結婚式の草履とは?着物に合わせた色や素材、高さなどの選び方
結婚式の草履は、フォーマルな場面にふさわしい礼装用を履くのがマナー。
また、結婚式の草履は、留袖、振袖、訪問着など、着物によっても選び方が異なります。
そこで、結婚式に出席するのにふさわしい草履の選び方を紹介します。
注意点なども考慮しながら、着こなしのアクセントにもなるような素敵な草履を選びましょう。
結婚式の草履はフォーマル用がマナー
結婚式というフォーマルな場面では、正礼装、準礼装、略礼装などの礼装と呼ばれる格の高い着物を着用するのがマナー。礼装の着物に合わせる草履も、フォーマル用(礼装用)を履くのがマナーとなります。
フォーマル用(礼装用)の草履は、以下の特徴があります。
フォーマル用(礼装用)の草履の特徴
色 | 金・銀または白や淡い色 |
素材 | 上質なエナメルや高級織物生地(佐賀錦や唐織) |
台と鼻緒 | 台と鼻緒の素材や色がバラバラではない 統一感のある色や素材 |
台の高さ | かかとの高さ4~6cm前後 |
金・銀または白や淡い色
フォーマル用の草履の色は、気品を感じられる金または銀を基調にしたものが一般的です。
着物が準礼装や略礼装であれば、白や上品な淡い色味のものでもいいでしょう。
上質なエナメルや高級織物
草履の素材は、エナメルや布が主流です。
エナメルの場合は品のある光沢の上質のもの、布の場合は佐賀錦や唐織などの高級な織物生地を使用しているものが最適です。
台と鼻緒は統一感のある色・素材
草履は足をのせる部分の「台」と、足の指や甲を通すヒモの部分の「鼻緒」に分けられますが、フォーマル用の草履の場合、台と鼻緒が同じ素材や同じ色で出来ているなど、統一感のあることがポイント。
同じ素材でも鼻緒の色が若干異なっていたり、同じ色でも異なる素材が使われている場合もありますが、統一感があれば問題はありません。
ただし、素材や色があきらかに違うもの、また、それをアクセントにしているデザインなどは、カジュアル用の草履という印象になるため、避けたほうがよいでしょう。
結婚式の草履のかかとの高さは4~6cm前後
草履にも靴と同じでかかと(台)の高さが色々とあり、かかと(台)が高いものほど格が高くなるため、フォーマル用となります。
結婚式の草履はかかとの高さが4~6cm前後のものを選ぶとよいでしょう。
礼装用の着物は長めに着付けるため、かかと(台)が低い草履だと、裾を引きずってしまう危険性があるため、ある程度高さのある草履であることが欠かせません。
また、草履の特徴のひとつに重ね芯というものがあり、草履は台の部分に芯を重ねることで底やかかとの高さを調節しています。
草履を横から見てもらうと、2~3枚の芯を重ねた形の草履があることがわかると思います。この芯を重ねるためには職人さんの手間と技術が必要なため、芯の枚数が多いと価値の高い草履となり格が上がります。
こういうと、芯の枚数が多い草履がフォーマル用と思われがちですが、一枚芯だからダメいうわけではありません。
それぞれのフォーマルシーンに合ったデザインの草履で、かかと(台)の高さが4~6cmのものを選べば問題はありません。
結婚式の草履を選ぶ場合の注意点
結婚式にふさわしいフォーマル用の草履を選ぶ場合には、次のことにも注意しましょう。
・普段着用の草履・下駄・ブーツはNG
・草履はサイズが合うものを選ぶ
・着物の格に合った草履を選ぶ
以下で注意点を詳しく解説します。
普段着用の草履・下駄・ブーツはNG
どんなにおしゃれで高級な草履でも、かかとの低い濃い色の草履は、小紋や紬、麻や綿などの普段着の着物に合わせるカジュアル用のため、結婚式ではNGです。
夏の結婚式であっても、下駄はカジュアル用の履物ですからフォーマルには不向き。
振袖の場合、舞妓さんや花魁のイメージでおこぼ(こっぽり・ぽっくり)を履きたいという方がいるかもしれませんが、おこぼも下駄の一種ですからNGです。
最近の成人式では振袖にブーツというスタイルも見受けられますが、これもNG。
トレンドを取り入れた装いが許されるのは成人式などの自分が主役のフォーマルシーンの場合だけ。
新郎新婦が主役の結婚式に親族やゲストという立場で参加する場合は、基本マナーに沿った装いをしまししょう。
草履はサイズが合うものを選ぶ
草履は台からかかとが少し出るくらいで履くのが美しいとされています。
足のサイズにピッタリしたものを履くのではないので注意しましょう。
草履のサイズは、靴のように23.5cmや24.0cm、24.5㎝といった細かいサイズではなく、S・M・Lなどで表されるのが一般的です。同じМサイズであっても、メーカーによっては若干異なるため、できれば事前に試し履きしてみるといいでしょう。
着物の格に合った草履を選ぶ
着て行く着物の格とも合った草履を選ぶことも重要です。
結婚式というフォーマルな場面に合う草履の基本を説明してきましたが、実は結婚式に着て行く着物によっても草履の選び方が異なる部分があります。
例えば、準礼装や略礼装となる訪問着には最適の草履でも、もっとも格の高い正礼装の黒留袖に合わせようとすると、足元だけが格が低くてアンバランスな装いになってしまうことも。
フォーマル用草履の基本を押さえつつ、結婚式に着ていく着物の格に応じた草履を選びましょう。
結婚式で着用する着物別の草履の選び方は下記にて説明致します。
結婚式に着用する着物別「草履の選び方」
結婚式に着用する着物は、黒留袖や色留袖、振袖、訪問着が主流となります。
結婚式で着用する着物別に、どんな草履がふさわしいかを紹介します。
留袖にふさわしい草履
礼装の中でも、もっとも格が高い正礼装となる黒留袖や5つ紋の色留袖。
黒留袖は新郎新婦の母親や仲人、既婚の親族女性が着用します。
既婚未婚を問わずに着られる5つ紋の色留袖は、主に新郎新婦の未婚の叔母や姉妹が着用します。
また、準礼装となる3つ紋や1つ紋の色留袖も新郎新婦の親族が着用することがほとんどのため、留袖に合わせる草履は格が高いもの、フォーマル度が高いものを選びます。
草履の色は金または銀を基調とした、礼装にふさわしい重厚感や高級感のあるものを選びましょう。
素材は袋帯に使用されるような金糸銀糸の入った佐賀錦や唐織、綴織などの高級織物や、上品な艶と光沢が魅力の高品質のエナメルがオススメです。
草履の台と鼻緒が同素材や同色のものを選びましょう。
鼻緒が別素材やカラフルな柄物の場合、見た目にはおしゃれなのですが、カジュアル感の強い草履という印象になってしまい、とくに正礼装にはふさわしくありません。
草履のかかと(台)の高さは4cm~5cm程度になることを目安に選びましょう。
礼装用の着物は裾を長めに着付けますが、留袖の場合はとくに裾模様が引き立つように裾を長めに着付けるのが一般的です。
そのため、ある程度はかかとの高い草履を履いたほうがバランスの良い着こなしとなります。
振袖にふさわしい草履
未婚女性の正礼装である振袖には、大振袖・中振袖・小振袖の3種類があります。
結婚式ではもっとも格が高い「大振袖」は花嫁衣裳になることが多いため、未婚の親族やゲストは主に「中振袖」を着用します。
中振袖に合わせる草履は礼装用であれば、留袖ほど基本マナーにこだわる必要はありません。
現代の振袖は成人式用の着物が主流で、それに合わせる礼装用の草履は色柄も多彩で華やかなものが多いのが特徴です。そのため振袖の色柄とマッチした草履であれば、草履の台と鼻緒の色や素材が同じであることに、それほどこだわらなくても問題はありません。
出来れば、基調は濃い色ではなく淡い色を、かかとの高い華やかな作りのものを選び、品格を損なわない装いになるように注意しましょう。
訪問着にふさわしい草履
準礼装や略礼装として、未婚既婚を問わずに着られる着物が訪問着です。
訪問着は結婚式では主に新郎新婦の友人や職場の同僚など、ゲストが着用する着物として重宝されています。
訪問着に合わせる草履は、基本の金色や銀色のほかに、白やクリーム、薄いピンクなど、着物の地色に合わせた淡い色でも問題はありません。
かかと(台)の高さは4cm~5cm程度のものを選びましょう。
素材は上質なエナメルなどの品の良いものを。
フォーマル用の草履の場合、台と鼻緒が同色や同素材など統一感のあることが求められますが、カジュアルテイストな結婚式の場合には、台と鼻緒のデザインが異なる草履をあえて選んで、おしゃれを楽しんでみてもいいでしょう。
ただし、格式の高い結婚式や事前に結婚式の格がわからない場合、目上の参加者が多そうな式ではマナーをしっかりと守り、フォーマル用の草履を履いていくことをオススメします。
着物初心者なら草履とバッグの礼装用セットがおすすめ
結婚式に着用する着物に合わせて選ぶ草履とバッグは、コーディネートの大きなアクセントにもなります。
そのため、バッグと草履の礼装用セットを利用する方も多く、お揃いの草履とバッグにすることで洗練された着こなしになります。
とくに着物初心者の場合、草履とバッグを別々に選ぶと、チグハグで統一感のないコーディネートになる危険性があるため、初めてフォーマル用の着物を着用するという方には草履とバッグのセットの利用をオススメします。
きものレンタリエでは、あらかじめ留袖、振袖、訪問着などそれぞれの着物にふさわしいフォーマル用のバッグと草履がセットされていますが、それとは異なるバッグや草履にしたいという方向けにオプションとして、別の草履とバッグのセットも用意しています。
ぜひ、上手に利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
結婚式にふさわしい草履は、フォーマル度の高い草履になります。
結婚式にふさわしいフォーマル度の高い草履とは、金や銀、白を基調にしたエナメルや高級織物を素材としたもので、草履の台と鼻緒が同色や同じ素材など統一感のあるもの、かかとが高いものとなります。
結婚式に着用する留袖、振袖、訪問着など、それぞれの着物に合った草履を上手に選びましょう。