PC

筥迫(はこせこ)とは?着物をより華やかに着飾るための素敵なアイテム!

着物の豆知識

赤い筥迫

筥迫とは?

水色の筥迫

筥迫とは、今で言う化粧ポーチのことで、江戸時代に武家の女性たちが化粧道具を筥迫に入れて懐中に忍ばせて持ち歩いていたのが始まりです。

その中には、鏡・白粉・紅筆・懐紙・お金・お守りなどを入れていました。

今では装飾品の一つとして着物と一緒に着飾ることがあるようです。

筥迫には「夫以外の男性には染まらない」という女性の力強い意思も込められています。
筥迫を持ち歩くことで、贅を競い合っていたという話もあることから、現代で例えるとフォーマルシーンに持ち歩くクラッチバッグのようでもあります。

昔の筥迫~今の筥迫の違いは?

赤い筥迫

江戸時代の頃の筥迫は、武家の女性、つまり位の高い女性たちが贅を競い合うものとしても持ち歩いていたため、サイズ感は今よりずっと大きめでした。

それが明治時代に入ると、一般庶民でも持ち歩くようになったため、サイズも随分と小さくなり用途としては装飾品のみといった感じで変わっていきました。

今ではその名残で、七五三・成人式などのお祝いごとや、婚礼の際に飾りとして、身につけるようになりました。

筥迫を使うシーンとは?

◇婚礼の筥迫
→花嫁の白無垢や色打掛、本振袖には、筥迫・懐剣・末広・抱え帯をします。胴締め・簪挿し・匂い袋がない「紙入れ」タイプの筥迫を使うことも多いようです。
◇七五三の筥迫
→七五三の着物には、筥迫・末広・しごきをします。3歳は、被布ではなくて帯を付ける場合には、7歳と同じように筥迫や末広を飾ります。 この時3歳用の小さい筥迫を使うようにしましょう。
◇振袖の筥迫
→披露宴のゲストで使う際には、主役の花嫁よりも目立たないように気を付けることが大切。
◇既婚者、普段用の筥迫
→なんとなく「筥迫=未婚者の装身具」というイメージがあるかと思います。ただ、中には年配の方でも気軽に使える「実用筥迫」というものもあるようです。

筥迫の中身やデザインはどんなものがあるの?

赤い筥迫

今となっては装飾品としてのみ用いられるようになった筥迫ですが、その中身はどのようになっているのでしょうか?

まず、筥迫を開かないように留めてあるストッパーのようなものを「胴締め」と呼びます。この胴締めを外すと中には紙が挟めるようになっていて、鏡がついているものが多いです。

胴締めにはそれを締めるための紐と、その先に「落とし巾着」が付いています。この中には匂い袋やお守りが入っていますが、ここの部分を帯に挟み込むことで筥迫自体が落下するのを防ぐ役割があります。可愛らしい巾着であるため、帯の外にぶら下げている人もいるようですが、本来の使い方は帯に挟み込むのが正解です。

更には、飾り房といったものも施されていて、それら全てが帯周辺を華やかに演出します。
筥迫のデザインは様々で、筥迫の外側にはとても華やかで上質な布が施され、豪華な刺繍なども入り、見ているだけでもその美しさに魅了されます。

また、金属製の「びら簪(かんざし)」を、筥迫の上部に取り付けることもあります。
びら簪は、その名のとおり髪にさす簪(かんざし)を小さくしたような形をしています。その昔は、このびら簪を髪が乱れた際に使用してさっと直したり、鋭くとがった足の部分を護身用として使うこともあったそうです。
筥迫にびら簪をセットすることで、動くたびに胸元でキラキラ光って、帯まわりをより一層華やかに演出してくれるでしょう。

まとめ

今となっては装飾品のみの目的で身につける筥迫ですが、そのルーツを知るとまた面白みが増しますよね。
今では、筥迫をハンドメイドで作って名刺入れやカード入れとして楽しむ人もいるようですよ。

LINE@友達登録で300円オフクーポン