花筏(はないかだ)柄の着物とは?着用できる季節もわかりやすく説明
目次
花筏(はないかだ)とは?
花筏とは、桜の花がひとかたまりとなって筏(いかだ)のように川に流れていく様子を言います。
花筏は桃山時代から江戸時代にかけて流行した古典的で風流な柄です。
昨今では、桜だけではなく、秋草や菊、紅葉などの草花を筏に乗せたデザインも「花筏」と呼ばれるようになりました。家紋の一つで、筏に桜などの花を取り合わせたものもあります。
花筏(はないかだ)柄の着物を着用できる季節とは?
花筏が桜柄の着物の場合は、桜が満開の頃に季節を先取りして着用するのがおすすめです。
また、桜以外の草花が描かれた花筏の場合には、その草花の季節に合わせて着用しましょう。
そのため、春や通年着ることができる柄です。
花筏(はないかだ)と組み合わせることの多い着物の柄と季節
・秋草(あきくさ):夏と秋
・菊:秋または通年
・紅葉(もみじ):秋または通年
花筏(はないかだ)に関連する着物の柄と季節
・船柄の着物:主に夏または通年
・桜柄の着物:春または通年
・流水柄の着物:夏または通年
蒔絵に描かれた花筏(はないかだ)
京都の高台寺(こうだいじ)は、豊臣秀吉の正室である北政所(きたのまんどころ)が建立した寺院ですが、ここの御霊屋(おたまや)には、花筏が描かれた「花筏蒔絵階段」があります。これは、桃山時代の華麗な蒔絵の象徴ともいえます。
また、この花筏文様は吉野川の花筏を表現したものでもあり、吉野は古くから浄土と見立てられていたことから、花筏文様が浄土の象徴とも言われています。
まとめ
花筏(はないかだ)は、散った桜の花びらが水面に浮き、それらが連なって筏のように流れていく様子を表しています。桜の花びらの花筏柄は春に着用できますが、そのほか、それぞれの季節の草花がデザインされている花筏は、それぞれの季節において着用できるため、通年楽しむことができるでしょう。
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