能装束とは?わかりやすく説明
能装束とは?
能装束とは、能で用いられる衣装のことで、能衣裳ともいわれます。
能装束の特徴は以下の通りです。
・華やかな色を多用し豪華絢爛
・様々な技術を駆使して作られる
・自然と共生してきた日本人の美意識が反映されている
・現代でも日常の中で楽しまれている
様々な種類がある能装束の中で、代表的なものをご紹介していきます。
7種の装束
装束には、以下7つの種類があります。
「仮髪」・・・鬘や頭など
「冠り物」・・・鳥帽子や天冠
「上衣」・・・直衣、狩衣、法被、長絹、舞衣
「着付」・・・摺箔、縫箔、熨斗目(小袖と同類の上衣の内側に着るもの)
「上衣・着付両用」・・・唐織、厚板など
「袴」・・・大口、半切、指貫、長袴など
「その他」・・・蔓帯、腰帯、腰蓑など
能装束の種類
能装束には様々な種類と文様があります。
■唐織(からおり)
唐織とは、能装束の中でも主に女性役に用いられるもので、豪華さが特徴の能装束を代表する衣装です。金糸銀糸をはじめとする色鮮やかな糸を用いて、草花や文様が立体的に織りだされています。唐織は、世界の舞台衣装の中でもトップクラスの豪華さを誇ります。
着流しというスタイルで着付けた唐織は、能に登場する女性役の平均的な装いになります。着流しとは、胸元を広げる形で前で合わせ裾をすぼませ、逆三角形に着付ける方法で、女性らしい洗練された印象を作り出すことができます。
唐織の文様は以下の通りです。
1.扇面
2.鳳凰
3.菊水(きくすい)
4.秋草文
5.吹き寄せ
7.菊
8.梶の葉
9.梅
■縫箔(ぬいはく)
縫箔(ぬいはく)は、唐織と並んで能装束を代表する衣装のひとつです。シルクの光沢感、金箔銀箔の輝き、刺繍の光沢が合わさって、美しい世界観が描かれます。
縫箔の文様は以下の通りです。
1.貝尽くし
2.面高(おもだか)
3.龍
4.蝶
5.網目
6.幔幕(まんまく)
7.扇面(せんめん)
8.鷺(さぎ)
9.帆掛け船(ほかけぶね)
■摺箔(すりはく)
摺箔は、金銀が多く用いられているため、とても華やかな印象を与える能装束です。鎌倉時代後期から、能装束として用いられてきました。絹で織られた光沢感のある繻子の上に、型紙を用いて糊を置き、金箔銀箔を貼って作られます。
摺箔の文様は以下の通りです。
1.鱗(うろこ)
2.宝尽くし
まとめ
能装束は、能に用いられる衣装のことで様々な種類があります。そのどれもが美しく、日本人の心をとらえ、現代でも楽しまれている歴史的なものです。
#能装束

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