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几帳(きちょう)柄の着物はオールシーズン使える!?

着物の豆知識

几帳

几帳(きちょう)とは

几帳

几帳(きちょう)柄の几帳とは、平安時代以降 公家の邸宅の室内を仕切るために作られた布製のカーテンのことです。
几帳は、土居(つちい)という台の上に二本の柱を立て、横木を渡し、それに夏の時期には生絹 (すずし) 、冬の時期には練絹 (ねりぎぬ) などの帷子 (かたびら) を掛けて作られていました。
簾(すだれ)の内側に立てて二重の障壁とするほか、大きな部屋を仕切る際に、可動式の間仕切りや目隠しとして使用したり、参拝の折など高貴の婦人の身を衆目から隠す役割、もありました。また、荷物などを見苦しくないよう隠しておく目隠し、風よけの役割など、幅広い用途に用いられました。
さらに、一見変わった用途として、女房が街道を歩く際に、傍仕えの女児二人に小型版の几帳を持たせて顔を隠す「差几帳(さしきちょう)」もありました。
几帳柄の着物は、振袖や留袖、訪問着などの絵羽模様によく用いられています。

几帳(きちょう)の魅力とは?

几帳

几帳を時代劇などで目にしたことがある方も多いことでしょう。几帳は、皇族や貴族など高貴な方と対面する際、その方の姿を隠すために使用されていました。
几帳は、少し透けているのが特徴で、風情や雰囲気を楽しむことができるのも魅力の一つです。
平安時代においては、どんなに親しい間柄でも高貴な方と会うときには、几帳や御簾を介して会うのが決まりでした。几帳で仕切られているといえど、風や音をしっかりと通しながら透けて見える反対側には好きな相手がいるという相手をより一層思う気持ちを掻き立てるような演出です。
日本に古くから伝わる、この几帳は、和室や料亭などにもマッチするアイテムです。お部屋を一気に和風の雰囲気にできるため、おすすめです。

几帳に関連する着物の柄

◇器物の着物の柄
器物文様とは、楽器や食器、調度品、遊戯具、武具、装身具、宗教具など 道具や生活用具を文様化したもののことです。

◇源氏物語(げんじものがたり)柄
源氏物語の柄は、1年を通して使うことができ、着物の柄として用いられるのは以下の2つのパターンです。
・源氏物語の中の印象的な場面を「源氏絵」のように表現した柄
・源氏物語の各巻の一コマあるいは全体を暗示するような抽象的なモチーフを表現した柄

◇朽木形(くちきがた)柄
木が腐食して木目が浮き上がっている様子を文様化した柄で、縦の菱形で用いられます。
平安時代以降、几帳の柄や壁代(かべしろ)として広く用いられました。
着物の柄としては、地紋などに用いられます。

◇御簾(みす)柄
平安時代の家屋の庇の間(ひさしのま)にかけられた美しい装飾的な簾(すだれ)です。これを江戸時代に文様化し、着物の柄として用いられるようになりました。

几帳(きちょう)とコーディネートされることが多い柄

◇四季草花(しきくさばな)柄
春夏秋冬、各季節を代表する草花が描かれている柄です。1年を通して使えるため、大変便利な柄ですね。着物初心者は1枚持っておくと重宝します。

◇檜扇(ひおうぎ)柄
檜扇とは、平安貴族の女性が持つ装身具です。季節性はないため、通年着ることができます。王朝文化を象徴する雅な柄です。

その他、花の着物の柄や植物の着物の柄があります。

まとめ

几帳柄の着物は、高貴で雅な貴族の暮らしを表す柄で、オールシーズン使うことができることが分かりましたね。
コーディネート際は、通年使える柄を選びましょう。

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