初誕生(はつたんじょう)(1歳の誕生日)とは?わかりやすく説明!祝い方や一升餅や選び取りの意味と最近のやり方を紹介
初誕生とは満1歳となる赤ちゃんの誕生日を祝う行事です。
伝統的な初誕生の祝いでは、赤ちゃんに一升餅を背負わせたり、将来を占う選び取りという儀式を行っていましたが、最近は自宅を飾り付けてバースデーケーキでお祝いするだけというご家庭も増えています。
初誕生と普通の誕生日とは何が違うのか、最近は初誕生をどう祝っているかなどを紹介します。
初誕生(はつたんじょう)(1歳の誕生日)はいつお祝いする?
初誕生(はつたんじょう)は生後1年目に迎える赤ちゃんの誕生日を祝う行事です。
このお祝いは、赤ちゃんが満1歳の頃からヨチヨチ歩き出すため「歩き祝い」とも、初誕生に餅をついて祝った風習から「餅誕生」とも呼ばれています。
初誕生をお祝いする理由
いまでは毎年、誕生日をお祝いするのが当たり前になっていますが、これはもともと西洋文化の風習を取り入れたもの。そのため、誕生日をお祝いするスタイルになったのはそれほど昔ではないともいわれています。
日本の場合、昔は生まれたときを1歳とする「数え年」で年齢を数えていました。
数え年というのは旧暦の元日、または新暦の元日を新しい年の始まりとして、誕生日に関係なく年が改まると、年齢にひとつ年を加えるという考え方のため、誕生日は重要視されていなかったのです。
そんな日本でも、赤ちゃんが生まれて初めて迎える誕生日だけは、昔から盛大にお祝いをする風習がありました。
医療が発達していなかった時代、生後1年の誕生日を無事に迎えることは喜ばしいことであり、ここまで育ったことを祝い、これからも健やかに育ってほしいと願うのが初誕生のお祝いでした。
伝統的な初誕生は何をする?

初誕生のお祝いには、健康に育つようにという願いを込めて、赤ちゃんに一升餅を風呂敷に包んで背負わせたり、足で踏ませる風習などがあります。
一生食べ物に困らないよう「一升餅」を背負う
初誕生のお祝いには「一升餅」を用意するのが一般的でした。
一升餅は名前の通り、一升分のもち米でつくった餅(約2㎏)を一つに丸めたもの。
「一升」と「一生」を掛けていて、「一生食べものに困らないように」という願いが込められています。
一升餅を使った儀式としては、風呂敷に包んだ餅を子どもに背負わせて、一生の重みを感じさせる「背負い餅」が知られています。
餅を背負って立ち上がれたら「身を立てられる」、座り込んだら「家を継いでくれる」、
転んだら「厄落としができた」と考えられていました。
他にも、子どもにわらじを履かせて餅を踏ませ、足腰が丈夫に育つように、しっかり地に足を着けて歩いて行けるようにと願う「踏み餅」。
おしりや足のすねなどに餅をぶつけて、お尻なら丈夫な足腰に、足ならば丈夫な足になるようにと、餅をぶつける体の場所によって縁起を担ぐ儀式もあります。
子どもの将来を占う「選び取り」の儀式も

初誕生の風習には、子どもの前にさまざまな物を置き、子どもがどれを選ぶかでその子の将来を占う「選び取り」というものもあります。
伝統的なやり方としては、そろばん、筆、お金などの中から子どもに選ばせ、そろばんなら商売上手、筆なら文学や芸術にすぐれた才能を発揮し、お金なら将来お金に困らない生活になるといわれていました。
最近の初誕生は何をする?
最近の初誕生はファーストバースデーとも呼ばれ、伝統や風習に囚われず、お祝いするケースが増えています。
赤ちゃんが食べられるケーキを用意
最近の初誕生のお祝いとしては、自宅を飾り付けして、バースデーケーキを囲み家族でお祝いするスタイルが一般的です。
ただし、離乳食が始まったばかりの赤ちゃんは、まだ胃腸に負担のかかる生クリームや、チョコレートのケーキは食べられません。
自宅でケーキを作るなら、生後1年前後の赤ちゃんが食べられる食材を使用して、もしもアレルギーがあるのなら、その食材が入らないように十分気をつけて。
お店にオーダーする場合も、赤ちゃんの年齢やアレルギーなどに配慮したものを作ってもらいましょう。
一升餅はリュックで背負えるように
「背負い餅」を行う場合、最近は風呂敷ではなくリュックに餅を入れて背負わせるケースが増えています。
安定感があるのは風呂敷なのですが、リュックなら初誕生が終わったあとも使用できますし、リュックと一升餅がセットになっているものも販売されています。
お祝いが終わったら一升餅を切り分け、「誕生餅」として出席者に配るため、予め小分けになっているものもあります。
選び取りも時代とともに大きく変化
選び取りの内容は時代とともに変化しています。
例えば、ハサミを選べば美容師に、箸やスプーンを選べば料理人に、スマホを選べばIT関係の職業に、楽器を選べば音楽家、スポーツ用品ならスポーツ選手というように、さまざまなアイテムを並べて行っています。
また、実際に物を触るのは危ないため、それらの絵が描かれたカードを使用して、「選び取り」を行うご家庭も増えています。
祖父母を招いて盛大に行うケースも
両家の祖父母や親戚、親しい人を招いて、レストランなどで食事会を開くケースもあります。
また、自宅にお招きする場合には、デコレーションケーキだけでなく、赤飯や尾頭付きの鯛、一汁三菜などで祝うご家庭もあるようです。
成長記録を楽しんだ後は記念撮影を
お祝いに来てくれた祖父母などに、生後1年間の写真や動画などの成長記録を披露すると喜ばれるのではないでしょうか。
さらに、満1歳の記念に写真を残すのもお祝い事には欠かせません。
子どもだけでなく、お祝いの日に集まってくれた方々との写真も撮影しておきましょう。
もっと本格的に撮影したいなら、写真スタジオでプロに撮影してもらうのもステキな記念になります。
初誕生の子どもの服装
初誕生のお祝いだから、これを着なければならないという決まった服装はありません。
とはいえ、せっかくのお祝いですから、晴れの日にふさわしいフォーマルな装いにしてあげるといいでしょう。
最近はアニバーサリー用のベビー服も豊富に揃っているので、男の子ならオシャレなベビースーツ、女の子なら愛らしいベビードレスがオススメです。
また、着物をデザインしたベビー服や袴ロンパースなどもあるので、和装風の晴れ着でお祝いすることもできます。
きものレンタリエでは、初誕生にも使用できるベビー用衣装のアニバーサリーレンタルも行っているので、ぜひ一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
初誕生のお祝い金の相場と人気の贈り物
では、初誕生にお呼ばれした場合、いくらくらいのお祝い金や、どんなお祝いの品を贈ればよいのでしょうか。
お祝い金は祖父母なら1~3万円
お祝い金を贈る場合は、祖父母なら1万~3万円、おじやおばなら5千円~1万円、友人なら3千~5千円程度といわれています。
ただし、レストランでの会食などに招待された場合は、1万円は包んだ方がよいでしょう。
お祝い金を入れる熨斗袋は、紅白の蝶結びの水引きのものを使用します。
表書きは上段に「祝初誕生」または「初誕生御祝」として、下段に贈り主である自分の名前を書きます。
お呼ばれした初誕生を祝う会に出席する場合は持参し、出席しない場合には会当日までに届くように送るのがマナーです。
贈り物はファーストシューズが人気
お金ではなく物を贈る場合には、ママやパパに希望を聞いて贈るといいでしょう。
乗り物系の遊具や手押し車、積み木などのおもちゃ、絵本や知育玩具、少し大きめのサイズの洋服やお菓子などが一般的。
「食べ物に困らずに過ごしていけるように」という願いを込めて、シルバーカトラリーを贈る祖父母も多いようです。
とくに人気なのが、赤ちゃんが生まれて初めて履くファーストシューズ。
1歳の誕生日前後は歩き始める時期でもありますから、特別な一足を用意して贈ると喜ばれます。
また、どんどん成長する赤ちゃんにとって、同じサイズの靴を履けるのはわずかな時間となります。出産時に用意した、すでに出産祝いにいただいたという方もいると思いますが、そんな消耗品でもある靴は何足あっても喜ばれますから、セカンドシューズとして贈るのもオススメです。
初誕生のお祝いへのお返しの仕方
初誕生のお祝いに対して、お返しは必要ないといわれています。
当日撮影した記念写真を添えて、お礼状を出しておくといいでしょう。
ただし、お祝いの会に出席いただけなかった方や、食事会などを開いたわけではないのにお祝いをいただいた場合は、金額の半額程度の品物を返礼品として贈ります。
熨斗紙は紅白の蝶結び。上の段には「内祝」、下の段には子どもの名前を書くのがマナーです。
お返しではありませんが、地方によっては親戚や近所の方に紅白の餅や赤飯を配る風習が残っているところもあるので、事前に地元のお祝いの仕方を祖父母に尋ねてみるといいでしょう。
まとめ
日本が数え年で年齢を数えていた時代、唯一、誕生日を盛大に祝ったのが生まれて満1年となる初誕生でした。
初誕生の当日は、「一生食べものに困らないように」と子どもに一升餅を背負わせたり、さまざまな道具から選び取りをさせて、将来を占うなどの儀式を行っていました。
いまではそこまで行うご家庭は少ないようですが、初誕生がニューバースデーという呼び名になっても、無事に満1歳を迎えたことを喜び、今後の健やかな成長を願う親心に変わりはありません。
ぜひ、記念すべき1歳の誕生日をご家族で祝ってみてはいかがでしょうか。
#初誕生

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