呉服(ごふく)とは?わかりやすく説明
呉服(ごふく)とは?
呉服とは、和服などで使われる主に絹織物のことです。
呉服とは、弥生時代中期に中国の「呉」から絹の生地や織り方が日本に伝わってきたことに由来します。
当時の人々は、身分にかかわらず、綿と麻素材の衣類を着ていました。
絹の生地の肌触りの良さやきめ細かなことに驚き、高い身分の人達だけが絹を着る高級生地となったのです。
その当時の人々は、生地のことを「はたおり(機織り)」の変化した語の「はとり」と呼んでいました。
呉から来た絹の生地⇒呉から来た絹の服⇒音読させて呉服(ごふく)となったというわけです。
絹は、時代が下っても高級な素材であり、庶民は木綿や麻で作られた着物を身につけていました。
そうした木綿や麻の織物(反物)は、「太物(ふともの)」といいます。
太物に対して、絹織物を意味する語として呉服は使われるようになりました。
呉服と着物の違い
呉服と混同しやすいのが「着物」です。
近年では絹織物だけでなく、それを使って仕立てた着物のことを呉服と呼ばれるようになっています。
この歴史的な経緯についてご説明していきます。
昔の衣類は、反物の状態で販売し、仕立ては自分で縫うか仕立て屋さんに着物を縫ってもらうものでした。
江戸時代に「呉服屋」「太物屋」が誕生し、呉服を販売する店と太物を販売する店ができたのですが、そのうち呉服も反物も扱う店も出てきて、呉服という言葉は織物全体を指す意味として使われるようになりました。
時代を経て呉服屋のうち着物の仕立てをするオーダーメードをする店が現れるようになりました。
呉服屋は身分の高い人や金持ちしか買えないものでしたので、庶民は呉服屋から絹の着物で出てくる人を見て、呉服のことを絹の着物を売っているところと勘違いするようになりました。
こうしたことから現在では呉服を絹の生地で仕立てた着物を指す言葉として使われるようになったのです。
呉服の魅力とは?
■やわらかな肌触りと着心地
呉服は木綿や麻素材では出すことができないやわらかな肌触りと着心地が魅力です。絹織物である呉服は、しっとりと肌になじみ、夏は涼しく冬は暖かいため、通年着用することができます。
■繊細な織柄と染め模様
呉服は細い糸で織るため、繊細な織柄と染め模様を表現することができます。よって、芸術的な作品としての呉服が多数存在します。また、発色の良さも魅力のひとつで、無着色で温かみのある色合い~様々な染料を用いて色鮮やかに染められたものまで、幅広い風合いのものがあります。
■幅広い風合いと着心地のものがある
織り方や糸の撚り方によって風合いや着心地が全く異なる呉服が出来上がるため、暖かい地域~寒い地域まで楽しむことができます。暖かい地域では風通しはよくさらりとした質感の紬など、寒い地域では細い糸を用いて密度の高い織物が織られています。
まとめ
いかがでしたか?何となく耳にすることがあった「呉服」ですが、その意味を知ると今まで勘違いしていた…といった人も多かったのではないでしょうか?様々な魅力がある呉服、ぜひ楽しんでみて下さいね。
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