紋の種類とは?表現方法についてもご紹介します!
紋の種類とは?
着物の紋は種類によって格が変わります。また、紋の種類によって着用シーンも異なります。
そもそも、着物の紋は、基本的に「家紋」を指します。地域によって違いがあり、関西において女性は母方の家紋を入れ、男性は父方の紋を入れます。また関東においては男女関係なく家族全員がその家の家紋を入れる風習があります。
紋の種類と表現方法について
家紋の種類は、およそ4,000種類あると言われています。家紋そのものは、たくさんの種類があり、デザインのモチーフも自然や道具、建物、幾何学模様など様々な種類があります。
また、多数ある着物の紋を表現する方法も複数あり、その表現方法によって格の高さも変わっていきます。
〇日向紋(ひなたもん)
・最も格式の高い紋の種類
・紋の型全体を白地にして、濃色の着物の地色で模様をつける
・陽紋と呼ばれることもある
〇中陰紋(ちゅうかげもん)
・格式の高さは日向紋に次ぐ
・紋の型を太く白でなぞり、模様部分の描写が省略されている
〇陰紋(かげもん)
・格式の高さは中陰紋に次ぐ
・白地の部分が少なく地色が多い
・略式紋のため、ほとんどの場合一つ紋で表現される
紋の表現方法は、基本的に白で抜かれている部分が多ければ多いほど格式が高いとされています。
紋の入れ方の種類
紋の入れ方の種類によっても、格式の高さが異なります。上から順に…
・染め抜き紋(抜き紋)
・石持ち入れ紋(こくもちいれもん)
・縫い紋
・貼り付け紋
手間がかかるものほど格式が高くなります。
着物に入れる紋の数による違い
着物に入れる紋は様々な種類、入れ方があるというのが分かりました。
更に、入れる数によっても格の違いがあるのをご存知でしょうか?
着物に入れる紋の数には決まりがあって、その数は5つ・3つ・1つとなります。
紋の数は多い方から格が高いとされています。
紋の大きさは、厳密にコレといった決まりこそありませんが、一般的に女性が直径五分五厘(約2cm)で、男性が一寸(約3.8cm)といわれています。
■五つ紋
最も格が高い紋の入れ方が五つ紋で、第一礼装に該当します。
入れる場所は、背中(背紋)両胸(前紋)後ろ袖(袖紋)で合計5つです。
■三つ紋
五つ紋の次に格が高いとされる三つ紋は、略礼装とされています。入れる場所は、背紋と袖紋の合計3つです。
■一つ紋
三種類の中では最も格が低いのが一つ紋で、三つ紋と同様に略礼装に該当します。
一つ紋は背紋に1つ紋が入ります。
上記のいずれも、紋が入っている位置が誤っているものに関しては、フォーマルシーンでの着用に適していないので、注意が必要です。
また、第一礼装にあたる五つ紋ですが、色留袖には五つ紋・三つ紋・一つ紋を入れることも可能ではありますが、その場合は略礼装という扱いになることは、覚えておきましょう。
まとめ
着物の紋は、種類によって格が変わります。また、紋の表現方法や入れ方によっても格は変わり、最も格式が高いとされているのは、染め抜きの日向紋です。
男性用の着物や喪服、留袖には染め抜きの日向紋を用いるのが一般的です。また、格式高い式典等に出席する際には、基本的に染め抜き紋が入った着物を着用することをおすすめします。