石持ち(こくもち)地抜きとは?わかりやすく説明

着物の豆知識#着物,#和装,#家紋

黒留袖を着た女性

石持ち(こくもち)地抜きとは?

五三の桐の家紋

石持ち(こくもち)地抜きとは、「石持ち」と「地抜き」という2語から成り立っている言葉です。
まず「石持ち=こくもち」とは、もともとは「黒餅」と書き、丸い餅をかたどった「餅紋(もちもん)」の1つです。
また、「地抜き=じぬき」とは、「地」は「地色」を指し、地色は紋を入れる対象物の色を指しています。
つまり「石持ち地抜き」とは、家紋の輪郭線から外側を円形に塗りつぶし、地色で表現したい家紋を浮かび上がらせる手法のことです。

餅紋(もちもん)は幸運の象徴!?

石持ちは、そもそも黒餅と書き、丸い餅をかたどった餅紋というお話をしました。
では、この餅紋についてご紹介します。
餅紋は、白地などの色地に、黒い円を描いた簡単な紋章のことです。一方 黒地に円を白く描いたものを「白餅=しろもち」と言います。
この餅紋は、豊臣秀吉にも認められる力量を持っていた竹中半兵衛が、とある合戦において胸に矢を受けてしまった際、懐に入れた「餅」のおかげで命拾いをしたということから、幸運の象徴として紋章に据えたというエピソードが知られています。

石持ちの着物用語としての意味とは?

石持ちは、着物の用語としても知られており、着物業界においては家紋を入れるため あらかじめ円形に染め抜いてある部分を指します。
「染め抜き」とは、生地を染色する際、一部を何らかの方法で覆うことでその部分の生地の色を残すことです。基本的には、白地の生地に染色するため、染め抜きを行うと一般的には白く仕上がります。
特に黒留袖や黒紋付、喪服などは、白い生地を真っ黒に染め上げて仕立てられているため、染め抜き処理をしておかなければ、仕立てる際に紋入れを行うことが出来なくなってしまうのです。
ここまで石持ちの着物用語としての意味をお伝えしてきましたが、本来の石持ちは円形の紋章のことであり、必ずしも“白く染め抜き”したものとは限りませんのでご注意を。

まとめ

石持ち地抜きは、着物以外にも、提灯や旗などに施されています。目にした際に思い出して頂ければ幸いです。

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