足袋(たび)のこはぜはどんな役割がある?選び方のポイントについても解説!
足袋(たび)のこはぜとは?
足袋のこはぜとは、足袋を留めるための金具部分のことをいい、対になっているかけ紐に引っ掛けることで留めます。
漢字で書くと「小鉤」や「鞐」となります。
足袋のこはぜには以下のような役割があります。
・足袋にシワがよらないように生地が張った状態を保ち美しい着姿にするため
着物に合わせる足袋は、靴下のように自然と足首のラインにフィットするものではないため、こはぜのような工夫が施されているのですね。
足袋のこはぜの素材は?
この金具部分は、昔のものだと金や象牙といった素材が主流でしたが、現代のものは真鍮・アルミ・ステンレスなどの金属製、またマジックテープやファスナータイプのこはぜもあります。
また、開発された当初はこはぜはなく、足首に紐を巻いて固定する足袋だったそうです。
足袋のこはぜの枚数は?
足袋のこはぜは、ものによって枚数が異なり、着物の礼装の際によく用いるものは4枚と5枚が一般的です。
また、子供用であれば3枚、お祭りや作業用の地下足袋であれば7枚12枚といったものもあります。
足袋はこはぜの枚数が1つ増えるごとに2cmほど丈が長くなるため、足首が見えないように履きたい場合はこはぜの枚数が多いものを選びます。
日本舞踊の際に合わせる足袋も、5枚こはぜの丈が長めのものを選ぶそうです。
逆に中居さんや普段着として足袋を着用する 場合は、動きやすさを優先して4枚こはぜの足袋が好まれます。
礼装の場合、足袋のこはぜは何枚が良いの?
着物の礼装の場合、足袋の色は白色が基本です。礼装時における足袋のこはぜは、5枚こはぜが一般的と言われます。その理由は、
・肌の露出を抑えた着こなしがふさわしい場面であるから
・4枚=しまいを嫌うという意味で、縁起を担ぐため
ただし、これは、絶対ではありません。4枚こはぜの足袋であっても、足首を広範囲にカバーしてくれるので、くるぶしが見えることはほとんどありません。このように、露骨に肌が見えなければ差し支えない上、動きやすいという点で比較すると、4枚こはぜの方が良いとされる方も多いようです。
余談ですが、足袋はこはぜの枚数よりも、シワがなくピッタリと履くことの方が大切です。実際の足のサイズよりも大きめを選ぶと緩くなり、見た目にもだらしない印象を与えてしまいます。また、ふくよかな方であれば、ストレッチ素材の足袋を選ぶことで、こはぜが留まりやすくなるでしょう。ただし、この場合も緩すぎないサイズのものを選ぶように注意してみてください。
こはぜの枚数は地域によって異なる?
和装の際に合わせる足袋のこはぜの枚数は、地域によっても違いがあるようです。
「関西」
関西地方では、足首が見えない方がおくゆかしいと考える風習があるため、5枚こはぜの足袋を合わせる傾向にあります。
「関東」
関東地方では、足首を出して足袋を履くのが粋であると考える風習があるため、4枚こはぜの足袋を合わせる傾向にあります。
まとめ
いかがでしたか?足袋は普段あまり馴染みのないアイテムなので、いざ選ぶとなったらどんなものがよいのか分からなかった人もいるかと思います。本記事を参考にしていただければ幸いです。