兵児帯とはどんな帯?帯の特徴や結び方についてわかりやすく説明
兵児帯(へこおび)とは?
兵児帯(へこおび)とは、鹿児島地方の言葉で青年男性という意味を持つ「兵児」が由来となっている男性用と子供用に作られた帯です。
兵児帯(へこおび)は「しごき帯」と「三尺帯」の2種類があり、それぞれ特徴は以下の通りです。
しごき帯
→広幅(約74cm)と並幅(約54cm)の布をしごいて作られた明治時代に流行った帯です。
三尺帯
→木綿をしごいて作られた三尺(約1.14m)の長さの帯で、本来は職人用の手拭きとして作られたものですが実際は主に子供用の帯として使われています。
また、兵児帯に共通したポイントは以下の通りです。
・他の帯と比べて生地が柔らかく幅が広い
・縮緬/木綿/羽二重などの生地で作られる
・帯を巻いた時の腰への負担が軽く手軽に負けるため普段着の和服に合わせられることが多い(一方でお祝いの席や式典には向かない)
兵児帯の歴史とは?
兵児帯の始まりは明治時代、薩摩藩士が帯刀するのに軍装の上からしごき帯を締めていたことでした。この際のしごき帯を締める男性の年齢(15~25歳)のことを薩摩では「薩摩兵児」といったことから兵児帯は由来しています。
この兵児帯が東京に広まったのは明治15年(1882年)の頃で、明治維新に伴い薩摩風俗が東京で取り入れられて広まっていきました。
それ以前の男性用の帯には角帯が使われていましたが、外出時以外のくつろぎの装いには兵児帯が使われるようになっていったのです。
このように元々は男性用・子ども用として使われていた兵児帯ですが、現代では使い勝手の良さとファッション性が好まれて女性用の兵児帯も見られるようになりました。
兵児帯を選ぶ際のポイントとは?
①幅の広さや長さをチェック
・幅が広いものだと着物のズレが起きにくく腰の締めつけ感も軽減される
・帯が長いものは様々な結び方に対応できる(4mほどのものがおすすめ)
②生地をチェック
・張りのある生地を選ぶと結んだ時にボリュームが出るためオシャレさが増す
(ポリエステルや綿がおすすめ)
兵児帯の結び方にはどんな種類がある?
着物は帯の結び方によって印象が変わるので、そういった変化を楽しむことができるのも魅力のひとつでしょう。ここでは、兵児帯の結び方について紹介していきます。
■リボン結び
リボンのような仕上がりになるリボン結びは、可愛らしい後ろ姿を演出することができます。
■花結び
花のような美しい後ろ姿を演出できる花結びは、幅広いアレンジを楽しみたい若者に人気の結び方です。
■太鼓結び
ふっくらとした形が特徴の太鼓結びは、縁起が良いとされる結び方です。
■片わな結び(男性向け)
男性が浴衣をカジュアルに着こなすのに向いている結び方で、結び目を背中の中心より少し左右にずらすことで粋な仕上がりになります。
「リボン結び」と「片わな結び」のやり方を解説!
先述したいくつかの結び方の中から2種類の結び方を解説していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。
■リボン結び
1.帯を2~3周ほど胴に巻きます。
2.体に巻いた方の帯の下から、もう片方の帯を入れて結びます。
3.さらに帯をリボン結びにします。
4.リボンの両端を後ろに回し、上から出して結び目を隠します。
最後にきれいに整えたら完成です。
■片わな結び
1.帯を2~3周ほど胴に巻いて、正面で結びます。
2.右手側の帯を輪っかにします。
3.輪っかにした帯を左手側の帯でぐるりと上から下へ巻きます。
4.巻いた帯を結び目の間に全て通します。
5.帯の形を整えて右回りで後ろ側へ持っていきます。
6.先ほど4の手順で通した帯端を、胴回りの中に入れて隠します。
以上で完成です。どちらも簡単に結ぶことができますよね。ぜひカジュアルな着物の着こなしに合わせて楽しんでみて下さいね。
兵児帯は様々なリメイクができる?
兵児帯は、着物の帯以外にも洋服としてリメイクすることができます。使い古した兵児帯を使ってリメイク術を楽しみましょう。
■ネックワンピース
兵児帯をハイネックのワンピース風にアレンジします。胸辺りに兵児帯の絞りがくることでアクセントとなり、おしゃれな雰囲気を演出できます。また、兵児帯のふんわりした質感がきれいな縦線を描き、スラッとスタイルよく見せることができますよ。
■ロングワンピース
3~4mほどの長さがある兵児帯は、その長さを活かしてロングワンピースにすることもできます。自分の身丈に合うようにカットしてアレンジしますが、スリットを入れることで大人の女性らしさを演出することができますよ。ネックワンピース同様に、胸元に絞りをもってくることで、さらに女性らしい雰囲気に仕上げることが可能です。
まとめ
いかがでしょうか?
兵児帯(へこおび)と聞くとあまり聞き馴染みがない人もいるかもしれませんが、ひと目見れば子供時代を思い出して懐かしく感じるはずです。あの独特の色合いや質感でぜひ着物の着こなしのバリエーションを広げてみてくださいね。
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