着物の裾(すそ)とは?わかりやすく説明
着物の裾(すそ)とは?
「裾」とは、着物の部位で、着物の腰にあたる部分より下全体をいいます。
裾は、着物の下の縁をさすこともあります。
裾よけとは?
裾よけとは、裾が傷むのを防ぐ為に用いられたもの。裾よけのほか、「蹴出し(けだし)」とも呼ばれています。
裾よけは、肌着同様に素肌に直接触れるものなので、肌ざわりが良く、吸水性の高いものがおすすめです。
また、裾よけには 「腰巻式」「パンツ型」「スカート型」の主に3つの種類があります。
◇「腰巻式」
腰巻式は、昔から使われているスタンダードタイプの裾よけ。フォーマルからカジュアルまで幅広く使用できます。
フォーマルの着物の際には、夏の暑い時期においてもパンツ型ではなく、腰巻式を選ばれる方が多くなっています。
◇「パンツ型」
パンツ型は、いわゆる「ステテコ」「下履き」となります。下着としての役割から裾よけの代わりとして単体で着用されるようになりました。また、冬場は保温、夏場は汗取りとしても重宝します。脚部での素肌のスレを抑えることができる点もポイントです。
ちょっとした出掛けや お稽古、夏場の着物などで着用される方が多いようです。
◇「スカート型」
スカート型は、既述の腰巻式の腰布部がゴムなどの仕様となっておりスカートの形状をしています。そのため、簡単に手軽に着用できる点がポイントです。季節の使い分けなどは腰巻式と同様です。
着付けで気をつけたい裾の合わせ方
着物の着付けの大事なポイントの一つに「裾合わせ」があります。
その中でも気をつけたいのが裾の位置と形です。
【裾位置】
◎カジュアルな着物は、動きやすいように、くるぶしが隠れる程度を目安として、心もち短めに。
◎フォーマル着物は、もう少し長めに裾下が足の甲にふれる位の丈にします。
着物の雰囲気によっても長さを調整しますが、着物を着る日に草履を脱ぐことがあるのかどうかによっても変わってきます。
草履を脱ぐ場合は、裾が長いと踏んでしまうこともあるので、長さを調整した方が良いでしょう。
【褄先(つまさき)】
裾の角の部分を褄先といいますが、フォーマル着物は平行気味、カジュアル着物は上げ気味に調整します。
【裾の形】
着物の裾は、「下がすぼまっている方が美しい」といわれています。
裾は体に沿うように少しすぼめて着用します。
下がすぼまっているとスッキリ見えますが、すぼまっていないと上から下まで同じ幅になってしまい、後ろから見た時に太ったように見えてしまいます。
また、和装は「右前」の前合わせで着用しますが、右身頃の裾を少し持ち上げて着丈を少し短くした上で左身頃を重ねると、内側の裾が下から覗くこともなく、裾も広がりにくなり美しく着こなせます。
普段着と晴れの日用の着物では裾丈の長さを変えて着付ける?
決まりがあるわけではありませんが、普段着用として着物を着るときと晴れの日用として着物を着るときでは、普段着用の方が裾丈を短めに着付けた方が動きやすさの点でよいでしょう。
普段着用の裾丈を決めるときのポイントをまとめていきます。
「裾をしぼめて着る」
裾丈が短い場合に裾が下に向かって広がっていると、子供の着付けのような印象になってしまいます。それを防ぐためにも、分かるくらいに裾を下に向かってしぼめるようにするとよいでしょう。
「裾の端を上げる」
普段着用として着る着物は、立ったり座ったりすることで着物を踏んでしまうことが考えられます。それを防ぐためには、裾の端をしっかりと上げるようにするとよいです。いくら普段着用とはいえ、同じ着物ですから傷まないように大切に着るように心がけましょう。
一方で、晴れの日用の着物を着付ける場合には、裾はいつもより気持ち長めにする方がよいかと思います。目安は、裾下が足の甲にふれるくらいです。正絹で仕立てられた晴れの日用の着物は、トロンとした質感が魅力でもあるので、長めの裾丈にしてバランスを取りましょう。
裾が広がらない歩き方
きちんと着つけても、ふだんと同じ歩き方では、裾が広がってきます。
着物や浴衣の時には、少し内股気味に歩幅を狭くするのが着崩れしない歩き方です。
まとめ
一口に着物といっても、今回お話ししたように「裾」など部分的に気をつけるポイントはいくつもあります。きれいな着姿で着物を楽しむように心がけて下さいね。
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