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和服の帯とは?わかりやすく説明

着物の豆知識

緑色の袋帯とピンクの着物を着た女性

帯とは

帯とは、和服を着装する際に、腰にまいて結ぶ細長い布です。帯は、安土桃山時代頃までは、腰ひも程度の胴に巻いて縛るだけのものでした。 江戸時代の初め位には幅10㎝位になり、現在のような帯になったのは江戸時代中期といわれています。
歌舞伎の流行の影響もあり、太い帯で結ぶことで女性らしさを強調するようになりました。
現在では、帯は着物と同格とされていて、実用性と装飾性とを兼ね備えたものとして和服を着装する際には欠かせないものです。

帯の歴史をもっと詳しく!

帯は、昔は細い紐でただ結ぶだけでした。
室町時代以降、それまで「袴姿」だった日本人のスタイルが「小袖と帯」のスタイルへと移りました。 このとき初めて帯が登場することになります。
その後、足利義政が将軍の時代、「平ぐけ帯」となったという記録が残っています。また 桃山時代から江戸時代にかけては「名護屋帯」と呼ばれる組紐帯も用いられました。
江戸時代になり、一般的に使用されていた帯の幅は、2寸~2寸5分。結び方のバリエーションも少なく、突込帯(つっこみおび)くらいでした。
しかし寛永頃(1624~1643)になると、遊女たちが幅の広い帯を締めるようになり、5寸ほどの巾の帯を用いていました。
その後、延宝時代(1673~1680)の人気役者である上村吉弥(うえむらきちや)が、幅広い帯の両端に鉛を入れ、余った帯をだらりと垂れるようにした吉弥結びで舞台に出演。その結びが評判を呼び、以降 幅広長尺帯が用いられるようになったと言われています。
帯は、次第に幅広になっていき、元禄時代(1688~1703)には九寸近い幅となり、長さも一丈二尺と現在の帯との形態となっていきました。
享保以後(1716~1735)には、九寸幅と一丈二尺の長さが帯の基準となり、結び方や種類のバリエーションも豊富になっていきました。こうして、帯が女装美として定着していったのです。

帯の種類は?

帯の種類には様々なものがあり、素材や柄、長さや幅がそれぞれ違います。
男性と女性での代表的な帯の種類としては、下記のものです。

女性用帯は、丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯(はんはばおび)
男性用帯は、角帯、兵児帯(へこおび)

それぞれのサイズは
丸帯 巾 約68cm 長さ約448cm
袋帯 巾 約31cm 長さ 約448cm
名古屋帯 (九寸なごや帯) 巾 約34cm 長さ約360センチ
(八寸なごや帯) 巾 約30cm 長さ約360センチ
半幅帯 巾約16.5cm 長さ約400cm

種類別の帯の用途は?

ご紹介した帯を使う着用シーンをまとめました。
丸帯は、花嫁衣裳・黒留め袖・振袖といったフォーマル用。
袋帯は、留袖・振袖・訪問着・付け下げ・色無地などフォーマル、セミフォーマル、普段着用。
名古屋帯は、付け下げ・色無地・小紋・紬などセミフォーマル、普段着用。
半幅帯は、小紋・浴衣など普段着用。
各帯は、黒紋付・御召・紬・浴衣などフォーマル、セミフォーマル、普段着用。

袋帯についてもっと詳しく!

フォーマルシーンで結ぶ袋帯は、合わせる着物の種類によっても結び方が変わります。以下にて、各着物に合わせる際の結び方についてまとめていきます。

■留袖・訪問着→「二重太鼓」
■振袖→「ふくら雀・文庫結び」

また、喪服のイメージが強い黒紋付ですが、金糸銀糸を使って織られた華やかな袋帯を合わせることで、おめでたいシーンにも着用することができるようになります。

このように、フォーマルシーンに合わせる袋帯として華やかさが魅力の「織り」の帯はおすすめです。西陣織の代表ともいえる高級な絹織物の帯は格式高く、同じく格が高い黒留袖・色留袖・訪問着にもピッタリでしょう。

また、織りの袋帯ほどの知名度や流通数はないものの「染め」の帯もあります。織りの袋帯に比べるとやや格が低いため、留袖・振袖ではなく、準礼装としての訪問着・色無地に合わせるのはおすすめです。

帯の選び方は?

帯は、着物の格に合わせて結びます。
基本としては「染めの着物に織りの帯」「織りの着物に染めの帯」といわれています。
着物を着こなすには、帯の種類だけではなく長さや素材、柄も考えて選ぶようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?今更聞けない「帯」というアイテムについて基本的な知識をまとめてきました。帯は着物と同じように格や着用シーンが決まっており、ルールを守りながら楽しむものです。ぜひ、様々な素材や柄の帯を使い分けてみて下さいね。

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