伊達衿(だてえり)とは?着物の装飾アイテムをわかりやすく説明
伊達衿(だてえり)とは?
伊達衿とは、着物を着た時に衿の部分に付けて、何枚もの着物を重ねているように見せて色の重なりを楽しむためのアイテムです。
伊達衿の別名を『重ね衿』といいます。
この重ねるという言葉には、「慶びが幾重にも重なりますように」との願いが込められています。
平安時代に着用されていた「十二単」に代表される重ね着のように、元々は、礼装の際には2枚重ねて着るしきたりがあり、現代ではその略式礼装として重ね衿を使うようになりました。
伊達衿は、訪問着、付け下げ、色無地、振袖などの礼装で使われます。重ね襟によって華やかになり、高級感も増しますが、必ずしも付けなければならないものではありません。

伊達衿(だてえり)を付ける場所は?
伊達衿の大きさは長さ1.2~1.3m前後、幅は10~12cm程度の長方形の布です。伊達衿は、着物と半衿の間に覗かせるように、着物の衿に縫い付けて使います。
伊達衿(だてえり)(重ね衿)の素材は?
塩瀬(しおぜ)、縮緬(ちりめん)、綸子(りんず)、羽二重(はぶたえ)などがあります。 無地や地紋の入ったものが一般的ですが、中には絞りや小紋調のものもあります。 さらに、表と裏で違う色のリバーシブルとなっているものもあります。
また、振袖のコーディネート用に、レースやパールや花飾り、フリルを施したものもあります。
伊達衿(だてえり)のコーディネートは?

伊達衿は、訪問着や振袖などの華やかな礼装に付けます。半衿と着物の間にもう一色を加えることになるため、胸元がとても華やかになりますが、高度な色合わせとなります。
基本的な色の選び方としては、帯揚げや帯締めの色に合わせたり、帯の中の柄の色に合わせるとよいでしょう。
フォーマルな場では、なるべく着物や帯の色と同調するような色を選んで、全体の統一感を重視することで場に合った着こなしとなります。
伊達衿を付ける着物の種類は以下の通りです。
◇黒留袖
比翼(ひよく)を付けるので伊達衿は使いません。
◇色留袖
一つ紋など比翼を付けない場合に、白色を用います。また、紋なしで訪問着感覚で着用する場合は色物でもOKです。
◇訪問着・付下げ・色無地
着物地の色に近い濃い色か薄い色を選ぶと上品なコーディネートになります。
※お子さまのお宮参りや七五三、入卒業式でお召しになる場合には、上品な淡い色の伊達衿がおすすめです。
◇振袖
ラインストーンが付いている伊達衿などを使って、より一層華やかなコーディネートに仕上げることができます。
◇小紋
「小紋=カジュアルな着物」というイメージですよね。ただ、小紋の柄行や帯、小物によっては、改まった場面でも活躍してくれます。
そういったシーンでの着用であれば、伊達衿も品格のあるコーディネートがおすすめです。
◇浴衣
本来の伊達衿の意味は持ちませんが、アクセサリー感覚で使うことができます。
伊達衿(だてえり)の効果とは?
・着姿を華やかにしてくれる。
・格が上がる。
・お顔映りが明るくなる。
・伊達衿の合わせ方によって個性を表現することができる
・同じ着物であっても伊達衿を付け替えることによって印象の違いを楽しむことができる。
・伊達衿の色で着姿全体を引き締めることができる。
などがあります。
まとめ
伊達衿には、「祝い事・慶び事がますます重なるように」という意味が込められており、フォーマルシーンで着用する着物に使われます。
そのため、華やかさを演出する場ではないことや、不幸を重ねることに繋がるため、お葬式など弔事の際には伊達衿は用いてはいけませんので覚えておきましょう。

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