鼻緒とは?
鼻緒とは?
鼻緒とは、日本の伝統的な履物の一つである草履の一部分の名称です。
鼻緒は草履の足を乗せる底辺(台)に3点で固定された紐の部分のことを言います。
鼻緒(はなお)の機能性とは?
鼻緒の付いた履物を幼少期に用いることで、さまざまな効果があると言われています。たとえば、土踏まずの形成や、浮き趾(あしゆび)、足圧分布、姿勢の改善につながることが期待されています。
そもそも鼻緒は、草履を履く際に、足の親指と人差し指の間に挟む形になります。ただ、指の付け根まで深く履いてしまうと、鼻緒ズレと言って歩いているうちに痛みが出てしまったり、擦り傷ができてしまうこともあります。こうしたことを防ぐためにも、草履や下駄の場合、少し浅めに足を入れて、足指の間と鼻緒の間に指一本が入る程度で履くのが良いとされています。
ここで注意して頂きたいのが、鼻緒の付いた履物を履いた状態での自動車の運転操作は、それだけでは道路交通法等に触れるわけではありませんが、都道府県条例などでは、鼻緒が切れる恐れのある状態や、靴下を履いたまま鼻緒のある履物で運転することを事実上禁じているところもあります。ちょっとそこまでの買い物やお出かけでも、自動車を運転する際には履かないようにした方が良さそうですね。
草履のその他各部分の名称は?
鼻緒以外の草履の各部分の名前をご紹介いたします。
草履は、足を乗せる底面(台)と、鼻緒、台の表面(天)、底面の裏側(底)、天と底の間の側面(巻き)で構成されています。
また、鼻緒が挿し込まれている部分を前坪と呼びます。
草履を履く際には、前坪の部分を親指と人差指の間ではさみ、足の甲と合わせて支えながら歩きます。
草履の素材はどんなもの?
まず草履本体の最も主流な素材が革で、コルク芯の表面を革で覆って作られます。
また、革表面の素材にはエナメル/パールでコーティングされた艷やかで華のあるものが使われています。艷やかなデザインが主流な一方で、あえて艶を消した艶消しタイプもあります。
礼装用のように豪華な草履には、革製品ではなく袋帯に用いられるような生地を表面に使ったようなものもあります。
その他には季節ごとに合った素材として植物繊維などを用いたものがあります。
草履の造りの特徴は?
・台と鼻緒の素材が同じようなものが多いがあえて素材を変えた異素材ミックスもある
・草履の高さは台部分に使われる芯の枚数によって異なる(五分三枚/五分四枚/五分五枚と呼ばれ一枚あたり約3ミリor五分は約1.5ミリ)
・かかとの高さ=フォーマル度が高い(五分三枚が一般的)
・草履の幅は一般的な船型と幅広の小判型がある(関西では小判型が人気)
・かかとを1~2センチ程度はみ出して履くのが裾を踏まずにきれいに歩けるサイズ感
用途に合わせて変わる草履の種類とは?
草履には、フォーマル用/カジュアル用/夏用/雨の日用など、それぞれのシーンに適したものがあります。
中でもフォーマル用は、台が高い/第と鼻緒が同色/帯地に用いる金糸や銀糸の入った織りを使った布製(最も格上)などの特徴があります。
エナメルやパール素材であれば台の高さや台と鼻緒が同色という条件をクリアしていればフォーマル用として履くことができます。
まとめ
いかがでしょうか?着物と言ったら当たり前のように頭に浮かぶ草履ですが、台の高さで格式の高さが変わるなど、色々とルールがあるのは分かりませんでした。正しい着こなしで着物を楽しみたいものですね。