平織とは?わかりやすく説明

着物の豆知識#着物,#和装,#着物の生地

黄緑と緑色の平織りの繊維

平織とは?

平織とは、織物を代表する3種類の中の一つで、綾織(斜文織)、朱子織(繻子織)と並びます。
平織は中でも最も単純な織り方で、経糸と緯糸を交互に一本ずつ上下に組み合わせながら織っていきます。
固くて丈夫、凹凸がなく透け感もないという特徴があるので、白木綿・天竺・縮緬・モスリン・羽二重・銘仙・御召など幅広い着物に用いられています。

織物を代表する3つの種類の特徴を比較!

「平織」
・固くてハリがある生地
・伸縮性はあまりない
・摩擦に強い
・通気性が良い

「綾織/斜文織」
・しなやかな生地
・伸縮性がある
・シワになりにくい
・耐久性はあまりない

「繻子織」
・しなやかな生地
・光沢感がある
・摩擦に弱い
・傷が付きやすい

織物を織る際に用いられる機械とは?

織物を織る際には、それ専用の「機織り機」という機械を使います。機織り機は、手織りのものだと地機(じき)と高機(たかばた)という2種類、手織り以外では力織機(りきしょっき)があります。

機械自体はとても単純な作りとなっており、タテ糸を張ったものにヨコ糸を通していくというもので、世界中で用いられています。

同じ素材を用いても糸や織り方によって適した季節が異なる?

前項でご紹介したように織物は大きく分けて3つの種類に分けられ、それぞれ特徴も異なりますが、同じ素材を用いても、糸や織り方が異なるとまた違った着物が織り上がるのです。
織り上がった着物によって、保温性のあるなしなど特徴も異なるため、適した季節感は全く異なります。

以下にてどんな種類があるのかご紹介していきます。

・縮緬(ちりめん)
・羽二重
・綸子(りんず)
・緞子(どんす)
・紬(つむぎ)
・銘仙
・絽(ろ)
・紗(しゃ)
・羅(ら)
・お召
・縮(ちぢみ)
・絣(かすり)
・上布(麻織物)
・ウール
・化繊(ポリエステル)

上記の中でも平織で織られるものは、縮緬・羽二重・紬・銘仙・絽・縮・絣・上布など数多くあります。

平織で織られるいくつかの着物についてご紹介!

縮緬」
ちりめんとは、平織で織られた絹織物で、撚りのない経糸と強撚糸を緯糸に用いたものです。生地を白く・しなやかな光沢感を出すために精錬作業といって生糸の不純物を取り除く作業は行われます。これがシボという特徴的な凹凸を生み出します。

染め付けがしやすいため鮮やかな模様を出しやすいことから、後染めの白生地として用いられます。

「羽二重」
羽二重とは、後染め用の平織の白生地で、中でも絹を用いたものは光絹(こうきぬ)と呼ばれています。経糸緯糸ともに撚りがない生地を用いますが、羽二重は経糸を細く2本にして織ります。そうすることで平らで滑らかな光沢感が生まれます。

柔らかさと軽さを兼ね備えた羽二重は、肌触りもとても良く、格が高い黒紋付や留袖などの礼装用の着物の裏地にも用いられています。

「紬」
紬とは、先練り先染めの紬糸を用いて織り上げられる高級絹織物で、着物愛好家から人気がある高価な着物です。とはいえ、フォーマル向けではなく、あくまでおしゃれ着として着用するものです。

太く節が多い絹糸を用いて平織する紬は、生地が丈夫で耐久性に優れている特徴があります。

「銘仙」
銘仙とは、経糸に玉糸、緯糸に絹紡糸を用いた平織の絹織物で、安価なわりに丈夫といった特徴があります。しかし、ウールの登場によってその人気は衰退していきました。

まとめ

いかがでしょうか?普段私達の生活の中にも馴染みがある平織ですが、織り方や用いる糸によってその特徴も様々なようです。着物の世界はとても奥が深いので、知れば知るほど魅力が増しますよね。

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