色留袖と黒留袖の違いとは?覚えておきたい特徴と選び方
色留袖と黒留袖の違いは、地色、紋の数、着用できる人にあります。
そんな色留袖と黒留袖の違いを知ることで、自分は結婚式でどちらを着用すればいいのかがわかります。まずはこの記事を参考にして、色留袖と黒留袖の違いを覚えておくといいでしょう。
留袖とは?
留袖の始まりは江戸時代。結婚して既婚者になると振袖の袖を切り短くした着物を着ていました。
袖を切るは縁を切ることを連想させるため、留めるという言葉を使ったことから、その着物は「留袖」と呼ばれるようになりました。
現在の留袖には色留袖と黒留袖の2種類があり、留袖は主に結婚式で親族が着用する礼装用の着物として利用されています。
黒留袖と色留袖の違いは?
黒留袖と色留袖のどちらも、結婚式のような格式の高いお祝いの場で、招待客をもてなすために親族が着用する礼装として知られています。
では、黒留袖と色留袖、その違いはどこにあるのでしょうか。
黒留袖とは?

黒留袖とは黒地に、裾にだけ絵羽模様があしらわれた着物のこと。
既婚者だけが着ることのできる着物であり、必ず染め抜き日向紋の五つ紋を入れることから、既婚者が着用する着物の中でもっとも格の高い正礼装(第一礼装)として、主に結婚式や披露宴で利用されています。
結婚式で黒留袖を着ることができるのは、新郎新婦の母、仲人夫人、新郎新婦の姉妹や祖母、伯母・叔母などのごく近い親族だけとなります。
最近の黒留袖は、白羽二重を重ね着しているように見える比翼仕立てになっているのが一般的です。

黒留袖|平安絵巻|T0036 / レンタル価格 36,800円(税込/往復送料込)

色留袖とは?

色留袖は地色が黒以外の留袖のこと。無地のものと地模様のものがあり、着物の裾だけに絵羽模様があしらわれています。
黒留袖と異なり未婚者でも既婚者でも着用できる着物で、親族や近親者の結婚式に着用する格式の高い着物として利用されています。
色留袖の場合、黒留袖のように紋の数は決まっておらず、比翼仕立てをしたものに五つ紋を入れると、黒留袖と同等の正礼装になります。ただし、比翼仕立てにしていない色留袖は準礼装となるため、五つ紋は入れません。
三つ紋で準礼装になりますが、結婚式に親族が着用するだけでなく、正式なお茶会やパーティーなどにも着用することができます。
一つ紋の場合も準礼装となりますが、結婚式では招待客が着用する着物となります。

色留袖|薄紫に光琳水|I0101|L / レンタル価格 21,800円(税込/往復送料込)

色留袖が人気の理由

留袖を着用される方も時代とともに少しずつ変化してきました。
実は新郎新婦の叔母や姉、妹などに未婚の方が増えたため、黒留袖は着ることができず、結婚式には色留袖を着る方が増えています。
また、既婚の親族であっても地色にさまざまな色があり、華やかなにもシックにも装うことができるため、色留袖を選ぶ方が増えているようです。
そのため、黒留袖を着るのは新郎新婦の母親だけというスタイルが増えています。
まとめ
色留袖と黒留袖の違いは、地色と紋の数、未婚でも着られるかどうかです。
五つ紋の黒留袖は正礼装としてしか着用できませんが、五つ紋、三つ紋、一つ紋を入れられる色留袖は、黒留袖よりも着用範囲が広くなります。
また、未婚でも既婚でも着られるうえ、華やかな色もシックな色も選べるとあって、色留袖が人気を集めています。