九寸名古屋帯とは?わかりやすく説明
九寸名古屋帯とは?
九寸名古屋帯は、帯の片側の手先になる部分の幅を半分に織って縫い止めた帯です。手先とは帯の巻き始めの部分のことです。
九寸名古屋帯のサイズは、幅が約31cm、長さが360cm~380cm程度で、一重太鼓で結ぶことができます。
八寸名古屋帯との違いとは?
九寸名古屋帯とよく比較されるもので「八寸名古屋帯」というものがあります。
■見た目の違い
八寸名古屋帯の見た目は、仕立てる前の状態で見るとほとんど違いがなく見分けは付きません。このとき生地の幅は、九寸名古屋帯が約9寸(約35cm)八寸名古屋帯が約八寸(約31cm)です。
九寸名古屋帯は、お太鼓部分の両端を縫って中に帯芯を入れるため、その分縫い代が広くなり胴回り部分の幅が半分になっていることが多いのに対して、八寸名古屋帯は帯芯を入れずに端をかがるため、幅が変わりなく胴回り部分の幅も生地幅と変わりません。
ただし、八寸名古屋帯も着用時には、半分に折って締めるため、事前に少しだけ手先をかがっている場合もあります。
■合わせる着物の違い
八寸名古屋帯は、小紋や紬などカジュアルな着物に締めることが多いですが、綴織の金銀糸が混ざった格調高い文様入りのものは、留袖や訪問着などフォーマルな装いに締めるような別格の扱いとなります。
■着用感や適した季節の違い
帯芯が入っていない分、通気性がよく真夏以外の単衣であれば着用可能というのも八寸名古屋帯の特徴です。
九寸名古屋帯の由来は?
名古屋帯の名称の由来は、大正時代に名古屋で作られたのが始まりだったことです。
九寸名古屋帯に関しては、用いる帯地の帯幅が9寸巾でも仕上がり寸法が縫い代分を差し引くと8寸になることから、八寸名古屋帯との区別を付けるために、そう呼ばれるようになったそうです。
九寸名古屋帯の種類とは?
九寸名古屋帯は大きく分けて以下の3種類が挙げられます。
・織りによって模様を表現した「織り名古屋帯」
・織り上げられた生地に染めを施すことで模様を表現した「染め名古屋帯」
・織り上げられた生地に刺繍のみを用いて模様を表現した名古屋帯
組み合わせ方で異なる名古屋帯の雰囲気とは?
着物と帯の組み合わせ方には決まりはありませんが、基本となるものがある程度あります。染め着物には織りの帯、織り着物には染めの帯といったもの。これには、着物と帯の調和が取れやすいという理由があるのです。
織り着物に織りの帯を合わせた組み合わせでは、スマートで洗練された印象を演出でいましし、染め着物に染めの帯を合わせた組み合わせでは、優しく柔らかな印象を演出できます。
帯によって格は異なる?
着物に格があるように、帯にも格があります。種類・織り方・文様・金糸・銀糸の有無や量などで判断され、合わせてよい着物も決まりがあります。
織りの名古屋帯と染めの名古屋帯は、以下の着物に合わせることが可能です。
・付け下げ
・色無地
・御召
・小紋
・江戸小紋
・紬
中でも特に、格の高い着物(紋の入ったものなど)に合わせる帯は、古典的な模様の帯を合わせるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?着物もたくさんの種類があり、それぞれ格がありますが、帯に関しても同様のことがいえます。一つの帯でも組み合わせ方によって、様々な着こなしを楽しむことができるので、色々と楽しんでみてくださいね。
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