日本髪とは?わかりやすく説明
日本髪とは?
日本髪とは、江戸時代の頃より子供から大人まで女性たちが日常的に過ごしていた際の髪型です。
日本髪の元となっているのは、徳川家康が天下を取り江戸幕府を開いた頃(桃山時代末期 1603年頃)の男性たちが結っていた髪型です。それを元に、髪全体を高い位置で大きく束ねて髷を折り曲げた形が基本です。
当時は、自毛を鬢付け油(びんつけあぶら)と組紐・麻糸などを用いて結い上げ、一度結い上げた日本髪はすぐにほどくことなく何週間も維持していたようです。
また、日本髪の中でも未婚女性に限り結うものを「文金高島田」と呼びます。これは髷の位置が高ければ高いほど品格が高いと言われており、武家階級の女性の中でとても人気があったようです。
現在では、日本髪を結える人がごくわずかしかいないため、結婚式の際に日本髪をするとしてもそのほとんどはかつらです。京都の舞妓さんに関しては、元結(和紙の紐)で髪を束ねて、鬢付け油(ワックスの役目)で日本髪を結い上げています。
新日本髪とは?
日本髪を現代風にアレンジした「新日本髪」というものがあります。
新日本髪は江戸時代より浸透しはじめた髪型で、本来の日本髪を現代風にアレンジしたものです。伝統的な日本髪のきれいなシルエットは残しつつ、着物によって髪飾りや西洋の生花などを添えてアレンジすることができるのも魅力のひとつでしょう。
現在目にすることがある日本髪のほとんどは、この新日本髪です。
日本髪は、一度結い上げるとほぐすことが容易ではなく、鬢付け油を落とすのも至難の業です。そのため、昔は数週間も同じ髪型で過ごしていたそうです。
一方で、新日本髪は七五三など一時的に結うシーンに向いており、使用するスタイリング剤なども利便性を重視して考えられています。
以下にて、日本髪と新日本髪の異なるポイントを比較していきます。
日本髪と新日本髪の違いとは?
「専門に結う人」
日本髪→髪結師 新日本髪→美容師・ヘアメイクさん
「用途」
日本髪→舞妓さんなど 新日本髪→七五三・成人式・結婚式など
「スタイリングに用いるもの」
日本髪→鬢付け油・元結 新日本髪→ワックス・スプレー・コーム
「ヘアアレンジの可否」
日本髪→できない 新日本髪→できる
新日本髪の結い方
本式の日本髪の結い方とは異なりますが、自分で仕上げられるようにプロセスを簡略化した新日本髪の結い方をご紹介します。
準備するもの
・ヘアゴム(黒)
・ヘアゴム(カラー)
・髪飾り
・アメピン(とめる用)
・Uピン(おさえる用)
・毛たぼ
・くし
・ヘアスプレー
・ワックス
・三面鏡(あると便利です)
・髪の長さは、鎖骨より下くらいであればOK
・前髪は鼻より下くらいの長さが必要
STEP 1:ブロッキング
耳の付け根から頭の頂点で前後に分け、さらに前髪と両サイドの3つに分ける。
※分け目を左右対称にする
※前髪を取り分ける位置は黒目の外側
STEP 2:根をつくる
後ろの真ん中部分の髪を取り分け、ゴムで結ぶ。
※横から見て、あごと耳の付け根を結んだ延長線上
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STEP 3:つとをつくる
「つと」は、襟足の髪のこと。
襟足の髪にヘアワックスをなじませ、面を整えながらくしでまとめる。
握りこぶし大の毛たぼを襟足の髪で包み、STEP2で結んだ「根」の髪と一緒に、まとめてゴムで結ぶ。
くしで面を整えたら、スプレーでキープ。
※ヘアワックスは根元からしっかり付ける
STEP 4:びんをつくる
「びん」は、両サイドの髪のこと。
サイドの髪にヘアワックスをなじませ、しっかりくしを通して面をつくり、たるませる。STEP3で結んだ髪と一緒に、まとめてゴムで結ぶ。もう片方も同様。
※たるませ具合が左右対称かを確認
次に、たるませた「びん」の下から毛たぼを入れ、ふくらみをつくる。
びんの始まりの髪の根元の浮き上がり方が左右対称となっていない場合には、浮いた側にUピンを打って重みで髪を寝かせる。
くしで面と左右のバランスを整えてからスプレーでキープ。
STEP 5:前髪をつくる
「前髪」は額の上の髪。
前髪にヘアワックスをなじませ、面を整えながらくしでまとめる。
カラーゴムを使い、2ヵ所結ぶ。
STEP4で結んだ髪と一緒にまとめて黒色のゴムで結ぶ。
くしで面を整えてからスプレーでキープ。
STEP 6:まげをつくる
STEP5で結んだ髪を、毛たぼを芯にして前髪側に倒しながら丸め根元にアメピンで固定。
まげの左右に指を入れて扇形に広げ、くしで面を整えてからスプレーでキープ。
STEP 7:飾り付け
「びん」と「前髪」が歪んでいないかバランスを整える。
最後に、ちんころやかんざしなどの髪飾りを付けて完成!
日本髪にはいくつかの種類がある?
①角隠しスタイルの日本髪
→文金高島田の角隠しは結った日本髪の上から、絹で織られた白い布をぐるりと巻きます。
角隠しに込められた意味は「角を隠し従順な妻として夫・その家族に嫁ぐ」といったもので、江戸時代後期から明治時代初期にかけて広まった風習だそうです。(※諸説あり)
②綿帽子スタイルの日本髪
→日本髪の上に綿帽子をかぶるこのスタイルは、防寒のため・ほこりよけのためといった由来があるとされています。(※諸説あり)
ちなみに白無垢には「純白のまま嫁ぎあなた色に染まります」といった意味があるそうで、綿帽子の下の髪型に関しては日本髪はもちろん洋髪でも良いとされています。
まとめ
いかがでしょうか?日本髪は日本人女性らしい奥ゆかしさと上品さを感じる素敵なヘアスタイルですよね。結婚式はもちろん機会があればぜひ試してみたいヘアスタイルの一つですね。
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