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絣とは?

着物の豆知識

絣

絣とは?

(かすり)とは、絣糸という糸を用いた織物技法のひとつです。
絣とは、文様を表現するにあたってあらかじめ糸に部分的防染処理を施すことで、特有のかすれ具合を表現します。
このように文様を表す織物技法は他にもあり、錦(経糸か緯糸の浮き沈みによって文様を表現)や、後染め(生地を織り上げた後で染めを施す)などが一例です。

絣糸はどのようにして染める?

絣に用いる絣糸は、いくつかの染色方法で染めていきます。
「括り染め」は防染部分に紐状のものをくくりつける方法、「板締め染め」は凹凸のある板に糸を挟んで締め付けてから駅を流し込んで染めます。「織締め」は締機や織締め機会を利用してかたく織り込みます。その他、大島紬のような力を要する手機を使うものもあり、男性が作業を行う場合が多いです。

絣の種類とは?

絣の中には、以下のようにいくつかの種類があります。

・伊予絣
・久留米絣
・備後絣
・大和絣
・村山絣
・弓浜絣

絣の歴史とは?

絣の織物技法が生まれたのは、インドとされており、それが東南アジアを経由して日本にも伝わったのは14~15世紀頃だといわれています。絣を着るようになったのは15世紀後半だそうです。
日本ならではの絣は、12歳の井上伝という少女による考案で生まれたもので、藍染を元にして考案されたそうです。その後も、伊予絣・備後絣といった日本三大絣とされるものが作られていき、結城絣や大島紬にも絣の織物技法は用いられました。
また、自家用の絣として手前絣という手法もあり、日本全土に広く伝わっていったそうです。

絣はどのようなアイテムに用いられている?

古くから日本に伝わる絣ですが、現代でも日本各地で織られて様々なアイテムに利用されています。例えば以下のようなものがあげられます。

・洋服
・ネクタイ
・カバン
・壁掛け
・小物類

しかしながら、絣は生産に手間がかかるため決して安価なものではないわりに、元々が普段着に用いられていたものであるため高級品という認識がなく、需要でみると衰退傾向にあるようです。そのため、細々と生産する少数の織元がいるというのが現状です。

そんな中ではありますが、昭和末期ころより“手作り”という生産方法の魅力を原点回帰する動きや、カルチャーブーム、地方再生目的の伝統文化の見直しなども相まって、子育てを終えた世代やリタイア世代が絣を織ろうという流れがあります。

古くから伝わる絣の魅力がいまいちど見直され、衰退せずに日本にも伝わり続けるとよいですよね。

まとめ

いかがでしたか?絣は、和装を表現するのにぴったりな独特の風合いが魅力ですよね。落ち着いた上品さや奥ゆかしさをぜひ楽しんでみて下さいね。

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