることもあるため、事前にセット内容をしっかりチッェクしましょう。
また、自分ま住んでいる地域のお宮参りに必要な小物がわからない場合には、ショップでお店の方に相談するのもひとつの方法です。
犬張子などの小物はどこに付けるの?

お宮参りに使う小物の付け方は地域によっても異なりますが、赤ちゃんを抱いて産着(祝い着)を羽織ったときに背中側に来る、結び紐に括りつけるのが一般的です。
扇子に付いている麻の紐を延ばし、でんでん太鼓、犬張子、お守り袋の順番で小物同士を結びつけ、産着の背中の紐に括り付けます。
扇子がない場合には生麻の紐などで、産着の結び目に「犬張子」「でんでん太鼓」「お守り袋」などを落ちないように括り付けてもいいでしょう。
産着(祝い着)に付けるときには、小物が落ちないようにきつく結ぶことが大切です。
使った小物はどうすればいいの?
お宮参りで使用した小物は、神社へ奉納するのが一般的です。
いつまでに奉納しなくてはいけないという期限はありませんが、年末年始の参拝時や、七五三のときに神社に納める方が多いようです。
「犬張子(いぬはりこ)」は子どもの災難除けのお守りになりますから、3歳の七五三までは子ども部屋に飾り、3歳の七五三のときに神社に納めるといいでしょう。
でんでん太鼓も部屋に飾って莉、赤ちゃんのおもちゃとして使用しても問題はありません。
いただいた紐銭や帯銭は、赤ちゃん用の貯金にしておくと、お子さんにも喜ばれるでしょう。
関西の風習、紐銭・帯銭の付け方や相場、お返しはどうする?

大阪を中心に関西で知られているお宮参りの風習が、「紐銭(ひもせん)」や「帯銭(おびせん)」です。
近所や親戚、友人などに赤ちゃんをお披露目する挨拶まわりをした際に、「赤ちゃんが一生お金に困らないように」と、挨拶された方たちが麻ひもに通した硬貨を、赤ちゃんの産着(祝い着)に結んでくれたのが紐銭の始まりといわれています。
紐銭のお祝いの仕方は地域によっても異なり、ご祝儀の5円(ご縁)や50円(ご重縁)を12カ月分の12枚、麻ひもに通して祝い着に結ぶ場合もあります。
現在の紐銭は、ご祝儀袋の中央や上端に穴をあけて、ほかの小物と一緒に結びつけるスタイルが多いようです。
紐銭や帯銭の産着への付け方は?
お宮参りの小物と一緒に紐銭や帯銭を付ける場合には、ご祝儀袋の上部中央か左上にパンチやキリで穴をあけ、そこに紅白か金銀の水引を通し、扇子の麻の紐に結びます。
水引がない場合は、あけた穴に直接麻の紐を通しても問題はありません。
扇子を付けない場合には、同じようにご祝儀袋上部中央か左上にパンチやキリで穴をあけたら、そこに紅白か金銀の水引を通し、祝い着に直接結び付けます。
お年玉を入れるポチ袋で紐銭をもらった場合も同様です。
産着に結ぶ際にはほどけないようにしっかりと結んでおくこと、お金を落としてしまわないように、ご祝儀袋を空にしてから結ぶといいでしょう。
紐銭の相場はいくら?お返しは必要?
紐銭や帯銭の金額に決まりはありませんが、相場は1,000~5,000円程度。
ご祝儀のため縁起の良い奇数、1,000円、3,000円、5,000円から決めることが多いようです。
お宮参りの紐銭や帯銭は赤ちゃんへの初めてのお小遣いとして贈られるもののため、出産祝いよりも少額にする場合がほとんど。
また、赤ちゃんへのお小遣いですから、基本的に紐銭のお返しは必要ありません。
感謝の気持ちを伝えたい場合には、お宮参り後の会食に招待したり、お宮参りの写真と一緒に、いただいた金額の3分の1程度のお菓子や小物などを贈るといいでしょう。
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きものレンタリエなら産着と一緒に小物も揃う

お宮参りの産着(祝い着)をレンタルする予定なら、産着セットの中にどんな小物が含まれているかも、事前にチッェクしておくことが大切です。
きものレンタリエの場合、産着のレンタルセットにはお宮参りの赤ちゃんの服装に欠かせない、よだれかけと帽子、女の子なら赤、男の子なら白のお守り袋が含まれています。
さらに、産着をレンタルした方なら、きものレンタリエオリジナルの和風小物8種類セットをオプションとしてレンタルすることができます。
寝相アートや記念撮影の小物としても使えるこのセットには、犬張子やでんでん太鼓も含まれているため、お守りと一緒に産着につけることも可能です。
産着をレンタルするときに併せて小物もレンタルすれば、小物を探したり、購入する手間が省けますから、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ
赤ちゃんの健やかな成長を祈願するお宮参りでは、縁起物の「犬張子(いぬはりこ)」をはじめ、「でんでん太鼓」や「扇子」「お守り袋」などの小物を、産着(祝い着)に付けることが習わしとされてきました。
現在では、絶対に付けなければいけないとわけではありませんが、きものレンタリエのように、産着と一緒に手軽に小物をオプションレンタルできるショップもありますから、縁起物の小物も大いに利用して、お子さんの成長を思い切りお祝いするのも、後々ステキな思い出になるのではないでしょうか


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