夏の着物の柄はどう選ぶ?季節を先取りする方法とオススメの柄
夏の着物の柄ってどう選べばいいの?という声をよく耳にします。
着物の柄は季節を先取りするものとされているため、
夏の着物の柄なのに夏の草花は選んではいけないの?
夏真っ盛りなのに秋の草花っておかしくない?
と混乱してしまう人が多いようです。
そこで今回は、夏の着物の柄の上手な選び方と、秋の草花の先取りの仕方を紹介しましょう。
着物の柄の選び方とは?
着物の柄を選ぶときには、季節を先取りすることが基本。
実際の季節よりも1ヶ月ほど先を目安に、先取りするものだと考えられています。
これを夏にあてはめてみると、
6月から7月には盛夏の草花を、
8月から9月初旬には秋の草花を、
柄として先取りするのがひとつの目安となります。
夏だからといって6月には秋の草花はまだ早く、8月下旬の残暑の頃に初夏の柄は避けたほうが無難です。先取りするのが早すぎたり、季節遅れになるような柄選びは避けたほうがよいでしょう。
夏にふさわしい着物の柄とは?
具体的には、どんな柄が夏の着物にふさわしいのでしょうか。
6月には表情豊かな紫陽花柄を
6月には花色が豊富で表情豊かな紫陽花を。
てっせんや百合、あざみなどの柄もこの時期に。
7月は朝顔やひまわりで夏らしく
7月から8月初旬にかけては、朝顔やひまわり、ほおずきの実など夏らしいものを。
8月には秋の七草で涼しさを先取り
8月からは秋の七草でもある撫子や桔梗、萩やススキ(尾花)、葛などを取り入れて、
一足先に秋を楽しみましょう。
暑さをやわらげる波や流水、雪輪も
夏の暑さをやわらげるような水や水辺に関する柄にも注目を。
6月なら雨や海、
7~8月は波や流水なども涼しい雰囲気を演出してくます。
どの柄も単独か、他の夏の絵柄と一緒に描かれているものを選ぶのがポイント。
例えば流水は、桜や紅葉と一緒に描かれることも多い柄。
その場合は、春や秋に着る柄ということになるので気をつけて。
また、雪輪文様などの冬の柄を涼しさを演出するため、あえて夏に用いることもあります。
季節を限定しない通年柄を選ぶ
着物の柄のなかには、季節を問わず通年着られる柄があります。
夏だからということにこだわらず、TPОに合わせて通年柄を選ぶのもひとつの方法です。
吉祥文様などの縁起の良い柄
フォーマルな場面に着ていくのなら、鶴や亀、鳳凰などの縁起の良い柄が描かれている吉祥文様や、
立涌や丸文、菱文や七宝などの有職文様がオススメです。
洋服感覚で着られる幾何学模様
シンプルな縞や格子、市松模様、青海波などの幾何学文様なら、
季節を問わず洋服感覚で着ることができます。
他の季節の柄が一緒に描かれたものを
夏の草花と一緒に桜や菊、桔梗、椿など、他の季節の花々が一緒に描かれている着物なら、通年着ることができます。
また、辻が花のように実際には存在しない花柄も、季節を問わずに着用することができます。
まとめ
いかがでしたか。
着物の柄は先取りすることが基本ですが、あまり神経質になる必要はありません。
6月からは夏らしい柄を、8月からは秋の柄を先取りするつもりで、夏の着物を楽しんでくださいね。