産着(祝い着)って何?誰が用意するかや色・柄などの基本をわかりやすく説明
産着(祝い着)とは何かといえば、赤ちゃんがお宮参りで着る晴れ着のことをいいます。
産着という言葉は赤ちゃんが生まれてすぐに着る着物のことも指すうえ、祝い着、掛け着、のしめなど、産着には別名がたくさんあることから、混乱している方も多いようです。
産着とは何か、誰が用意するのか、男の子女の子の産着の特徴など、知っておきたい基本について紹介します。

産着(祝い着)って何?
「産着(うぶぎ)」には二つの意味があり、赤ちゃんが生まれて初めて着る衣服「産衣(うぶぎぬ)」のことを指す場合と、氏神様に初めて参拝するお宮参りのときに着る晴れ着の「産着(うぶぎ)」ことを指す場合があります。
昔は赤ちゃんが生まれて数日間は魔除けのために前掛けやぼろ布にくるみ、生後数日たってから初めて人間の衣服を着せるという風習がありました。
しかし、病院で出産することがほとんどの現代では、生まれてすぐに肌着を着せることからこの風習は行われなくなり、初めて着る衣服という意味での「産着・産衣」という表現はほとんど使用されなくなりました

そのため現在では、「産着(うぶぎ)」といえばお宮参りで着る晴れ着のことを指すのが一般的です。
産着は初めて着るという意味の「初着(うぶぎ)」をはじめ、「祝い着」「掛け着」「のしめ」などとも呼ばれていますが、そのどれもがお宮参りで着る晴れ着のことを指しています。

また、お宮参りの産着は赤ちゃんに白羽二重という絹織物の着物やベビードレスなどの内着を着せて、その上から華やかな一つ身の着物を着せますが、実際には、一つ身の着物を赤ちゃんが直接着るわけではありません。

内着を着せた赤ちゃんを抱っこしている母親や祖母を覆うように一つ身の着物を掛けて、抱っこしている人の背中で一つ身の着物についている紐を結ぶ形になります。

お宮参りの産着を用意するのは誰?

昔の風習では、お宮参りの産着は母方の実家が用意する地域が多かったようです。
しかしいまでは、母方が用意するべきという風習にこだわっているご家庭は少なく、パパやママが自分たちで用意したり、父方母方は関係なく孫のために産着を贈りたいと思った祖父母が用意することも。
とくにママやパパが用意する場合には、時間や費用をかけて産着を誂えるよりも、レンタルを利用するケースが圧倒的に多いようです。
とはいえ、昔ながらの風習が受け継がれている地域やご家庭もありますから、産着を誰が用意するかは、パパ、ママ、双方のご実家に事前に確認しておくとよいでしょう。

男の子の産着の色・柄とは?

男の子の産着は「熨斗目模様(のしめもよう)」になっているのが一般的。
色は昔ながらの黒や紺、深緑などの濃い色合いに加え、明るい白や青、水色、洋服のようなベージュなどのやわらかな色の産着も増えています。

絵柄は勝負強さを表す兜や軍配、獲物をつかむように鋭い爪で幸運をつかむという鷹、元気に勇ましく育って欲しいという願いが込められている龍や虎が定番人気です。
亀甲花菱や宝尽しなど、縁起物の絵柄も多く見受けられます。
昔は男の子の産着には家紋を入れるものでしたが、最近は入れないスタイルが主流に。
ただし、地域によってはまだ、家紋を入れるところもあるようです。

女の子の産着の色・柄とは?
女の子の産着は、友禅染めのように多彩で絵画的な「友禅模様」が多く見受けられます。

明るくて華やかな色が多く、赤やピンク、オレンジや黄色などが主流。
とくに赤やピンクはいまでも人気の高い色といえます。

絵柄は、美しい成長と祝福を願う御所車や花車、貴族の遊びである蹴鞠から高貴さを表すという手鞠、音を出すことで邪気を払い神に祈りや願いを届ける鈴なども描かれています。
美しく成長する姿をイメージした蝶や、飛躍を表したうさぎの柄が描かれていることも。
富貴さや気品を感じさせる牡丹や芍薬、豊かさを表現している桜、長寿の象徴である菊などの花柄も人気を集めています。

夏用の「絽」の産着とは?
産着には、6月下旬~9月上旬の盛夏の頃に着用するための「絽」という生地を使用したものがあります。
「絽」とは密度を粗く織ることで、生地の目の間隔を適度に空けた生地のことで、薄くて透け感のある見た目通り、通気性にすぐれていて着心地も涼やかです。
そのため、夏のお宮参りでは赤ちゃんの暑さ対策にも役立ちます。

しかしその一方で、絽の産着の中には着せたい色柄が見つからない場合や、絽の産着だと写真撮影のときに透けてしまって着物がキレイに写らない場合も。
そんなときには、オールシーズン着られる産着の中から選んでも問題はありません。
産着は通常、襦袢と二枚重ねにして着用しますが、中の襦袢を外して使用することで暑さ対策になりますので、それぞれの状況に合わせて選ぶことをオススメします。


夏に産着を着るときの対策とは?
猛暑が続く盛夏のお宮参りでは、絽の産着にしたり、襦袢を着ないだけでは、赤ちゃんへの暑さ対策がまだまだ足りない場合も。
お宮参りでの赤ちゃんの正式な服装は、肌着の上に白羽二重という白絹の着物を着せてから、さらに一つ身の掛け着を羽織るのですが、現在は白羽二重の内着の代わりにベビードレスやカバーオールを着せてあげるのが一般的。
このベビードレスやカバーオールも、風通しの良い素材のものにしてあげましょう。
その下に着る肌着はガーゼ素材のものを利用するか、思い切って肌着を着せずに、直接ベビードレスを着せてしまうのも涼しくする方法のひとつ。
また、いくら風通しが良い絽の産着でも、真夏の炎天下に長時間羽織っていては、だんだんと熱がこもってしまいます。
絽の産着は神社に到着してから羽織る、祝詞を上げてもらうときや、記念写真を撮影するときにだけ羽織ることをオススメします。

最近人気の産着とは?
最近の産着は色柄共に、年々、個性豊かになっているのが特徴です。
女の子の人気産着
女の子の産着は定番の赤やピンクだけでなく、水色や黄緑、紫などカラフルに。
最近は、白やクリーム、淡いピンクなど、いままでにないパステルカラーのものが登場しています。

お宮参り産着|【日本染色協会長賞】白地 鞠や桜 金彩金駒刺繍|U0161 女の子

お宮参り産着|【NATURAL BEAUTY】 クリーム地に牡丹と椿 ブランド|U0152 女の子


お宮参り産着|【華徒然】ピンク地に薬玉や扇 ブランド|U0215 女の子


男の子の人気産着
男の子の産着は、龍を描いたものに人気が集まっています。また、力強い絵柄だけでなく、吉祥文様や菊の花などの可愛い絵柄も登場し、バラエティに富んだデザインになっています。

お宮参り産着|【手描き友禅】白に龍 稲妻 |U0224 男の子



お宮参り産着|芸艸堂 緑地に吉祥龍 ブランド|U0114 男の子

お宮参り産着|九重 紺地に龍と波・松 ブランド|U0102 男の子

まとめ
現代では、「産着」といえばお宮参りに着用する晴れ着のことをいいます。
昔は母方の実家が用意してくれるのが一般的でしたが、いまでは両親がレンタルするケースがほとんど。
また、女の子のなら赤やピンク、男の子なら黒や紺の産着が多かったのですが、どちらの産着にも多彩な色や柄が登場し、個性に合わせたデザインを選べるようになっています。

#産着 #祝い着

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