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裃とは?わかりやすく説明

着物の豆知識

裃を着た男性

裃とは?

裃(かみしも)とは、昔武士の正装として着用されていたもので、現代で例えるなら制服のような位置づけです。

裃の特徴は以下のようなものが挙げられます。

・上下セットで着用するもの
・上衣は肩が大きく張った独特な形状の肩衣(かたぎぬ)を着る
・下はいくつかのスタイルによって異なる袴を着る

裃の種類

裃にはいくつかの種類があります。

「半裃(はんかみしも)」
通常の裃のことを指しています。袴の丈が長裃に対して通常の丈であることからこの名が付きました。起源は長裃より古く、長裃よりも略礼装とされました。武士の正装であり、庶民の礼装という位置づけでした。庶民は冠婚葬祭においてのみ着用しましたが、藩によっては着用の可否によって村役人としての格として使われることもあったようです。

「長裃(なががみしも)」
引きずるほど裾の長い袴と肩衣の組み合わせが特徴の長裃は、位の高い人物が着用するものです。動きづらそうにも見える長裃ですが、これを着ることにより、ちょこちょこ動き回るような軽率な行動を控え、威厳を示すような目的があります。

「切裃(きりがみしも)」
現代において、結婚式や成人式の和装の際に着用する袴と同じくらいの、足首までの長さの袴を着用します。長裃同様に、上衣は袴と同色のものを着用します。

「継裃(つぎがみしも)」
切裃と同じ長さの袴を着用するスタイルですが、上衣の色が上下異なります。上下同色の長裃や切裃よりもカジュアルな位置付けです。

歌舞伎における裃の特徴は?

歌舞伎の世界で着られている裃は、本来のものよりもデザインや色味の派手なものが多いです。これらは演じる役の身分や性格などによって、使い分けられているようです。

また、切腹のシーンでは水裃(みずがみしも)といった白に近い浅葱色(あさねぎいろ=青系)のものを着用します。

裃を使ったことわざ
〇「裃を着る」:礼儀正しさが、かえって堅苦しくなること。言動が堅苦しいさまのたとえ。
〇「石に裃」:硬い石に裃を着せたように、堅苦しい人のたとえ。また、そういう様子のこと。
〇「裃を着た盗人(ぬすびと)」:役人という立場でありながら私腹を肥やす者のたとえ。
〇「裃を脱ぐ」:相手に対する警戒心がなくなり、気楽に打ち解けた態度になること。
〇「口先の裃」:言葉では丁寧で相手を敬っている態度に見えるが、実際はうわべだけで誠意がないことのたとえ。

まとめ

いかがでしたか?歌舞伎や時代劇などでよく目にする裃は、和服の中でも特に威厳があってかっこいい魅力がありますよね。位によって袴の長さが異なるというのも趣があって、和服は知れば知るほど奥が深いなと感じました。

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