手捺染(てなっせん)とは?わかりやすく説明
手捺染(てなっせん)とは?
手捺染とは、布に1色ずつ丁寧な手作業でプリントしていく染め方です。手捺染は染めたい模様を型取った厚紙や板を布にあてがい、その上からヘラなどを使って染料を塗っていきます。1度に1色ずつ、乾いてから次の色を染めていく必要があります。手作業で丁寧に染め上げることから、「ハンドプリント」または「ハンドスクリーン」とも呼ばれ手織り、伝統工芸にもよく使われる技法です。
手捺染の歴史について
手捺染はとても歴史のある技法です。その歴史は、紀元前2000年のヨーロッパにまで遡るのだそうです。手捺染の中でも歴史のある「横浜手捺染」は120年もの歴史を誇ります。様々な技術を取り入れつつも進化してきた手捺染は、今では海外からも高く評価され日本で作られたスカーフなどたくさん輸出されています。
手捺染(てなっせん)の特徴とは?
手捺染の特徴には以下のような点が挙げられます。
✓1色につき1枚の板を使用
✓洗練された高い技術が必要
✓複雑な柄でも表現できる
手捺染の特徴とは、やはりその繊細で美しく表現される模様です。1色ずつ手作業で染め上げられるからこそ生まれる細かい柄と美しい輪郭や色合いが特徴と言えるでしょう。
✓1色につき1枚の板を使用
手捺染は1色につき1枚の板を使用して染めていきます。そのため、例えば3色で構成された模様をプリントする際には、3枚の板を使い1色ずつ塗っては乾かす作業をしていくのです。
つまり、1色目に染めたものが乾かないと次の色が染められないため、1つの作品が完成するまでには、とてつもない時間がかかるということも特徴と言えます。
✓洗練された高い技術が必要
手捺染は、模様が繊細で均一に染め上げられていますが、やはりそこには洗練された高い技術が必要となります。
✓複雑な柄でも表現できる
手捺染は、複雑な柄であっても美しく表現できるという点においても特徴的です。
繰り返しになりますが、
1色につき1枚の板を使うので、繊細な柄や色合いを生み出すことが可能です。この、染める際に使用される板ですが、使い捨ての場合も多いため、同じ柄を再度プリントしたい場合には、改めて型を取って板を作る必要があります。
注染と比較した際の捺染の特徴やメリット
布を染める技法で比較されやすい注染と捺染ですが、捺染だからこその特徴やメリットについて紹介します。
表側だけにプリントを施す捺染は、注染に比べて裏地の美しさは劣り、グラデーションを作り出せないという点も挙げられます。しかし、その分「色落ちがしづらく、耐久性に優れている」という点は強みといえるでしょう。柄の再現性が高い点も注染に勝る点です。
細かい柄もきれいに染まり、色合いや輪郭が美しく描けるのは捺染ならではの良さでしょう。
まとめ
手捺染とは、日本の高い技術を取り入れた技法の一つです。手で染め上げるからこそ生まれる繊細な模様や味わいをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
#手捺染