茶屋辻(ちゃやつじ)とは?わかりやすく説明
茶屋辻(ちゃやつじ)とは?
茶屋辻とは、水辺の景色や建物を俯瞰(ふかん)による構図で描いた着物の柄のことです。茶屋辻は、江戸時代中期以降に御殿女中の夏の正装用として用いられた柄と言われています。茶辻(ちゃつじ)と略す場合もあります。
茶屋辻(ちゃやつじ)の意味とは?
茶屋辻は、もともとは高品質な麻に藍染を施した染め模様で、夏用の着物の柄でした。
「茶屋」とは、茶屋染めのことで、染色加工で色が入らないように糊で防ぐ「糊防染(のりぼうせん)」を用いた藍染によって柄を描く技法のことです。
また、「辻」とは、麻の単衣(ひとえ)の着物である帷子(かたびら)を指しています。
茶屋辻(ちゃやつじ)文様の特徴
麻素材に藍染めで描かれた水辺の風景は、見ていて涼しく、着て涼しく、上品で落ち着きがあるため、武家の女性に好まれたそうです。
その特徴は、鳥瞰図(ちょうかんず)のようなパノラマ的に模様を配している点です。
江戸時代中期以降に御殿女中の夏の正装用として用いられ、徳川御三家の留め柄として、一般庶民には手の届かない格の高い模様でした。そのため、本来であれば麻に染められていたものが、素材に絹を用いたり、藍染以外の多色の染色技術によって表現されることで、冬物としても使われる柄となっていきました。
茶屋辻文様は、花柄の着物に比べるとしっとりとした落ち着きがあり、大人の品格を感じさせ、ご年配の方にもおすすめの柄です。
茶屋辻(ちゃやつじ)文様の帯
茶屋辻文様は、着物だけでなく、帯にも用いられています。塩瀬(しおぜ)の染め帯「茶屋辻」文様もあれば、西陣織りの袋帯「茶屋辻文様」もあります。
そのほか、帯揚げや鞄などの和装小物にも使われています。
まとめ
茶屋辻は、もともと夏の時期に着用される着物の柄でした。
しかし、現在では素材や染色技術を変えることによって、冬物としても着用されています。
皆様も一度、茶屋辻をお手にとってみてはいかがでしょうか。
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