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冬の着物用コートはどんな種類がある?羽織との違いも解説

2021年5月13日特集

黒いコートと着物を着た女性

冬の防寒着として一枚は欲しい着物用のコート。
初めて着る方にとっては、何を基準に選べばいいか悩みますよね。
中には、デザインが可愛かったから買ってしまったけれど、普段使いにしか着られなくて大失敗という人も。
実は着物用のコートにはさまざまな役割があり、着物と同じように格の違いもあるため、寒さ対策だけでなく、TPOに合ったコートを選ぶことが大切なんです。
羽織じゃダメなの?どんなコートを選べば正解?できればフォーマルにも対応できるコートがいいんだけど……と悩んでいる方に、着物用コートについて詳しく紹介します。

着物のコートとは

着物の上に羽織るコート。寒くなったら着るものと思っている方も多いようですが、コートはいつ着るのか、どんな役割があり、羽織とはどう違うのか、詳しく紹介します。

着物用コートの役割

冬の防寒着以外の役割もある着物用のコート。
着物を長年愛用されている方のなかには、「帯付きで出かけるのは、はしたない」という話を聞いたことがあるかもしれません。

着物になじみのない方からは、え?帯付きって何ですか? という声が聞こえてきそうですが、帯付きとは羽織やコートなどの羽織りものなしで帯が見える状態のこと。
つまり、着物姿のときに羽織りものなしで外出するのは、恥ずかしいことだといわれていたのです。

そのため昭和の半ばまでは、羽織やコートを愛用いていた方が多かったようですが、さすがに時代が大きく変わったいまのコートの役割は、主に3つと考えていいでしょう。

●塵除けなどの着物を汚れから防ぐため。
●冬の防寒着。
●おしゃれのアイテムとして。

とくに着物上級者の中には、着物で外出するときのおしゃれアイテムとして楽しんでいる方も多く、さまざまなコートを使い分けています。

コートを着る季節

着物用のコートを着る時期は、昔から「紅葉が色づく頃から、桜が散るまで」の間とされています。
そういってしまうと、洋装と同じでコート=防寒用と考えがちですが、フォーマルな場で着物を着用する場合、季節を問わずコートを羽織って外出するのが一般的です。

その理由は、人混みや電車の中で帯結びが人や物に引っ掛かって形が崩れるのを防いだり、着物が汚れないようにする塵除けのためと考えられています。

夏用のコートもあって、地色が淡いため汚れやすく薄手のため傷つきやすい夏の着物を、トラブルや汚れから保護する目的で着用されています。
いまでは移動時の必須アイテムという方もいて、車や電車内の冷房が効きすぎている場合などにも役立っています。

コートと羽織の違い

羽織はもともと男性が着るものでしたが、江戸時代に深川芸者が着はじめたことから女性にも人気を集めるようになったといわれています。

そんな羽織とコート、何が違うかというと、羽織はカジュアルシーンでの羽織もの。室内でも着られるカーディガンのようなアイテムだと考えるとわかりやすいかもしれません。
コートは洋服のコートと同じで、あくまで外出着。室内では脱ぐのがマナーとなります。

ただし例外もあって、江戸小紋などの着物に紋付の羽織を合わせると略礼装になるため、黒紋付の羽織が流行していたことも。とくに母親が子供の入学式に着ていく定番スタイルになっていました。

また、羽織の丈には流行があって、戦前は長め、戦後は短め、現在はやや長めが主流。
膝下までの長さがある長羽織もエレガントに見えるため人気を集めていますが、室内だと立ったり座ったりする時に羽織の裾を踏みやすいので、コートと同じように室内では脱いだほうがよいでしょう。

着物用コートの主な種類

着物のためのコートには、どんな種類があるのかを見ていきましょう。

道中着

紺色の着物衿の道中着を着た女性

衿あわせが着物と同じ形になっていて、衿が裾の長さまであるものを「道中着」と呼びます。
前についている紐を結んで留めるので、着ることも脱ぐことも、とても楽なのが特徴です。
基本的にはカジュアル着ですが、無地やぼかし、上品な小紋柄などであれば、多少あらたまった場所に着ていくことも可能です。

道行コート

紫の道行きコートを着た女性と着物を着た女の子

「道行衿」と呼ばれる四角い形の衿あきで、ボタンを使って前を留めるスタイル。和装コートの定番であり、羽織や道中着よりもフォーマルな装いに。
柄によってはフォーマルからカジュアルまで幅広く活躍します。

雨コート

名前の通り、雨で着物や帯が濡れるのを防ぐための撥水加工のされたコートです。
裾まですっぽりと着物全体を覆うことができるものや、着丈を調整できるよう上下が独立している二部式のものもあります。

夏用のコート

初夏から盛夏にかけて役立つコート。道行コートや道中着タイプがあります。
レースや紗などの透け感のある素材で、優雅さと清涼感を演出。単衣や絽などの夏の着物は薄手のために傷みやすく、淡い地色は汚れやすいため、塵除けとしても重宝されています。

防寒用のコート

ウールやベルベットなどの暖かい素材で作られた冬用のコート。
とくにベルベットは高級感があり、防寒性にもすぐれているため、寒い時期に大活躍してくれます。

コートだけじゃない!冬の着物の防寒着

着物の上に羽織る冬の防寒着は、なにもコートだけではありません。

ショール・ストール

冬の寒い時期は、肩回りに羽織るショールがあるだけで防寒になります。コートの上から羽織ってもOK。

カジュアルシーンなら、普段から使用している洋服用のショールやストールも利用できます。防寒用なら大き目のものを選びましょう。

パーティーなどへの外出時は、光沢があって華やかなベルベット素材のショールがオススメです。コートと同じで、室内に入る前に脱いでおくのがマナーです。

ケープ・ポンチョ

カジュアルシーン限定ですが、ケープやポンチョは着物の袖を気にすることなく気軽に羽織ることができます。
キュートなアクセントにもなるので、お手持ちのものから、着物に合うものを選んでみると着こなし上手に見えるはずです。

コートの格は色・柄・素材・衿の形で決まる

着物には格があることをご存じの方は多いと思いますが、着物用のコートにも実は格があり、色・柄・素材・衿の形で判断します。

コートに格があること自体あまり知られていないのは、コートはあくまで移動中に着るもので訪問先に入る前に脱いでしまうため。着物や帯よりも格に対して厳格ではありませんが、洋服と同じでTPǑに合ったコートを選ぶことが大切です。

コートの色

格式が高い色といえば、やはり黒。普段使いから、喪服の上にも羽織ることができるなど冠婚葬祭にも使える黒のコートは、通年着ることが出来ます。

コートは着物を保護するために汚れることもあるアイテムですから、黒以外なら少し濃い目の色や、落ち着いたとトーンのものが使いやすいでしょう。

コートの柄

フォーマルシーンで使えるコートの柄は、無地や絵羽模様となります。
縞模様や小紋柄などの見た目にもカジュアルな模様は、普段使いとなります。

コートの素材

素材のなかで格が高いのは、やはり絹で作られた縮緬のコートです。
カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで役立つのが、ベルベットのコート。カジュアルシーンには、紬や木綿のものでもいいでしょう。

衿の形で見る着物用コートの格

着物とは違い、コートは衿の形によっても格を判断することができます。

道行衿

紫の道行きコートを着た女性と着物を着た女の子

フォーマルからカジュアルまで使えるのが、「道行衿」のコート。四角くて額縁のようになった衿のことをいいます。
通称「道行」とも呼ばれていて、フォーマルなコートにはほとんどといってもいいほど、この道行衿が使われています。

都衿

「都衿(みやこえり)」のコートもフォーマルからカジュアルまで、幅広いシーンに対応できます。
道行衿の角を少しカーブさせたような形のため、見た目には道行衿との大きな差はあまり感じられないかもしれませんが、やわらかい印象になります。

千代田衿

「千代田衿」のコートは大正時代中期に、洋服の衿を和装コートに取り入れられたものです。
セミフォーマル用のコートとして重宝されていますが、道行衿よりもややカジュアルな雰囲気を出すことができます。

へちま衿

赤いへちま衿コートを着た女性

セミフォーマルからカジュアルシーンまで利用できるのが、「へちま衿」のコート。
見た目がへちまのような形のため「へちま衿」と呼ばれていますが、もともとは洋装のコートから発想したもの。
厚手の着物にも合わせやすいため、冬場の防寒着に多い衿の形です。

被布衿

被布衿の着物コートを着た女性

カジュアルシーンだけでなく、セミフォーマルとしても使えるのが「被布衿」のコート。飾り紐がついているのがポイントです。
七五三を祝うとき、3歳の女の子が着用する被布に使われている衿の形と同じといえば、イメージしやすいのでは。おしゃれな大人のコートにも使用されています。

着物衿

カジュアルシーンでもっとも多く使われるのが「着物衿」のコート。着物みたいに衿先と衽をとった仕立て方が特徴で、コート丈も少し短いものが多く、結んだ紐が見えていることもあって普段使いとなります。着物愛用者のなかには、もう着なくなった着物をリメイクして、着物衿のコートにする方もいるようです

着物用コートもレンタルできる

普段から着物を愛用している方にとって、着物用のコートは必須アイテムですが、結婚式に招待された、子どもの卒業式に着物を着るからなど、特別な日のために着物をレンタルする方にとっては、そのためだけにコートを購入する気にはなれませんよね。

そんな方にお勧めなのが、着物用コートのレンタルです。
きものレンタリエでもようやくコートのレンタルを始めましたが、実はネットレンタルならさまざまな着物用のコートが気軽にレンタルすることができます。

防寒用のコートもあれば、おしゃれを楽しむためのコートなど、多種多様に揃っているので、まずはネットレンタルを利用して、コートに親しんでみるのも賢い方法ではないでしょうか。

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まとめ

着物用のコートにも、塵除けや雨除け、冬の防寒着やおしゃれ着など、様々な用途のものがあります。
また、コートは衿や色、柄、素材によって格が変わり、フォーマルからカジュアルまで対応しています。
最初の一着を選ぶなら、フォーマルコートの定番ともいえる道行がおすすめですが、あとはTPOに合わせて、目的に合ったコートを選びましょう。

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