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夏のお宮参りの服装 赤ちゃんは絽(ろ)の掛け着、ママは絽の訪問着で涼やかに

2020年9月4日お宮参り, 訪問着, 産着

夏のお宮参りで着る服装

できれば避けたい真夏のお宮参り(初宮詣)や初参り。それでも、赤ちゃんの誕生日や家族のスケジュールの都合で、7月や8月がお宮参りになることも。

そんなとき、何より大切なのが服装です。真夏でも赤ちゃんに産着を着せたいのなら、風通しの良い絽(ろ)の掛け着を利用しましょう。

着物を着たいというママにも、絽(ろ)の訪問着がおすすめです。そんな絽(ろ)の着物とはどんなものなのか?着る時のマナーと併せて、夏のお宮参りでの注意点も紹介します。

お宮参り、初宮詣、初参りとは?

お宮参りは、赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を願う日本の伝統行事。
赤ちゃんが初めて神様にお参りすることから、「初宮参り」や「初宮詣」とも呼ばれています。
生後1カ月を過ぎた頃に、生まれた土地の守り神である産土神(うぶすながみ)様や住んでいる土地の守り神である氏神様にお参りをして、赤ちゃんが無事に誕生したことを感謝し、これからの健やかな成長を祈願します。
お寺と縁が深いという人は、お宮参り(初宮詣)を神社ではなくお寺で行っても問題はありません。
全国の大きなお寺では「初参り」という名目で、赤ちゃんの健康と成長を願うための祈祷を行っています。

お宮参り(初宮詣)や初参りの日取りは、一般的には男の子なら生後31日目か32日目、女の子なら32日目か33日目といわれています。
地方によっては寒さが厳しい時期は避けたり、猛暑のときには延期する方も多いようですが、中には家族の都合でどうしても避けられない場合も。
そんな7月や8月の猛暑の時期にお宮参りをしなければならない場合、どんな服装がふさわしいのでしょうか。

7月や8月にお宮参りをする場合、絽(ろ)の着物がマナー

絽(ろ)とは何か

ピンク色の絽の産着
絽(ろ)の生地の質感や透けるイメージを伝えるため、撮影時のライティングの設定により、写真では透けて見えますが、服の上から羽織ってしまうと透け感は気になりません。
ピンク色の訪問着にピンクの産着を着た女性
絽の産着を訪問着の上に着用。羽織ってしまうと透けません。

着物は季節に合わせて、仕立てや素材が変わっていくものです。
6〜9月の春と秋に着るなら、裏地のない「単衣(ひとえ)」の着物。
10月〜5月の晩秋、冬、早春、には「袷(あわせ)」と呼ばれる裏地のついた着物。
単衣の季節の中でも猛暑厳しい7,8月時分の盛夏には、薄物(うすもの)に分類される、「絽(ろ)」という素材の裏地のない単衣の着物を着ます。

着物の着用季節

7月や8月にお宮参りをする場合、本来は赤ちゃんの掛け着も、ママやおばあちゃんの訪問着や色留袖も、この絽の着物を着ることがマナーなのです。

夏のフォーマルとしても欠かせない絽(ろ)の着物は、裏地のない単衣(ひとえ)の中でも薄くて透け感があるため薄物(うすもの)とも呼ばれ、見るからに涼しげなのが特徴です。
生地の目の間隔が適度に空いていますから、見た目だけでなく着心地も涼やか。

盛夏のお宮参りでは着物は暑いからと避けられがちですが、7月や8月のお宮参りでは赤ちゃんの服装では絽(ろ)の掛け着、ママの服装としては絽(ろ)の訪問着が活躍します。

立場別に紹介 お宮参りにふさわしい夏の服装

赤ちゃんの服装

生まれて間もない赤ちゃんは体温調節が苦手です。季節ごとの服装には気を使って準備をしましょう。

通年の場合(9月〜5月くらいまで)

お宮参りの産着と訪問着を着た女性と赤ちゃん

お宮参りでの赤ちゃんの服装といえば、正式な和装スタイルでお宮参りに望む場合は白羽二重(しろはぶたえ)という絹の「内着(うちぎ)」の上に、掛け着(産着/祝い着)を羽織るのが一般的ですが、最近では洋装で済ませることが多くなりました。

あかちゃんを抱っこし産着を着る女性
高価なセレモニードレスや羽二重の内着を準備されてもOKですが、カバーオールで済ませるご家庭も増えています。何よりも赤ちゃんが着慣れて快適に過ごせる服装が大事です。

掛け着(産着/祝い着)をかけてしまえば頭しか見えませんので、産着の下の服装は下着、肌着の上に、着慣れたベビードレス(セレモニードレス)や、その時期に合わせた赤ちゃんの服装(カバーオールやロンパースなど)を着せ、掛け着(産着/祝い着)をかけるスタイルが主流です。掛け着も袷仕立ての掛け着となります。冬はおくるみなどを利用して防寒対策をしましょう。

夏の場合(6月下旬〜7月・8月くらいまで)

透け感のある絽の産着
透け感のある絽の産着は、裏地がない、単衣(ひとえ)仕立て。見た目にも涼しく、軽くて通気性に優れています。
写真では透けて見えますが、服の上から羽織ってしまうと透け感は気になりません。ある程度の時間産着を着用する場合は絽の産着がおすすめです。
訪問着に絽の産着を着た女性

夏の時期のお宮参りの掛け着の和装スタイルには、風通しの良い衣装や下着を選ぶのがポイント。
肌着はガーゼ素材のものを。風通しの良い素材のベビードレスやカバーオールを着せてあげるといいでしょう。猛暑のときには涼しさを優先して、思い切ってロンパースや肌着を着せずに、直接ベビードレスを着せてしまうのも涼くする方法のひとつ。

洋装の場合は、セレモニー用のベビードレスやカバーオール姿の赤ちゃんも多く見受けられます。

掛け着は、祈祷中の祝詞(のりと)をあげてもらうときや、記念写真の時だけ、羽織らせるケースが増えています。実際に赤ちゃんが着るのは参拝する時と写真撮影の数時間だけのため、夏であっても仕立てや素材に関係なく、気に入ったデザインの掛け着を選ぶ方が多いようです。

ところが、昔の人が考えた着物のマナーというのはよくできたもので、絽で作られた掛け着は見た目に涼しげなだけでなく、通気性にすぐれているため、夏のお宮参りでは赤ちゃんの暑さ対策にも役立ちます。
暑い時期に袷の掛け着を着せるのではなく、やはりマナー通り、絽の掛け着を選んであげるほうが赤ちゃんのカラダのためになるというわけです。

赤ちゃんがお宮参りで絽の掛け着を着る時の注意点

お宮参りの服装を絽の掛け着にしたからといって、赤ちゃんの暑さ対策が万全というわけではありません。

いくら風通しが良い絽の掛け着でも、真夏の炎天下に長時間羽織っていては、だんだんと熱がこもってしまいます。やはり神社に到着してから掛け着を羽織ったり、祝詞を上げてもらうときや、記念写真を撮影するときにだけ掛け着を羽織らせるといいでしょう。

もしも自宅を出るときからずっと掛け着を羽織るのなら、赤ちゃんにはベビードレスやカバーオールは着せずに、掛け着の下は肌着だけでもかまいません。できるだけ風通し良く涼しく過ごせる工夫をしてあげることが大切です。

上の子(兄弟)の服装

お宮参りに上の子(赤ちゃんの兄弟)を連れていく場合には、どのような服装がよいのでしょうか?

お宮参りでの主役は赤ちゃんですから、上の子が赤ちゃんより目立ちすぎるのは避けること、また子どもであってもフォーマルな装いに見えることが大切です。

男の子の場合、キッズ用のスーツもありますが、衿のあるワイシャツに黒や紺のパンツを合わせるだけでも、きちんとした印象に。
夏なら通気性のよい半袖のポロシャツにハーフパンツを。蝶ネクタイやサスペンダーをつけてあげれば、おしゃれでフォーマルな装いになります。

女の子の場合は、紺色のワンピースや白のブラウスに黒や紺のスカートの組み合わせがおすすめです。
暑い時期でもノースリーブのものは避け、できれば半袖のブラウスやワンピースを。レースのついた白のソックスやエナメルの靴などを合わせてあげると、フォーマルでかわいい印象に。

ママの服装

お宮参りのママの服装の主役である赤ちゃんの服装の格に揃えましょう。
赤ちゃんが和服の正式な祝い着を着る場合は、母親や祖母は赤ちゃんの衣装に合わせて着物がおすすめです。

通年の場合(9月〜5月くらいまで)

クリーム色の訪問着を着た女性

お宮参りのママの服装は、赤ちゃんが祝い着着物である掛け着を羽織るのに合わせて、ママも訪問着(ほうもんぎ)や色留袖(いろとめそで)、付け下げ(附下げ/つけさげ)などの着物を選ぶ方が多いようです。何より掛け着を着た時、和服の方が調和が取れます。

緑色の訪問着に黒い産着を着た女性

気品を感じさせる優しい色調のグリーンや水色、淡いオレンジ、薄いピンクなどの明るめだけど、派手にならない着物を選ぶとよいでしょう。

洋服に青い産着を着た女性と白いワンピースを着た女性

赤ちゃんがベビードレスの場合は、ママも洋装が基本。紺や黒、ベージュなど落ち着いた色のフォーマルスーツやワンピースが一般的です。

夏の場合(6月下旬〜7月・8月くらいまで)

夏のお宮参りの服装の絽の訪問着を着た女性
夏の間にしか着られない、夏の風物詩のフォーマル夏着物の絽の訪問着
夏のお宮参りの服装の絽の訪問着を着た女性

盛夏の場合は、和装は夏用である薄物に分類される、単衣仕立ての絽の訪問着や付け下げ(附下げ/つけさげ)を着用します。

洋装ならば夏用のフォーマルスーツやワンピースを。どんなに暑い日でもノースリーブや襟元が大きくあいたデザインなど、露出の多いものは避けて。足元もサンダルやミュールなどはNG。フォーマルな装いにふさわしいローヒールのパンプスを。

夏のお宮参りのママに絽(ろ)の訪問着がオススメの理由

盛夏のお宮参りにママが着る着物は「絽(ろ)」の生地の着物ですが、夏の着物の生地には、「絽(ろ)」のほかに「紗(しゃ)」があります。

どちらも、もじり織(からみ織)という生地に隙間ができる織り方のため、通気性に優れ、透ける感じになるのが特徴。ではなぜ、お宮参りのママの着物には絽がオススメかといえば、絽が紗よりも格が上になるため。

どちらも同じもじり織ですが、紗は全体的に生地に隙間ができる織り方のため、繊細な柄を染めることが難しいといわれています。ところが絽の場合、生地に隙間ができる織り方の途中に、平織という平らな部分を入れるため、そこに繊細な柄を美しく描くことができることから、フォーマルな場面でも重宝されるようになりました。このことから、夏のフォーマルな場面には絽の着物、セミフォーマルやカジュアルな場面では紗の着物がマナーとなったのです。

また、少し前まではレンタルできる絽の着物は数が少なかったのですが、今では上質で絵柄も多彩な絽の着物、とくにさまざまな場面で活躍してくれる絽の訪問着を数多く扱うレンタルショップが増えてきました。おかげで、盛夏のお宮参りでも気に入った色や柄の訪問着を着ることが可能に。着物のマナーとしてだけでなく、気に入った着物を楽しみながら暑さ対策できることから、夏のお宮参りのママの服装には、絽の訪問着がオススメです。

ママがお宮参りで絽の訪問着を着るときの注意点

絽の着物はその透け感が大きな魅力なのですが、その一方で、必要以上に透けて見えてしまう心配があります。

対策としては、白い長襦袢だけでなく、肌襦袢、裾除けもしっかりと身に着けておくことが大切です。
この時、色物や柄物の長襦袢はNG。確かにおしゃれな着こなしにはなりますが、お宮参りはフォーマルな場ですので、白い長襦袢を着用しましょう。

夏のお宮参りの服装の絽の訪問着を着た女性
絽の着物には絽の袋帯や帯締め・帯揚げ・長襦袢・半襟を用意するのがマナーです

もうひとつ覚えておいてほしいのが、フォーマルな場に着ていく絽の訪問着には、やはり絽や紗の袋帯を合わせるのが基本。帯の柄はおめでたいものや格式高いものを選びましょう。絽のコーディネートが難しかったり、絽の着物を一式揃えるのは予算的に厳しい場合はレンタルという手もあります。

夏のお宮参りは赤ちゃんとママの体調を優先

真夏のお宮参り(初宮詣)や初参りで心配なのが熱中症。
どんなに涼しい着物を着ていても、猛暑の中で直射日光に当たり続けていては熱中症になってしまいます。ベビーカーを持ち込んでも許される神社やお寺なら、赤ちゃんをベビーカーに乗せるなどして、少しでも日差しを避けることを意識しましょう。

こまめな水分補給も必要です。
とくに赤ちゃんは体内の水分量が多く、体重の7〜8割は水分なのだとか。
そんな体のほとんどを占める水分がしっかり維持されないと、脱水症状を起こしてしまうことに。
必ず赤ちゃん用の水分を準備しておきましょう。

産後一か月でまだまだ体調が万全でないママ自身も、こまめに水分を補給するなど、自分の体調にも気をつけなくてはいけません。楽しみにしていたお宮参りでも、ママや赤ちゃんの具合が悪い時には、思い切って日程の変更を。まずは家族の体調を第一に考えて、柔軟に対処しましょう。

まとめ

7月、8月という真夏のお宮参り(初宮詣)や初参りには、赤ちゃんは絽の掛け着、ママは絽の訪問着で、できるだけ涼しく過ごせる服装にしましょう。

最近はレンタルでも絽の掛け着や訪問着があるので、好きな色や柄を選ぶことができます。お宮参り当日の熱中症対策もしっかり準備していくことが大切。それでも、お宮参りをするのがつらいような猛暑や、ママや赤ちゃん、家族の誰かが体調をくずしているなら、無理をせず日程を変更することも必要です。