訪問着に必要なものとは?選び方のポイントと準備用チェックリスト
訪問着に必要なものをチェックリスト形式でご紹介。
帯まわりや着付け用の小物、アンダーウエアなど、訪問着に必要なものを揃える場合、どんな色柄のものを選ぶのかは訪問着を着る場面によっても変わります。とくにフォーマルシーンでは注意が必要です。
そこで、訪問着に必要なものの一覧と、フォーマルシーンでの小物の選び方を併せて紹介します。
訪問着に必要なものチェックリスト
訪問着の着付けに必要なものをチェックリストにしてみました。
準備をするときや、すべて揃っているか最終的な確認をするときに役立てましょう。
訪問着に必要なものチェックリスト
□訪問着
□帯
□帯締め
□帯揚げ
□帯枕
□帯板
□肌着
□長襦袢
□半衿
□衿芯
□足袋
□腰紐(5~6本)
□伊達締め(2本) ※または伊達締め+マジックベルト
□コーリンベルト(2本)
□補正パッド及びフェイスタオル
□草履
□バッグ
訪問着とはどんな着物?
訪問着は「絵羽模様(えばもよう)」と呼ばれる、縫い目をまたいで柄が施された着物のことをいいます。
訪問着は裾、肩、袖、衿など描かれているのが特徴です。裾のみに柄が入っているのは色留袖や黒留袖になります。
準礼装または略礼装として、未婚既婚を問わず、フォーマルから外出着まで幅広く着られるのが特徴です。
訪問着を着用できる場面
・結婚式や披露宴にゲストとして招かれたとき
・子どものお宮参りや七五三
・入学式や卒業式など、子どもの学校行事
・正式なお茶会
・観劇やコンサート
・会食、パーティーなど
さまざまな場面で活躍してくれる訪問着ですが、目的によって着物の選び方や着こなしに若干の注意が必要です。
例えば、訪問着は紋があると準礼装、紋がないと略礼装となり、紋入りの訪問着は紋なしの訪問着よりも格が高くなります。
以前は、格式の高い結婚式では紋付きの訪問着を着るのが主流でしたが、最近は、友人や仕事の同僚などの結婚式の場合、紋なしの訪問着を着る方が増えています。
また、入学式や卒業式、お宮参りや七五三など、子どものお祝い事に着るケースも多く、主役の子どもを引き立てるような、品が良くて淡い色の訪問着を選ぶことが大切な場面も。
一方、祝賀会などのパーティーでは、花を添えるような華やかな装いがふさわしいですし、観劇や音楽会やなどでは遊び心のあるコーディネートを楽しむ方も。
訪問着は、TPOに合わせて上手に選ぶことが求められる着物といえそうです。
訪問着の着付けに必要なものとフォーマル用の選び方
訪問着を着るために必要な小物を紹介します。
訪問着を結婚式などのフォーマルシーンで着る場合には、合わせる小物にも注意が必要です。
帯と帯まわり
帯
訪問着には袋帯や洒落袋帯、名古屋帯などを合わせます。
結婚式や披露宴などのフォーマルシーンなら、金糸・銀糸が施された格調高い袋帯を合わせて。
吉祥文様などの縁起の良い柄が最適です。
街着感覚で訪問着を楽しむなら、洒落袋帯や名古屋帯で軽やかに装うのもOK。
帯締め
帯の上に締める紐のことで、帯結びを支えるだけでなく、アクセントにもなっています。
フォーマルシーンでは白地のものを選びがちですが、訪問着に使用する帯締めは色のある平打ちでもOK。ただし、金糸や銀糸の入った格調高いものを選ぶことがポイントです。
帯揚げ
帯枕を包むもので、帯からのぞく部分がアクセントにもなっています。
訪問着をフォーマルシーンで着る場合には、淡い地色に刺繍や絞りが入っているものなど、優しい雰囲気のものを選びましょう。
帯枕
帯結びの形を作る土台となるのが帯枕。礼装用には、お太鼓の山に高さと膨らみをもたせてくれる、大きくて厚みのある帯枕を選ぶのがポイント。
帯板
胴に帯を巻くときに使用する薄い板。帯の二巻目に差し込んで、前帯にシワが寄らないようにしています。
フォーマル用には幅広で長い帯板が一般的。
アンダーウエア
肌着(肌襦袢と裾よけ、またはワンピース肌着)
素肌に直接着る肌着には、肌襦袢と裾除けの二部式や、肌襦袢と裾除けを一つにしたワンピース状の肌着があり、長襦袢や着物に汗が移るのを防いでくれます。
長襦袢
長襦袢は洋装に例えるとインナーのようなもの。
着物を汗や皮脂から守り、足さばきをよくする役割があります。
色物でもかまいませんが、子どもの入学式や卒業式の場合は、白のほうがいいでしょう。
半衿
衿元の汚れを防ぐ半衿は、長襦袢に縫い付けて利用します。
白一色、色あり、柄あり、刺繍入りなど様々なタイプがありますが、フォーマル用としては白地に金糸や銀糸、白糸の刺繍など、気品が感じられるものを。
観劇や会食など外出着としての訪問着には、色糸の刺繍があるものや地色があるものも使用できます。
衿芯
着物の衿元を整えるもので、長襦袢に縫いつけた半衿の中に通して使用します。
衿芯がないと衿がキレイに決まらないため、必ず衿芯は使用しましょう。張りのあるやや硬めのものがオススメです。
足袋
足袋はフォーマル用には白足袋を合わせます。
訪問着を街着として楽しむのなら、色付きや刺繍入りの足袋でおしゃれにコーディネートしても問題はありません。
着付け小物
腰紐(5~6本)
着物がはだけないようにしっかり着付けるために使用する紐。着物にも長襦袢にも、補正するのにも使用します。必要な本数が人によって違うので、5~6本は用意しておきましょう。
伊達締め(2本)※または伊達締め+マジックベルト
伊達締めは着崩れを防ぐために使用します。腰紐よりも太い紐で、長襦袢と着物のそれぞれに1本ずつ使います。伊達締めの代わりにマジックベルトを使用してもかまいません。
コーリンベルト
胸紐の代わりとなり、着物の衿の着崩れを防ぐ役割を担ってくれます。
フェイスタオルまたは補正パッド
美しい着姿を作るため、体型に合わせてフェイスタオルや補正パッドで補正します。
体型によって使用するタオルの枚数は変わるので多めに用意を。また、色が透けて見えないように衿元用の白いタオルを一枚は用意しましょう。
細身の人はかなり補正が必要になるので、脱脂綿やガーゼも多めに用意を。
装飾品
草履
フォーマル用の草履は4cm以上の高さがあり、金や銀を基調にしたものを選ぶことがポイント。
高級感のある佐賀錦や唐織、綴織などの織物や、上質なエナメルのものを合わせて。
バッグ
フォーマルな装いには、金糸・銀糸で装飾された華やかな礼装用のバッグを。
フォーマル用のバッグは荷物が入らないので、荷物が多いようなら和装用のサブバッグも用意しておきましょう。
訪問着に伊達衿(重ね衿)は必要?
結婚式や入学式、卒業式などに訪問着を着て行く場合、伊達衿はいるの?という疑問の声をよく耳にします。
では、どう判断すればいいのでしょうか。
結論からいうと、訪問着に伊達衿をつけるかどうかに対して、とくに決まりはありません。
昔は礼装の場合、慶事が重なりますようにという想いを込めて、着物を二枚、三枚と重ね着するのがマナーでした。
その名残として、第一礼装である留袖は、比翼という着物を二枚重ね着したように見える仕立てとなり、振袖や訪問着、付け下げ、色無地などの礼装の着物では、重ね着しているように見える伊達衿が使われるようになりました。
ですから、準礼装や略礼装として訪問着を着る場合、訪問着の色や柄が控えめで全体的に寂しく感じるのであれば、華やかさをプラスするのに伊達衿を使用しても問題はありません。
ただし、お茶席の場合は伊達衿をつけないことをオススメします。
お菓子を取ってまわすときや、お茶をいただくときなど、胸元から袱紗と懐紙を出し入れするときに、伊達衿が一緒に出てきてしまう可能性があります。
美しい所作の邪魔になるのでやめておくほうがよいでしょう。
訪問着を着るなら一式揃うレンタルが賢い選択
訪問着を着る予定だけれど準備が大変という方や、自分のコーディネートに自信が持てないという方は、訪問着に帯、必要な小物や装飾品などが、すべてコーディネートされた状態で揃う、きものレンタルを利用するのが賢い方法です。
訪問着|ピンクに雲取り| H0163 / レンタル価格 18,800円(税込/往復送料込)
とくにフォーマルシーンで利用したい場合には、きものレンタリエでレンタルすれば、着付けに必要なものが一式セットになってお手元に届きます。
自分で準備するのは、補正用のタオルやガーゼ、着物クリップぐらいで済むので、準備に追われることもありません。
訪問着|桂由美 薄い緑地に辻が花| H0077 / レンタル価格 29,800円(税込/往復送料込)
自分で着付けをするための着付けキットも登場
着物を着る場合、必要なものの準備のほかに、もう一つ心配なのが着付けですよね。
自分で出来たらどんなにラクか……とは思うものの、なかなか着付け教室に足が向かないという方や、初めて訪問着を着るこの機会に、着付けにもチャレンジしてみたいという方にオススメなのが、きものレンタリエの「着付け体験キット」です。
★★★★★お客様レビューも高評価★★★★★
着付け教室に通い始め、お出かけレッスンにレンタルさせていただきました。必要な物が全て揃って、このお値段で、この期間はお得過ぎでした。着物の質も良くて、帯も締めやすい柔らかさで、不馴れな私でもしっかり締めることができました。すなおさんのYouTubeは以前から見ていたので、さらに着やすかったです。何度か練習もできて、着付け教室の試験もクリアでき、修了式も無事に参加できました。今度は、娘の成人式にもお世話になりたいと思います。ありがとうございました。
子どもの入学式にレンタル着物を探していたところ、着付け体験セットを発見し、挑戦してみました。毎日は練習できませんでしたが、なんとか着られるようになりました。綺麗に着られる自信はありませんが、入学式は早起きし、頑張って着る予定でいます。入学式用にチェックしていた着物はレンタルできなかったのですが、次回割引クーポンでお得にレンタルできました。また七五三も親子でレンタルを考えています。自分で着付けしてみようと良い機会をいただきありがとうございました。お家時間も増えた今、着付け教室へ出向かずに着付けの体験が出来てとてもいいセットなのでおすすめです。
着物と帯、着付け用の小物一式に、着付け方のマニュアル動画集がセットになっているうえ、13泊14日もレンタルできるため、本番に向けてたっぷりと着付けの練習をすることが出来ます。
着物で長時間を過ごすのが心配な方も、まずは着物に慣れるためのリハーサルとして、着付けキットを利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
訪問着は主にフォーマルシーンで活躍することが多いため、留袖を着るときほどマナーにうるさくはないものの、礼を欠くことのない装いにすることが大切です。
とくにアクセントとなる小物は、格の高い品のあるものを選ぶように心がけましょう。
また、この機会にきものレンタリエの「着付け体験キット」を使って、自分で着付けが出来るように練習してみては。
自分で着物が着られるようになるだけで、おしゃれの幅が格段に広がります。
きものレンタリエ編集部では、着物用語の基礎や結婚式・お宮参り・七五三・成人式・卒業式・初節句などの情報などを着物知識豊富なメンバーが様々なコンテンツにて配信しております。
メールマガジン、Youtube、X(旧Twitter)、Instagram、LINE@でも情報を配信しております!
ぜひそちらもチェックしてみてください!!