貼り付け紋(はりつけもん)とは?わかりやすく説明 メリットやデメリットは?
貼り付け紋(はりつけもん)とは?
貼り付け紋とは、紋を染めたり描いた丸い生地を着物に貼り付ける技法のことです。別名「切符紋」とも呼ばれたりします。
貼り付け紋は、着物や紋の入れ方によっては貼り付けているだけのものもあれば、縫い付けているものもあります。
家紋を替える際に、うまく色が抜けないという場合には この技法が使われます。洋服にたとえると、アップリケやワッペンのようなものです。そのため、最も格の低い紋とされています。
紋を描き直す作業は難しい?
貼り付け紋は簡易的なものともいえますが、貼り付け紋を用いずに紋を描き直す作業はどのようにして行うのでしょうか?簡単に説明していきます。
・元々あった紋の墨を含めて色抜きをする
(他の部分に汚れを移さないように最新の注意が必要)
・色抜きをした箇所に新たな紋を描き入れる
・色抜きした部分が予定より広かった場合には、着物の地の色と同じ色を作り出して塗りつぶす
上記の説明では、簡単に3行で終わってしまうのですが、いざ作業を行うとなるととても繊細で慎重に進めていく必要があります。よって、この作業を行うことができるのは熟練の業を持った専門職のみなのです。
そのような手間をかけて紋を描き直すとなると、費用もそれなりにかかってしまうため、格は低いですが、貼り付け紋の方が適している場合もあります。
貼り付け紋はどんな着物に施せる?
貼り付け紋は、次のような着物に施すことが可能です。
・黒留袖
・喪服
・色留袖
・訪問着
・色無地
・付下(つけさげ)
・お召(おめし)
・羽織
・祝着
・子ども着物
・裃(かみしも)
貼り付け紋の素材は?
貼り付け紋の素材には次のようなものがあります。
・絹
・ポリエステル
・綿
・アイロン定着 綿
・ゴールド・シルバー箔
など
貼り付け紋のメリット・デメリットとは?
【貼り付け紋のメリット】
・貼り直すだけなので、既に家紋の入った着物の紋を替えるなど紋の入れ替えなどの自由度が高い
・レンタルなど借り物に家紋を入れることも可能
・生地の傷み具合にもよりますが、弱っている生地にも加工することが可能
・本格的な「紋入れ替え」よりも安く加工が施せる
【貼り付け紋のデメリット】
・本格的なものよりも どうしても劣って見える
・クリーニングなどで剥がれる場合がある
まとめ
貼り付け紋は、子どもから大人まで様々な着物に簡単に施すことのできる紋です。
簡単に安く加工できる一方で、見た目が劣って見えたり、クリーニングの際にはがれてしまう などのデメリットも存在します。
そうしたことを踏まえた上で、ご利用される着物の生地や用途に合わせて選ぶようにしましょう。
#貼り付け紋 #貼紋