正絹着物(しょうけんきもの)の魅力や特徴についてわかりやすく説明

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正絹の着物を着た女性

正絹着物とは?

正絹着物とは、絹を100%使用して仕立てた着物のことで、絹はシルクや本絹(ほんけん)ともいわれます。

正絹着物の製作は、蚕が作り出す繭から糸を引き出す作業からはじまりますが、その工程には大変な手間がかかるため、正絹着物は決して安価なものではなく、ほかにはない高級感が魅力です。

正絹着物の特徴とは?

・絹ならではの上品な光沢感
・きめ細やかで極上の手触りから抜群の着心地
・上質な仕上がりが表現する高級感
・絹繊維は人肌に近いタンパク質の成分でできているため肌との親和性が高く優しい着心地

正絹着物とポリエステル着物の違いは?

着物に用いる素材の代表的なものが正絹ですが、日常着によく用いられているポリエステルとはどのような違いがあるのでしょうか?ポリエステルの特徴について以下にまとめます。

・優れた耐久性
・速乾性が高い
・手頃な価格
・自宅で気軽に洗うことができる

また、手軽さが魅力の一方で着心地はどうしてもゴワゴワした感じがあるのが短所ともいえます。ポリエステルを用いた着物は、礼装用ではなく普段着や外出用のものに多く、小紋・浴衣・紬・色無地などが挙げられます。

正絹着物の長所と短所とは?

これまでお話ししたとおり、正絹着物はポリエステルなどの素材では表現できない唯一無二の高級感や肌触りなど魅力がたくさんあります。その一方で手入れの面など短所もあるため、特徴をよく理解しておきましょう。

「長所」

・高い通気性と保湿性
・なめらかで上品な手触り
・肌に優しい着心地
・絹ならではの光沢感
・静電気がおきにくい
・夏は涼しく冬は温かい

「短所」

・雨に弱くシミができやすい
・日光に弱く変色しやすい
・手洗いができない
・耐久性がよくない
・高価

正絹着物を取扱う際のポイント

正絹着物は大変デリケートな素材です。そのため取り扱いには十分注意が必要です。
ここでは、正絹着物の取り扱いのポイントについてご紹介します。

1)風通しを良くする
正絹着物の素材である絹は、湿度に弱いのが特徴です。特に着物を着用した後は、思った以上に湿度が残ってしまっています。そのため、着物を脱いだらすぐにハンガーにかけて風通しをよくすることが大切です。
干す際のポイントとしては、直射日光の当たらない場所に干すこと。直射日光に当たり続けると変色する恐れがありますので、注意しましょう。

2)年に数回の虫干しが必要
虫干しとは、着物の湿気を取り除くため、保管場所から取り出し新鮮な空気に触れさせる作業のことです。
この虫干しを年に数回行うことによって、着物にこもった湿気によるカビや変色を防ぐことが可能になります。
虫干しのポイントは、ハンガーにかけて湿度の少ない室内で干すこと。梅雨雨の7〜8月、9〜10月、さらには湿気の少ない1〜2月に行うのが良いとされています。

3)汚れに気づいたらすぐに処置を
正絹着物に付いてしまった汚れを放っておくと、シミや変色の原因になることも。そのため、気づいた際にすぐに処置するように心がけましょう。
処置のポイントは、着物ブラシや清潔なタオルを使うこと。この時、強く擦ってしまうと着物に傷がついてしまうため、頑固な汚れの場合にはクリーニングに出すようにしましょう。

4)たたんで保管する
正絹着物を保管する際には、丁寧にたたんでから たとう紙に包み、桐の箪笥で保管することをおすすめします。
たとう紙には湿気を寄せつけない効果があり、桐の箪笥には虫を寄せつけず、湿気を逃す効果があるためです。

まとめ

いかがでしたか?高級な正絹着物は、多くの魅力がつまった女性の憧れともいえます。その分、デリケートな素材でもあるため取り扱いには十分に注意が必要です。着用の機会がある場合は、きちんとした知識をもって慎重に扱いましょう。

#正絹着物

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