石持ち入れ紋(こくもちいれもん)とは?格の違いについてもわかりやすく説明
石持ち入れ紋(こくもちいれもん)とは?
石持ち入れ紋とは、紋入れする箇所が丸く染まっておらず、白くなっていて そこを石持ち(こくもち)と呼びますが、その丸の中に紋を描き入れることを言います。
石持ち入れ紋は、主に黒留袖や喪服、黒紋付などに施されることが多くなっています。
石持ち入れ紋の「石持ち(こくもち)」の由来とは?
そもそも、石持ちは本来、黒餅(こくもち)を意味します。その昔、黒田長政が白旗に円を黒く染めた紋所を「黒餅」として用いていました。 その後、黒紋付の定紋を入れる箇所を白の丸型に染め抜き、後でその中に紋を描き込むことが出来るようにしたのです。
その円を「家紋を持てる=石高を持っている」というところから、「石持ち」という字に改まったと言われています。
着物の紋の入れ方における格の違い
紋の入れ方によって、格の違いがあります。
■染め抜き紋(そめぬきもん)
最も格式の高い紋の入れ方。
紋の型を作り、紋の白く残るところを染め抜いて、中に柄を描き足す手法です。
■石持ち入れ紋(こくもちいれもん)
染め抜き紋の手法の1つ。
あらかじめ白く丸くなった箇所に紋を描き入れる手法です。
■縫い紋(ぬいもん)
刺繍で縫い付ける紋のことで、線を縫うことで表現するため陰紋になります。
■貼り付け紋(はりつけもん)
紋を描いた丸い生地を貼り付ける紋のことで、ワッペンのようなものです。紋を替える際に色が抜けない場合などに用います。
それぞれ格の高さで順に並べると…
染め抜き紋 (石持ち入れ紋)> 縫い紋 > 貼り付け紋
となります。
まとめ
石持ち入れ紋についてご理解頂けましたでしょうか。
石持ち入れ紋は、格式高い黒留袖や喪服、黒紋付などの正装に用いられることが多くなっています。
紋の入れ方においても格の違いがあるということを覚えておくようにしましょう。
#石持ち入れ紋