辻が花・辻ヶ花(つじがはな)とは?わかりやすく説明
辻が花・辻ヶ花(つじがはな)とは?
辻が花・辻ヶ花とは、室町時代から伝わる気品漂う染め技法の一種です。
辻が花・辻ヶ花とは、模様を絞り染めした輪郭に墨絵を施したり、模様の隙間に墨で描いたりしていきます。
枯れかけた花や葉の朽ち果ててゆく様子を題材として描き、「もののあはれ」を漂わせた美しさを表現ししています。
幻の染め 辻が花・辻ヶ花とは?
辻が花・辻ヶ花は、その美しさからときの権力者たちの目にとまり、さらに色彩豊かな縫いや金銀箔が施された豪華なものに発展していきました。
そして、武将たちは戦場の陣羽織などに愛用していました。
しかし、江戸時代に入ると友禅染という新しい技法が確立されたために、急激に衰退し、やがて消滅してしまいました。技術を伝承する者もいなくなり、幻の染色とまでいわれました。
なんとか復活させようと尽力する職人が現れました。
試行錯誤が繰り返され、昭和の末期に息を吹き返しました。
ただ、室町時代ごろに大流行した辻が花・辻ヶ花は、現在でも再現不可能と言われています。
その理由は当時の染料や生地などの原材料が大きく違うことと、またそれらの材料が入手しづらいことにあります。
辻が花・辻ヶ花の魅力
辻が花の魅力は、何といっても、絞り染めによって表現されるその豪華かつ繊細な絵模様。
また、立体感を表現することに特化した絞りの技巧にくわえて、友禅技法が持つ自由な表現と複雑な絵柄表現をあわせた、良いとこ取りとも言える技法も辻が花・辻ヶ花の魅力と言えます。
辻が花・辻ヶ花はフォーマルシーンに最適な振袖や、訪問着の正装用として格のあるものです。そのため、式典や観劇、パーティーで着用されると良いでしょう。
また、留袖や訪問着の裾模様の部分にのみあしらわれる場合もあります。いずれにしても、上品に格調高い着こなしが大切です。
まとめ
辻が花・辻ヶ花は、室町時代から伝わる格調高い染めの技法の一種でしたね。
フォーマルなシーンでぜひ着こなしてみてはいかがでしょうか。