振袖の柄に込められた意味

振袖の柄に込められた意味

華やかな振袖の柄、普段の生活では見慣れない柄も多いですが、いったいどんな意味が込められているのでしょうか。
ここ意外と知らない模様・柄の種類と意味についてご紹介致します。

そもそも振袖とは?

振袖とは結婚していない若い女性が着る第一礼装の着物です。袖丈が長いのが一番の特徴ですね。
振袖で最も着用の機会が多いのが成人式ですが、この成人式は20歳の大人の一員となった若者を地方自治体が主体となって激励・祝福する行事です。
成人式は人生のビッグイベント、重要な式典にあたりますので、未婚の女性の最も格の高い振袖を着用して出席される方がほとんどです。
他にも振袖を着る機会としては着用条件にあてはまる方の晴れの日の行事全般にご利用いただけます。
結納、結婚式披露宴出席、初詣や新年のご挨拶の時、また身長の高めのお嬢様の十三参りにもサイズが合えばご利用頂けます。
振袖には縁起が良く、厄除け、成長を願うといった意味もこめられておりますので、こういった晴れの日にはまさにぴったりの装いなのです。

それぞれの柄についてのご紹介

「有職文様(ゆうそくもんよう)」

中国唐朝の文様を日本化したもので、格調ある伝統的な文様です。
有職とは、平安時代の宮中の儀式や行事に関する研究者や学者のことで、貴族・公家・学者といった「有識者」の装束に用いられたことから「有職文様」と呼ばれるようになったのだとか。
有職文様には、立湧(たてわく)紋、菱(ひし)紋などが挙げられます。公家の装束・調度などに用いられた一般庶民には見ることすらできない高貴なものとされる伝統的な模様です。
立涌文(たてわくもん)は蒸気の立ち昇るさまを表現したものとされ、湾曲した曲線のつながりの文様です。蒸気の立ち昇りは吉祥であり、縁起の良いものとされました。
膨らんだ部分に様々な意匠を入れ、いろいろな立涌文様が作られ愛用されています。
亀甲文(きっこうもん)は亀の甲羅をモチーフに、六角形に紋章化したもので、鶴は千年、亀は万年と言われるように長寿でおめでたいシンボルです。
こちらも立涌文同様、亀甲つなぎ、亀甲花菱、毘沙門亀甲など派生文があります。
七宝は、ひとつの輪の四隅に4つの輪を重ねた文様で輪違い文ともよばれます。
仏教の教典に出てくる七種の宝をさし、金、銀、瑠璃(るり(青い宝石))、玻璃 (はり(水晶))、しゃこ貝 、珊瑚、瑪瑙( めのう(縞状の鉱物))であると言われてます。
人と人とのご縁は、何よりもかけがえのない宝物であり、目に見えないものの、当時の財宝すべての物質「七宝」と同等の価値があるという意味がありました。
つまり、七宝は良縁、円満、調和、などの願いが込められた縁起の良い柄です。
他には菱文(ひしもん)・花菱(はなびし)襷文(たすき文)・唐草文(からくさもん)・基本的な文様から、アレンジされたものまで様々です。

「吉祥文様(きっしょうもんよう)」

吉祥文様とは、おめでたいしるし、縁起が良い柄としてお祝いの席で好まれる模様です。
吉祥文様は中国から影響を受けた柄が多く、中国由来のものと、日本の縁起物に由来する柄・模様2パターンに分けられます。
中国由来の柄は宝尽くし・龍、鶴亀、鳳凰、日本由来の柄は松竹梅、熨斗、橘、御所車、御簾などが挙げられます。

宝尽くし(たからづくし)は縁起の良い宝物をたくさん描いた模様です。縁起が良く、福を呼ぶとされています。
龍は天に昇るイメージから発展や成功を表しています。
鶴亀は長寿のシンボルですね。
鳳凰は中国では徳の高い君子が帝位につくと出現するとされております。縁起の良い、不老長寿を願う吉祥文様です。
松竹梅は吉祥の縁起物のシンボル。吉祥とされた順に松→竹→梅、です。生命力の高さから子孫繁栄や長寿の象徴となりました。
熨斗は熨斗鮑という神様への贈り物が由来でとてもおめでたい柄。束ね熨斗の柄が多く使われます。
御所車は平安時代の貴族の乗り物で、富や華やかさを表した柄。御所車に花々を乗せた花車は、幸福の象徴である花で満たされた様子から、幸せにあふれますようにという意味が込められています。

その他生物の文様

蝶・・・さなぎから蝶へと成長して天に昇る姿から吉兆・縁起の良い柄とされます。古典柄・洋柄どちらにも描かれます。
孔雀・・・見た目の華やかさと、サソリや毒蛇を食べるところから悪霊を食べ邪気を払う尊い存在として吉祥文様として描かれます。
うさぎ・・・うさぎの飛び跳ねる様から、物事がトントン拍子に進む、縁起の良い柄だと言われています。

花をモチーフにした文様

辻が花・・・辻が花とは染め物の一種。奈良時代から続く伝統的で高度な技術を要する絞り染めです。
名前の由来は、「つつじが花」が省略されたという説や「辻=十字路」という意味で、花が十字に交わるからという説があります。
桜・・・振袖の柄として人気の誇る桜は様々なデザインで用いられます。しだれ桜や桜づくし、他のモチーフと合わせても多用されます。
桜は一斉に花を咲かせることから豊かさ・反映を意味するといわれております。
牡丹・・・百花の王、牡丹。小さな丸いつぼみから大輪の美しい花を咲かせることから、高貴さや富貴さ、美しさを意味するものとして愛されてきた花です。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花と昔から日本女性の美しさの例えに使われてきました。
椿・・・葉の光沢が美しいことから「艶葉木」が語源となっています。古来より厄除けの聖なる木として好まれてきました。
百合(ゆり)・・・白い百合は「純潔」「無垢」の意味を持ちます。
薔薇・・・洋柄で人気の高い薔薇の花は色によって意味が変わります。
赤い薔薇は愛情、情熱・白い薔薇は尊敬・純血 、青は奇跡、夢の実現 ・ピンクは淑やか、上品 ・黄色は友情、可憐などといった意味を持ちます。
菊・・・皇室の御紋にも使われている、とても高貴な花。菊には厄除け、浄化の作用があり、邪気を払う縁起物として尊ばれます。

いかがでしたでしょうか、振袖の柄には、一つ一つ込められた意味や願いが込められています。 これらの柄の知識は、柄選びに迷った時や、振袖を着用する場面や季節にあった柄をお選び頂く参考にもお使いいただけるかと思います。 柄・模様の持つ意味がわかるとよりいっそう振袖選びをお楽しみいただけます。