衣紋掛け(えもんかけ)とは?わかりやすく説明
衣紋掛けとは?
衣紋掛け(えもんかけ)とは、衣服をかけるための道具のことを言います。
衣紋掛けは、衣服の袖に短い棒を通してその棒を紐で吊るして干す道具です。
特に和服用の衣紋掛けは、割竹や矢竹などの細い丸竹を材料としており、その中央部分に穴を開けて紐を通し、一点で吊るすようにしてあります。
「衣紋棹(えもんざお)」あるいは「衣紋竹(えもんだけ)」と呼ばれることもあります。
また、これとは別に衣桁(いこう)のことを衣紋掛けと呼ぶこともあります。
おばあちゃん世代で、本来の衣紋掛けとは異なる意味で「衣紋掛け」を用いている人もいるかと思いますが、この場合は洋服用のハンガーのことを指しているかと思います。洋服が主流となり、着物(和装)が日常着として着用されなくなった現代では、本来の衣紋掛けを所有している人はあまり見かけなくなりましたが、着物を着用する機会がある人は今でも持っているかもしれません。
衣紋掛けの呼び名の由来は?
衣紋掛けに入っている「衣紋」とは、着物の後ろ側の衿部分のことを言います。
着物を保管する時にこの衣紋部分を吊るす形で干すため、衣紋掛けと呼ばれるようになったそうです。
衣紋掛けの形状は?
和装用のハンガー的存在の衣紋掛けは、洋服用のハンガーよりも幅が広いといった特徴があります。具体的な数字を以下にて比較してみましょう。
洋服用ハンガー
幅約30~50cm
衣紋掛け
幅約1m~1m50cm
洋服用のハンガーよりも圧倒的にワイドな形状であるのがお分かりいただけるかと思います。
また、衣紋掛けは和服の袖を通す棒があり、その棒を吊るすような形で和服を干します。
衣紋掛けの役割は?
衣紋掛けは、一般的に知られるハンガーよりも幅が広いため、着物の袖を伸ばしながらシワを防いで保存することが可能です。丈の長い着物はきちんと保存しないと、すぐにシワができてしまうので、それ専用の衣紋掛けがあるというわけです。
いかがでしょうか?今ではあまり目にすることがなくなった衣紋掛けですが、呉服店などに行くと横に大きな着物を掛けるための衣紋掛けが置いてあるかと思います。おばあちゃんが使う衣紋掛けという言葉が、ここから来ていたと思えば何だか時代を感じられて素敵な気持ちになりますね。
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