二重回し(にじゅうまわし)とは?
二重回し(にじゅうまわし)とは?
二重回しとは、男性用の和装防寒コートのことです。
二重回しは、インバネスを和装化したもので、袖ぐりが大きくあいており、ケープ風の袖がついているのが特徴です。背中にまで覆い布(マント)がかかっているため暖かく、何より後ろ姿を格段に美しく演出することができます。
二重回し(にじゅうまわし)の歴史とは?
二重回しは、明治時代の文明開化の頃、イギリスのインパネス地方から日本に伝来しました。
西洋の「インバネスコート」を和装化されたものです。袖はなく、袖ぐりがベストのように大きいため、着物の袖も楽に通す事ができるため、当時の着物生活において大変勝手が良かったようです。
大正・昭和初期となると、上流階級の名士や文豪にも愛された大正ロマンが漂う外套です。
二重回し(にじゅうまわし)・トンビコート・インバネスコートの違いとは?
・「二重回し」…袖の無いケープ付きの外套
・「トンビコート」…袖が無く、ケープの背中部分がコート自体の背中部分と一体化している外套
・「インバネスコート」…袖のあるケープ付きの外套
「二重回し」は、ケープ部分が全面だけでなく背中部分でも二重になっており、一方で背中部分から脇にかけて一重なのが「トンビコート」と呼ばれています。
「トンビコート」のほうが見た目がすっきりしていて春先にも着用しやすくなっています。
また、「二重回し」は「トンビコート」よりも暖かく、とにかく見た目にレトロ感があって後ろ姿が素敵に着こなせるのが特徴です。
まとめ
二重回しは、男性が外出する際に和服の上に羽織る防寒着のことでしたね。時の文豪太宰治を思い浮かべると想像しやすいかと思います。
二重回しの人気は、レトロなシルエットが素敵なだけでなく、和装のみならず洋装での傍観としても使えるところでしょう。