沢瀉文(おもだかもん)とは?わかりやすく説明

着物の豆知識#着物,#和装,#着物の柄,#家紋

沢瀉紋

沢瀉文(おもだかもん)とは?

沢瀉文とは、沢瀉文とは、沢瀉(おもだか)をモチーフに図案化された植物紋の一種です。
沢瀉紋は十大紋の一つで、現代においても使用家系が多い大変ポピュラーな紋属です。
その独特の葉形と可憐な花が平安時代頃から文様化され、人々に愛されてきました。現在でも友禅染などによく使われています。

沢瀉文(おもだかもん)の沢瀉(おもだか)とは?

沢瀉オモダカの草花

沢瀉文に使われている沢瀉とは、多年生の水生植物です。水生植物のため、湿地や沼地、ため池や水田などに生息しています。

その葉は特徴的で、鏃(やじり)形で30㎝~60㎝の長い柄を持っています。夏から秋にかけて40㎝~70㎝の花茎をのばし、白色の3弁花を輪生します。
沢瀉の葉の形が矢の矢尻部分に似ていることから、別名「勝い草(かちいくさ)」と呼ばれ、武士階級を中心として縁起物とされました。

沢瀉文(おもだかもん)の歴史

沢瀉オモダカの草花

沢瀉文は、その家紋としての縁起の良い意味合いから広く武家にも重用されてきました。
実は、奈良時代から文様の一種として親しまれており、平安末期には武士の直垂(ひたたれ)に沢瀉文様が用いられたという記録が残っています。
また、単なる文様としてではなく、家を表す紋章としての沢瀉文を用いた武将の例が室町中期の記録に残っています。

沢瀉文(おもだかもん)を使っていた有名戦国大名や武将

〇豊臣秀次:豊臣秀吉の甥で、秀吉の養子となりついで関白となった人物。抱き沢瀉(いだきおもだか)

〇福島正則:豊臣秀吉の家臣。福島沢瀉(ふくしまおもだか)

〇毛利元就:一代で中国地方8か国の支配を確立した人物。長門沢瀉(ながとおもだか)

まとめ

沢瀉文は、多年生の水生植物で湿地帯に自生することから、着物においては流水などと組み合わせた柄が多くなっています。そのため、現在は主に夏用の着物や帯に用いられています。皆さんも夏の季節に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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