米沢織物(よねざわおりもの)とは?わかりやすく説明
米沢織物とは?
米沢織物とは、山形県南部に位置する米沢市を中心に、その周辺地域で産出する絹織物の総称をいいます。米沢織物は、自然の染料を用いた「草木染」です。紅花などの植物由来の染料で染め上げたやさしい風合いが特徴です。
米沢織物の歴史
山形県の南端にある米沢市の歴史は、上杉藩を抜きにしては語れません。米沢織物の歴史は、慶長6(1601)年、上杉藩の米沢入城までさかのぼります。
上杉家は、関ヶ原の戦い以降、会津120万石から米沢30万石に移封されました。藩主上杉景勝(うえすぎかげかつ)の側近だった直江兼続(なおえかねつぐ)は、藩の収益拡大を図るため、織物の素材となる青苧(あおそ)や絹を生む蚕の餌となる桑、染料となる紅花などの栽培を奨励しました。これらは藩の特産物として、織物産地に売り出されました。
そして、米沢織物を産業として確立した江戸後期の9代藩主・上杉鷹山(うえすぎようざん)は、産業振興に力を注ぎました。そのひとつとして、武家の婦女子に内職として機織りを習得させたといわれています。その後、紅花や藍、紫根(しこん)などの植物由来の染料で糸を染めてから織る「先染め」の技術が確立され、出羽の米沢織物として全国に広く知られるようになっていきました。
米沢織物の特徴
米沢織物は、縮(ちぢみ)という技術が用いられています。強い撚り(より)をかけて強度を高めた糸で織られており、しぼと呼ばれる細かなシワが表面に出ているのが特徴です。
一般的には”一産地に一つの布”が普通ですが、米沢織物には「長井紬(ながいつむぎ)」や「置賜紬(おいたまつむぎ)」、「紅花紬(べにばなつむぎ)」などの個性的な布が豊富にあり、高品質な紬織物としても有名です。
まとめ
米沢織物は山形県米沢市とその周辺地域で算出する絹織物の総称です。
これまで袴や帯などが主に生産されてきましたが、昨今、女性向けのスーツやワンピース、コート、おしゃれなフォーマルドレスの高級生地としても扱われるようになりました。この機会に、一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。
#米沢織物