芭蕉布(ばしょうふ)とは?わかりやすく説明

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芭蕉布

芭蕉布(ばしょうふ)とは?

芭蕉布とは、沖縄本島北部にある、大宜味 (おおぎみ) 村の喜如嘉 (きじょか) を中心として作られている織物のことです。芭蕉布は、バナナの仲間である糸芭蕉 (いとばしょう)の繊維が使われており、糸芭蕉の栽培から生地の仕上げまでの全工程をこの地域で手作業で行う工芸品となっています。

芭蕉布の特徴とは?

葉

芭蕉布は、薄くて軽く、張りのある感触から、汗をかきやすい高温多湿の日本の夏においても肌にまとわりつきにくく、サラッとした着用感を実現できるという特徴を持っています。
幹を糸にして織り上げている芭蕉布は、体との添いが悪く着付けしにくいといわれています。
芭蕉布は、肌にまとわりつきにくいため、空気の通りが良く涼しいですが、着れば切るほど芭蕉の繊維がしなやかになっていきます。

芭蕉布の着物・帯を着用するシーズンとは?

◇芭蕉布の着物
芭蕉布の着物は、主に7月から8月の盛夏に着用できる薄物としての印象が強いかと思います。
ただ、薄物のイメージが強い芭蕉布の着物ではありますが、藍染め(あいぞめ)や煮綛(ニーガシー)芭蕉布のような濃い色目の場合や絣(かすり)の場合には季節の変わり目である、6月や9月の単衣(ひとえ)として着用しても問題ないでしょう。
さらに、長襦袢(ながじゅばん)の色を工夫することでも着用期間が長くなりそうです。
芭蕉布はお洒落着として、季節に応じて楽しみたいものですね。

◇芭蕉布の帯
芭蕉布の帯は着物よりも更に長い期間活躍してくれます。単衣の季節はもちろんですが、9寸名古屋帯の場合、特に藍染めの物やコーザーなどは5月や10月に取り入れても大丈夫でしょう。

芭蕉布作りのはじまり…「畑仕事」の重要性?

芭蕉布の原料となる「糸芭蕉」、これをしっかりと育て上げる作業が芭蕉布作りには重要です。なぜかというと……糸芭蕉が採取可能になるには3年程度かかるからです。人の背丈を超えるくらいに成長するのが3年経った頃、しかも1本の糸芭蕉から採れる繊維の量はわずか20グラム程度。一旦の芭蕉布に必要な糸芭蕉は200本という点を考えると気が遠くなる作業だということが分かるでしょう。

丹精込めて作り上げられる「芭蕉布」の貴重さ

芭蕉布を作る過程において「畑仕事」の比重がとても大きいことは先述しましたが、その後の工程も非常に繊細なものなのです。

3年近くかけて収穫可能になった糸芭蕉、その収穫期は秋から冬にかけてと完熟した頃合いです。そんな繊維からできた糸に撚りをかけることで更に強度を増して絣をくくる、天然染料(琉球藍や車輪梅など)で染め上げた後に図案に沿った絣糸として準備した後、やっとの思いで織りの工程に入ることができます。

しかも、芭蕉は乾燥に弱いため切れやすい特性があるため、製作に適した時期は梅雨時期と限定的です。

このことから考えると、柄や織り手によるとはいえ約2ヶ月でようやく一反織り上がる計算になります。

芭蕉布の完成までに23もの工程がありますが、そのうちのほとんどが「糸作り」に費やされます。織りの工程はわずか1パーセントほどなので、糸作りにかける労力がどれほどのものなのかということが分かりますね。

まとめ

芭蕉布は、沖縄で作られている工芸品です。現在では、着物だけでなく帯や座布団地、テーブルセンターやクッションなど様々なアイテムに展開されています。
あなたも芭蕉布を取り入れてみませんか?

#芭蕉布

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