羅とは?わかりやすく説明
羅とは?
羅とは、薄く織られた絹織物のことで、目が荒く通気性に優れた特徴があり、夏用の織物として用いられます。
羅とは、鳥を捉えるための「網」が由来となっており、経糸同士が左右で絡み合うようにして織られています。それによって、目は荒くとも強度のあるしっかりとした生地ができあがります。羅は、編むような感覚に近いため通常の織り機では作ることができません。
羅の特徴とは?
・目が荒く通気性に優れている
・透け感が強い
・強度があるしっかりとした生地
・ねじれに強くよれたりしなったりしない
羅の歴史について
羅とよく比較されるものに絽や紗が挙げられますが、これらの中でも羅は古い手法で、正倉院の供物として奉納されたほど歴史があります。
羅の手法はとても複雑なため、一時期は作られることもなくなりましたが、昭和時代に北村武資氏によって復元されたそうです。日本において冠などにも用いられていた羅ですが、複雑な手法ゆえに生産数が減少しているのが現状です。
羅を身につけることの役割とは
ズバリ!羅を着ることの役割は、「技術の継承」と「湿気対策」「周りの雰囲気の演出」です
羅を身につけることの最初の役割として、技術の継承が挙げられます。
羅の歴史の章でもお伝えしましたように、羅の手法はとても複雑なため、その技術は一度途絶えてしまっています。
伝統技術というものは、一度失ってしまうと取り戻すまでに何百年もの歳月が必要になるため、羅織物を普段から身につけることで次世代に技術を継承することができます。
また、羅の役割には湿気対策もあります。日本の夏は、じめじめしていますので、普通の帯の場合着物の中に湿気がこもってしまいます。それに対して、絹で織られた羅帯は繊維の隙間から湿気を逃し通気性の良い作りとなっているため、暑い夏でも快適に着物を楽しむことができます。
さらに、羅の役割としてご紹介したいのが周りの雰囲気の演出ということです。夏の時期に行う同窓会やパーティーに普通の帯を用いると、自分自身はもとより周りの雰囲気も重たく感じられてしまうでしょう。羅帯を身につけることで、見ている人にも涼しげな印象を与えることができます。
こうしたことから、羅帯は大変重宝するものですので、一枚持っておくことをおすすめします。
絽とは、最も定番となっている薄物です。結婚式やお茶会などのフォーマルシーンに着用する正装着にふさわしい格であり、黒留袖や色留袖に用いられています。
羅とよく比較される絽や紗とは?
また、その反面カジュアルな日常着として付下げや小紋にも用いられているほか、夏用の長襦袢や衿、染帯など幅広く活用されています。
一方、紗は絽よりも格下で、カジュアル~セミフォーマルなどの薄物、薄手の羽織物などに用いられています。
まとめ
いかがでしたか?日本では様々な歴史ある織物が現代にも受け継がれてきました。それぞれ特徴が異なり風合いも変わるので、色々な織物でできた着物を楽しんでみてくださいね。
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