末広とは?黒留袖に必需品の着物用小物!使い方もわかりやすく説明
末広とは?
末広とは、黒留袖を着用する際の必需品で、帯の左胸に挿してある扇子のことです。末広は結婚式などのおめでたい場で使用されることから、「祝儀扇(しゅうぎせん)」と呼ばれることもあります。
末広の用途とは?
末広は、挨拶をする際に使用します。
末広の見た目は扇子のようなものですが、その用途は扇子とは異なりますので注意が必要です。
末広にはどんな種類がある?
末広は黒い漆塗りに金と銀の地紙が貼られているのが基本です。男性用の場合は、白の地紙に竹骨の組み合わせです。
この他、塗りの部分が金彩で装飾されたものなど、豪華な雰囲気のある末広も人気があります。おめでたい席に出席するのにふさわしいもので好みのタイプの末広を使い分けましょう。
末広の挿し方とは?
●帯と帯揚げの間、また左側に挿します
●開く方を上にします
●末広を帯から2~3㎝出します
●金色の面を表にして挿します
※末広は、着物と帯揚げの間に挿すのは「間を割る」という意味になってしまい マナー違反となるということを覚えておくようにしましょう。
末広の持ち方とは?
〇右手で根元を持つ
〇外側の塗り部分に人差し指を伸ばして添わせ、帯の前で持つ
〇人差し指以外の4本の指で 末広の胴を自然に包み込むように
〇左手は扇の下から軽く添えるように
結婚式の間は、ほぼ使用せず帯に挿した状態のままのことが多いです。披露宴の立礼の際に手に持つため、これらのポイントを覚えておきましょう。
末広を使ったNG行為とは?
絶対に行ってはいけない行為は、扇を広げてあおぐことです。
そもそも末広本来の用途は、結婚式に参列してくれたゲストの方々や新郎新婦の親族の方々と自分の間に結界を作るための儀礼的なものと考えられています。
こうした方々に“礼を尽くす”という意味合いのある扇ということになります。
したがってこうした方々の前で末広を広げてあおぐという行為はマナー違反となるだけではなく、相手の方々から見ても不快に感じることでしょう。これだけは くれぐれもご注意ください。
末広は結婚式以外でも使ってよい?
末広は、結婚式以外でも子供の卒入学式などのイベントごとに着物を着る場合でも、使用可能です。ただし、必須アイテムということもありません。
例えば、訪問着は付け下げなど準礼装の着物の場合でも、黒留袖に合わせる末広と同様のもので構いません。カッチリしすぎるのが気になる場合は、帯の色を同色で合わせることで馴染みやすいです。
また、新たに買う必要はないかと思いますが、もし気になるようであれば骨部分が赤色のものや、扇部分が鮮やかな桜色のものなどを選ぶのもよいでしょう。
基本的に使用可能な末広ですが、もしも使用不可の場合には、同じような用途で身につけられる茶扇子もオススメです。末広と同じく相手との間に結界を作ることができ、相手への経緯を表すこともできる扇子なので、準礼装としても使用できますよ。
末広とセットで覚えたい「黒留袖着用時のマナー」とは?
末広が必要になるのは主に黒留袖を着用する時です。黒留袖は、着物の中でも最も格が高いものなので、着用時には複雑なルールがあるのでおさらいしておきましょう。
■黒留袖着用時のマナー
・帯は「袋帯」を合わせる
・帯結びは「二重太鼓結び」
・格調高い柄を選ぶ(松竹梅・鳳凰・鶴・亀など)
・帯揚げ帯締めは「白」が基本(金銀の装飾はOK)
・肌襦袢と長襦袢も「白」を選ぶ
着物から見えるものは「白」を選ぶなど、目立たせないのがマナーの基本です。
■黒留袖の小物に関するマナー
・草履のかかとは4~5センチ程度のものを選ぶ
・草履やバッグは白金の布地×エナメル素材のものを選ぶ
草履とバッグはセットで買うと、統一感が出てかっこよく着こなすことができます。格が高い着物を着る際は、マナーに細心の注意を払いマナー違反にならないように気を付けましょう。
まとめ
末広には、“末広がり”という縁起のよい意味があり、結婚式のようなお祝い事に最適な小物です。
そのため、しっかりとマナーを守って使うようにしましょう。
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