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軍配団扇文(ぐんばいうちわもん)とは?

着物の豆知識

軍配団扇文

軍配団扇文とは?

軍配団扇文(ぐんばいうちわもん)とは、武具の一種である軍配を文様としたものです。

軍配団扇文に用いられる軍配は、戦場で軍の進退や配置を合図するための道具として用いられており、現在では相撲の行司が持っているものといった方がイメージしやすいでしょう。

軍配団扇の作りは3つ

軍配団扇には、ものによって作りの違いがあり、基本的なものは以下のようなものです。

・日の丸や月を描いたもの
・表裏に単純化した家紋を蒔絵で描いたもの
※蒔絵(まきえ):漆で描いた文様に金銀の粉を蒔きつける装飾方法

上記の基本的なものとは別に、本軍配といって、黒漆地面に鳳凰の意匠、朱漆地面に方位計算機が描かれたものがあります。

方位計算機とは、日時や方位の吉凶をはかるために用いられた道具で、このときに九星気学(きゅうせいきがく)という東洋占術を元にしていました。

盛んに戦が行われていた時代では、戦局を読むために占術や呪術のようなものを重要視しており、織田信長のように戦に長けていた武勇でさえも、僧侶の伊束法師を呪術的な軍師として傘下に置いていたほどです。

このような背景から、軍配団扇は当時の必需品だったのです。

軍配団扇と比較されやすい唐団扇文との違いは?

軍配団扇文と比較されやすいものに唐団扇文(からうちわもん)が挙げられますが、これは呼び方が違うだけで同じものを意味しています。

厳密にいうと、ひょうたん型をしたものが軍配団扇で、円形のものが唐団扇といった違いがあります。

まとめ

軍配団扇は、戦が頻繁に行われていた頃の必需品ということで、軍配団扇文は重みのある文様だというのがお分かりいただけたかと思います。和装には様々な文様がありますが、歴史的な背景を知ると、より一層楽しみの幅が広がりますよね。

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