鹿子絞り(かのこしぼり)とは?わかりやすく説明

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鹿子絞り

鹿子絞り(かのこしぼり)とは?

鹿子絞り(かのこしぼり)とは、絞り染めの最高品で、くくり絞りの1つです。

鹿子絞りとよく比較されるものに、疋田絞り、一目絞りがありますが、これらはすべて同義です。疋田絞りと一目絞りの総称としていわれているのが、鹿子絞りでもあります。

鹿子絞りに用いる絞り染めとは?

鹿子絞りに用いる「絞り染め技法」の工程について、簡単にお話ししていきます。

絞り染め技法は、糸で布をくくり染め上げてから、糸をほどきます。すると、子鹿の背にある斑点模様のように染め上がります。

具体的には、丸い下絵を中心として布を四つ折りにし、その角を糸で7~8回くくる作業を繰り返し、布を染めていきます。

糸でくくった箇所は染まらずに白い四角で残り、角の先端のみかすかに染まって点となり現れます。これが、子鹿の背の斑点模様のような柄の作り方です。

鹿子絞りの歴史

現在でも和装向けの高級品として流通している鹿子絞りは、とても古い歴史があります。
はじまりは、奈良時代に遡り、本格的に発展したのは江戸時代です。

鹿子絞りの中でも贅沢品として扱われている「総鹿子」ですが、江戸時代には規制される動きもありました。

また、京都で生産される京鹿子絞りは、昭和51年(1976年)に国の伝統工芸品に指定されています。

江戸時代に愛された小袖の鹿子絞り

江戸時代には、鹿子絞りをほどこした小袖がよく見られました。

袖も衿もすべて鹿子絞りで染め上げた総鹿子の小袖は、近くで見ると一つ一つ手作業で絞った粒が美しく並んでおり、見るものを圧倒します。

多くの時間と手間を要する総鹿子の小袖は、あまりの贅沢品なため、禁止されたこともあるくらいでした。

「鹿子絞り」その他の呼び方

鹿子絞りには、特徴によっていくつかの呼び名があります。例えば以下のようなもの。

・京鹿子 京都近郊で生産されたもの
・目結(めゆい) 絞り目を一つ一つ指でつまんで絞る技法
・総絞り(または総鹿子) 全体を絞りで埋めたもの

目結は、着物ひとつを絞りあげるのに数ヶ月かかるものが多く、振り袖、着尺地、羽尺地として用いられます。また、総絞りや総鹿子は、鹿子絞りの中でも最高級品として扱われています。

まとめ

鹿子絞りは、くくり絞りの1つで、絞り染めの最高品として扱われています。また、子鹿の背にある斑点模様のような柄が特徴的です。

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