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【実例紹介】結婚式の着物 色留袖 姉妹・親族としてのマナーや選び方

2020年6月7日色留袖, 結婚式

結婚式に親族として参列する際、着物を着るなら格式の高い留袖が一般的ですが、同じ親族でも立場によって、着る留袖が異なることをご存じですか?
新郎新婦の母親が着ている黒留袖はご存じの方が多いと思いますが、留袖には色留袖というものもあり、そのときの立場によって使い分けが必要になります。
そこで今回は結婚式で親族が着る色留袖について、詳しくご紹介します。
新郎新婦に恥をかかせないためにも、色留袖を着用できる立場やシーン、選び方のポイントを知っておきましょう。

結婚式に親族が着る着物「留袖」とは?

左から黒留袖、色留袖、色留袖

結婚式に親族が着る着物として知られている「留袖」ですが、着物の地色が黒の「黒留袖」地色が黒以外の「色留袖」の二種類があります。
黒留袖も色留袖も、裾部分にのみ「絵羽模様」という縫い目をわたって一枚の絵のように模様が描かれているのが特徴です。

では、結婚式に黒留袖を着るのか、色留袖を着るのかは、どうやって決めるのでしょうか?
ポイントは新郎新婦との関係と、既婚か未婚か、年齢などになります。

結婚式に新郎新婦の母親が着る黒留袖

家紋が入った黒留袖の写真
黒地の着物に、裾のみに柄の入り、白の比翼仕立ての黒留袖の着物

既婚女性にとって、もっとも格の高い第一礼装という位置づけの「黒留袖」。
結婚式や披露宴の際には、新郎新婦の母親をはじめ、祖母や叔母、姉妹などの親族や、仲人夫人が着るのが一般的です。
結婚式で黒留袖を着る時には、染め抜きの五つ紋を入れ、白の比翼仕立てにするのが決まり。

家紋が入った黒留袖の写真のアップ
黒留袖は背中心、両袖裏、両胸の5つ紋が入ります

色留袖でも五つ紋の比翼仕立てであれば黒留袖と同格になりますが、新郎新婦に最も近い親族であり、ゲストをお迎えする立場の母親は、やはり色留袖ではなく誰が見ても第一礼装と一目でわかる黒留袖を着るのがマナーです。

結婚式や披露宴では両家親族の装いの格を揃えることが大切ですので、黒留袖を着る場合にはどちらか一方の親族だけではなく、両家ともに黒留袖を着用するよう事前に打ち合わせをしておくことが必要でしょう。

また、祖母や叔母などが黒留袖を着ることも多いと思いますが、親族とはいえ母親よりは新郎新婦とは遠い立場ですから、目立ちすぎないことが大切。年齢にふさわしい落ち着いた柄の黒留袖を選び、母親よりも控えめな装いを心がけましょう。

姉妹、いとこなどの親族が着る色留袖

クリーム色の色留袖を着た女性

同じ親族でも、未婚の姉妹やいとこなどが結婚式に参列する場合には、色留袖になります。
色留袖も昔は既婚女性の着物でしたが、現在では未婚既婚を問わず着用することが一般的になってきました。

その背景には男女ともに晩婚化が進み、未婚率も高くなったことが挙げられます。いまや30歳を過ぎても未婚なのは当たり前の時代。
そうなると、未婚女性の第一礼装は振袖!というわけにはいかなくなってきました。
もともと若い女性向けに作られているという振袖を着るのなら、30歳前後までと考えるのが常識的です。

とはいえ、結婚式で未婚の姉妹や叔母が黒留袖を着るわけにはいかないため、未婚女性の親族は、色留袖を身につけることが主流になっていったようです。
また、若くして既婚という姉妹やいとこも、重厚感のある黒留袖よりも色留袖のほうが年齢的に着やすいという一面もあり、未婚既婚を問わず新郎新婦の姉妹や叔母、いとこなどが色留袖を愛用するようになりました。

結婚式にふさわしい色留袖の選び方

三つ紋の色留袖を着た女性

色留袖を結婚式や披露宴に着ていく場合、いくつかの決まりがあります。
まずは親族としてふさわしい紋の数を入れなければなりません。無紋だったり、比翼仕立てでないものは、結婚式にはNGなのです。
では、紋の数はいくつならいいの? 比翼仕立てって何? という疑問にお答えしましょう。

結婚式に着る色留袖に紋はいくつ入れるべき?

色留袖の場合、五つ紋なら第一礼装、三つ紋なら準礼装、一つ紋なら略礼装、そして無紋と、どんな場面で着るかによって、紋の数が変わります。
前述した通り五つ紋を入れると黒留袖と同格となります。
そのため親族なら五つ紋と考えがちですが、わざわざ母親の黒留袖と同格にする必要性は薄いため、現在では三つ紋を入れて、準礼装として装うケースが多いようです。こ
うすれば、結婚式にゲストとしてお呼ばれした時などにも着用できます。

結婚式の留袖に欠かせない比翼仕立てとは?

黒留袖の説明でも出てきた比翼仕立て。結婚式に着る色留袖も、比翼仕立てであることが必要です。
昔は重ね着が正式だったため、長じゅばんという下着の上に白い着物と留袖を二枚合わせて着ていました。
しかし、動きやすさなどを考慮するようになり、衿・袖口・おくみ・裾部分など、外から見える部分にだけ白い生地を縫い付けて、重ね着しているように見せる「比翼仕立て」が主流に。また、比翼仕立てにはお祝い事が重なりますようにという意味も込められています。

色留袖の色柄はどう選べばいい?

留袖の場合、一般的に柄の描かれた面積が広く、高い位置にある程、若い方向けとされ、逆に面積が狭く、低い位置に柄がある程、年配の方向けと言われています。
また、絵柄には多彩なバリエーションがあり、着物初心者には選ぶのが難しいかもしれません。

どんな柄がいいかわからないという方には、吉祥文様や有職文様など、おめでたい古典柄なら間違いないでしょう。
柄の色数があまり多くないもの、金銀の箔や刺繍が控えめなものを選ぶと、目立ちすぎることなく上品に装えます。

次に、どんな色を選べばいいのでしょうか?ポイントは2つ。
着る季節に合わせて選ぶか、年代に合わせて選ぶかです。
例えば、季節に合わせて選ぶなら、春夏はクリーム色や淡いピンク、水色などの明るくてやさしい色を。
秋冬は藤色や深緑色、赤茶色、ライトグレーなど、深みのある色を選ぶといいでしょう。

自分の年代に合った色を選ぶ場合には、20〜30代なら明るめのピンクや水色、40〜50代ならモスグリーンやベージュ、くすみがかったピンク、50代以上なら藤色やライトグレーなどがオススメです。

年代別実例!結婚式にオススメの色留

色とりどりの色留袖を着た女性

結婚式に着たい色留袖の一例を、実際に年代別にピックアップしてみました。写真を参考にして、自分に合う色留袖をイメージしてみましょう。

20代にオススメの色留袖

若々しさを感じさせる明るいピンクや薄いオレンジの色留袖がオススメです。
裾に幅広く入った花柄やおめでたい柄は、愛らしさとともに祝福の気持ちを表現することができます。

ピンク色の色留袖を着た女性

30代におススメの色留袖

大人の女性の風情を身に着け始めた30代には、明るい水色やクリーム色の色留袖がオススメです。
華やかな花柄を選べば、まだまだ可愛らしさも感じさせることができます。

水色の色留袖を着た女性

40代におススメの色留袖

色留袖の魅力を表現できる年代といわれる40代は、格式の高さを感じさせるものを。
大柄ではあるものの気品を感じさせる花柄などを選べば、個性的でおしゃれな印象となります。

クリームの色留袖を着た女性

50代にオススメの色留袖

50代の方なら、シックな印象を与えてくれる濃い地色の色留袖を。
裾に向かってグラデーションになっているものや動きのある柄を選べば、遊び心を感じさせることができます。

60代にオススメの色留袖

60代の方なら薄紫や薄緑などのやさしい色味の色留袖を。
柄にはさりげなく金彩や銀彩をあしらうなど品格を感じさせる印象のものを選べば、エレガントな大人の装いになります。

結婚式で親族が訪問着を着るのはNG?

訪問着は色留袖よりも格の低い着物という位置づけになります。
親族が訪問着を着るとゲストと同格になってしまうので、親族の結婚式に着るのには向きません。

しかし最近では、訪問着でも紋をつければ大丈夫という声や、遠い親族であれば問題ないという風潮があるのも確かです。
ただ実際問題として、総柄の訪問着の中には、柄が邪魔して紋を入れ難いものもあります。

また、地域や家庭によっては、訪問着に対する格の解釈が異なる場合もあるでしょう。
うちは大丈夫だと思っていても、先方の家庭ではNGという場合もあるものです。
主役である新郎新婦が恥をかいたりしないように、親族の結婚式に出席するのであれば、やはり色留袖を選んだほうがよいのではないでしょうか。

まとめ

結婚式に親族が着る着物として活躍してくれる色留袖。
未婚既婚を問わずに着られますが、最近は振袖に代わって未婚の姉妹やいとこ、叔母などの着用が多いようです。
また、結婚式に色留袖を着ていく場合には、三つ紋と比翼仕立てであることが大切。
何色の色留袖を着るかは、自分の年代や季節に合わせて選ぶと、おしゃれな着こなしになります。