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鹿の子(かのこ)柄とは?

着物の豆知識

赤い鹿の子柄

鹿の子(かのこ)柄とは?

鹿の子柄は、伝統的な和柄のひとつです。鹿の子とは、子鹿の背中の白い斑点をデザイン化した柄です。
訪問着や、振袖に使われるほか、子どもの着物の柄としても良く使われます。
鹿の子柄の着物は、通年着ることができます。

鹿の意味あい

鹿は“神の使い”ともいわれ、春日大社や鹿島神宮で手厚く保護されており、縁起の良い動物といわれています。
また鹿は、生命力や繁殖力に優れることから、「子孫繁栄」の象徴としてされています。

縁起の良い和柄

鹿の子柄が縁起の良い動物の柄とお伝えしましたが、では他にはどのような縁起の良い柄があるのでしょうか。ここでは、植物が由来の柄と動物が由来の柄について見ていきましょう。
~植物が由来の柄~
◇「梅」:寒い時期に最初に咲くことから「忍耐」や「生命力」の象徴といわれています。

◇「竹」:成長が早いことから「健康」を願う象徴、青々とした伸びやかな姿から「威勢」を表すものとされています。

◇「松」:一年通して緑の葉をつけていることから「生命力」の象徴となっています。また「長寿」の象徴ともされています。

◇「麻の葉」:麻の葉が真っ直ぐ伸びて育つことから、「成長」を願う柄とされています。また、邪気を祓う力があると言われ、「魔よけ」の意味も込められています。

~動物が由来の柄~
◇「亀甲」:亀は古くから「長寿」の象徴とされています。

◇「蝶」:幼虫からさなぎを経て、美しい蝶へと成長することから「立身出世」の願いが込められた柄です。また、 “長”と同じ読みであることから「長命」の意味合いも持ちあわせています。

鹿の子柄の製法

鹿の子で有名なのは、「鹿の子絞り」といわれる絞り染めです。
生地を少しだけつまんで糸できつく縛り、染料に着けて糸をほどくと縛った部分が白く斑点模様となります。
独特の立体感が表現された美しさがあり、大変手間のかかる手法で作られた贅沢品として、江戸時代には奢侈禁止令(しゃしきんしれい)の対象となりました。
その代わりとして、型染めで鹿の子絞りを表現した京都の「疋田(ひった)絞り」が人気となりました。
ほかに織り・刺繍でも、鹿の子模様は表現されています。

鹿の子柄の着物

鹿の子柄は、「総絞り」のように全体に施したり、部分的にアクセントとして用いるなど男女を問わず用い垂れています。
布地のすべてを絞り染めで染めているのが総絞りですが、ひとつの作品を手掛ける時は、最初から最後まで一人の職人だけで行うために大変手間がかかる高級品として、年々数が少なくなり希少な着物となってきています。
鹿の子柄は、着物だけではなく長襦袢、帯揚げにも用いられています。

まとめ

鹿の子柄は、子鹿の背中の白い斑点をデザイン化した縁起の良い伝統的な和柄の一つでした。
鹿の子は可愛らしさと高級感を併せ持った稀有な柄です。お宮参りの着物の柄に、鹿の子を選んでみてはいかがでしょうか。

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